佐世保バーガー 写真提供:(一社)長崎県観光連盟
長崎県のおいしいものとは?
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」及び「明治日本の産業革命遺産」の2つの世界遺産がある長崎県。「対馬」「壱岐」「五島列島」をはじめ有人の離島の数は全国最多の51あり、県人口の約1割にあたる12万4,000人が暮らしています。「世界新三大夜景」の長崎市の夜景も大きな魅力のひとつですね。
長崎県のおいしいものといえば、卓子円卓(卓袱)を囲んで大皿に盛られた「卓袱(しっぽく)料理」、五島の新鮮な魚介類、ボリューム感のある「佐世保バーガー」、大人のお子様ランチ風の「トルコライス」、「五島うどん」や「島原手延べそうめん」などがあります。江戸時代の鎖国下に、日本で唯一の貿易をしていた場所であり、外国の影響を感じるグルメも多いですね。
長崎県グルメはたくさんありますが、あなたがおさえておくべき美味とは。
長崎市ほか
長崎県民のソウルフード「長崎2大麺」
皿うどん 写真提供:一般社団法人 九州観光推進機構
長崎の2大麺料理といえば、「長崎ちゃんぽん」と「皿うどん」。具だくさんでボリュームがあり、野菜も多く摂取できてヘルシー。いずれも、中華料理店「四海樓」の創業者・陳平順氏が、中国人留学生や華僑同僚のために、「おいしくてボリュームがあり、栄養価が高く安価なメニューを」と考案したものです。
ご飯食べた?が語源「長崎ちゃんぽん」
四海樓ちゃんぽん
明治時代、中華料理店「四海樓」の創業者・陳平順氏が、華僑同僚や中国人留学生のために、「おいしくてボリュームがあり、栄養価が高く安価なメニューを」と考案しました。当時は日清戦争が勃発しており、在留中国人は冷遇され、貧しい食生活を見かねたためです。当初は「支那うどん」と呼ばれていましたが、当時の華僑同士の挨拶言葉「シャポン」(「ご飯を食べた?」という意味)から転じて「ちゃんぽん」へ。具材は長崎近海で獲れた魚介類や肉類とたっぷりの野菜で腹持ちがよく、栄養バランスも抜群でヘルシー。
人気が出た「ちゃんぽん」は、たちまち長崎じゅうに広まり、陳平順氏の娘が「四海樓のものとして特許を取る」ように父に進言しましたが、陳平順氏は「日本中の人が、よろこんでちゃんぽんを食べてくれたら、それで満足だ」と聞き流したそうです。陳平順氏は、19歳の時コウモリ傘1本だけを持って渡日し、リヤカーの行商からスタートした苦労人。おなかのすいた華僑のために、そして日本人にも喜んでもらいたい。私利私欲にとらわれることなく、「おいしいものでおなかをいっぱいにする幸せ」が、彼の生涯のテーマだったのかもしれません。
ちゃんぽんのバリエーション「皿うどん」
四海樓 皿うどん(太麺)
ちゃんぽんのバリエーションとして、四海樓の創業者・陳平順氏が作ったのが「皿うどん」。ちゃんぽん麺を強火で焼き、少なめのスープを加え、麺に染み込ませたもの。うどんに似た麺が皿にのることから「皿うどん」と名付けられました。地元では太麺が定番だそうです。
皿うどんが簡単に作れるようにと極細の揚げ麺を使った「炒麺」も、「皿うどん」と呼ばれるようになりました。皿うどんの麺は細麺あるいは太麺の2種類から選べるそうです。私たちに馴染みが深い極細の揚げ麺は、アレンジ品だったのですね。元々は太い麺が「皿うどん」で、名前の由来が納得ができました。
四海樓 皿うどん(細麺)
■四海樓の沿革 中華料理 四海樓
四海樓 https://shikairou.com
ちゃんぽん・皿うどんが食べられるお店 あっ!とながさき
https://www.at-nagasaki.jp/restaurant/?latitude=&longitude=&list_type=row&sort_type=access&keyword=&cate_m=40
など
壱岐(いき)市
「壱岐のウニ丼」
写真提供:(一社)長崎県観光連盟
九州・玄界灘に浮かぶ長崎県の離島、壱岐島。アクセスは、福岡県博多港から高速船で約1時間、長崎空港から飛行機で30分。手付かずの自然が魅力の壱岐島は、おいしいものの宝庫。特にウニは評価が高く、新鮮なウニを期待して県外から多くの人が訪れます。
4月中旬から10月中旬がウニの漁期で、主に定番の「ムラサキウニ」(4月中旬~6月上旬)と「ガゼウニ」(7月頃)、幻のウニと呼ばれる「赤ウニ」(6月中旬~10月末)の3種類が水揚げされます。ムラサキウニより水深の深い場所に生息する「赤ウニ」は濃厚な甘みがありますが、生息数が少なく捕獲の難易度が高いため、希少性が高いそうです。
写真提供:(一社)長崎県観光連盟
たっぷり新鮮なウニがのった「壱岐のウニ丼」は、一度は食べてみたい憧れのグルメです。
ウニ料理が食べられるお店 壱岐観光ナビ
https://www.ikikankou.com/gourmet?rtc%5B%5D=21&rtd=&q=&lat=&lng=&st=acs&vw=tile
など
長崎市、諫早市、島原市など
砂糖文化発祥の地「長崎スイーツ」
江戸時代、砂糖は海外との唯一の窓口であった長崎県出島で荷揚げされ、長崎から京都・大阪、江戸などへと運ばれて行きました。長崎街道(シュガーロード)の起点となる長崎には、貴重品であった砂糖が潤沢にあり、砂糖文化が花開いたのです。
大人から子どもまで大好き「カステラ」(長崎市ほか)
写真提供:(一社)長崎県観光連盟
長崎土産の定番「カステラ」は、大人から子どもまで幅広く愛されるスイーツ。ふんわりと優しい口当たりは気持ちをホッとさせ、コーヒー、紅茶、日本茶やミルクにも良くあいます。
定番の「プレーン」のほか、「チョコレート」、「抹茶」、「和三盆」、「カステラ棒(ラスク)」など、各社バラエティーに富んでおり、食べ比べも楽しそうです。ひな祭りの時期の「桃カステラ」もかわいらしくて、大好きです。
松翁軒 https://shooken.com
福砂屋 https://www.fukusaya.co.jp
カステラが買えるお店 あっ!とながさき
https://www.at-nagasaki.jp/restaurant/?latitude=&longitude=&list_type=row&sort_type=access&keyword=カステラ
など
長崎のロングランスイーツ「シースクリーム」(諫早市)
写真提供:一般社団法人 九州観光推進機構
見た目はショートケーキに似ていますが、梅月堂が日本で初めて作った、長崎だけのオリジナルケーキ「シースクリーム」。きめ細かくスーと溶けるスポンジケーキと、ふんわりコクを持つカスタードクリーム、生クリームと黄桃とパイナップルの調和がよい、長崎のロングランスイーツです。クール便で取り寄せも可能。
シャリシャリ、ひんやり「ミルクセーキ」(長崎市)
写真提供:一般社団法人 九州観光推進機構
大正14年(1925年)創業の九州最古の喫茶店「ツル茶ん」の初代店主が考案した、「ミルクセーキ」は卵、砂糖、練乳を混ぜかき氷を加えたもの。長崎では飲み物ではなく、アイスクリームとかき氷の中間のような、シャリシャリした食感のデザート。かつては夏の風物詩でしたが、現在は年間を通じて提供中。
「ミルクセーキ」人気により、「長崎ミルクセーキ風味ラングドシャ」や「長崎名物ミルクセーキ味 カラフルなポップコーン」など、「ミルクセーキ」スイーツも登場しています。
ツル茶ん
https://www.nagasaki-tabinet.com/eat/64362
【長崎発祥!】ご当地グルメ「食べるミルクセーキ」おすすめ店・12選! ながさーち
https://nagasaki-search.com/1692/
長崎ミルクセーキ風味ラングドシャ
https://apshop.jp/shopdetail/000000001331/
長崎名物ミルクセーキ味 カラフルなポップコーン
https://apshop.jp/shopdetail/000000001582/
など
名水「島原の湧水」で冷やした、郷土のスイーツ「かんざらし」(島原市)
写真提供:(一社)長崎県観光連盟
白玉粉で作った小さな団子を「島原の湧水」で冷やし、蜂蜜、砂糖等で作った蜜をかけた、上品な甘さで喉越しのよい素朴な郷土の味。日本名水百選に選ばれた「島原の湧水」で粉を練り、小さな白玉団子をよく冷やすことが味のポイント。
名前の由来は、原料となる餅米を大寒の日に水にさらすことを「寒(かん)ざらし」と呼ぶことから。シロップに使われる砂糖・ハチミツは昔は贅沢品であり、夏季にお客様にお出しする「おもてなしデザート」だったようです。
かんざらし提供店舗一覧 島原市
https://www.city.shimabara.lg.jp/page956.html
かんざらしが味わえるお食事処 ENJOY!しまばら
https://www.shimabaraonsen.com/guide/archives/64
など
今回は、長崎県のご当地グルメの一部をご紹介しました。ご当地グルメには、各地の名産や文化が詰まっています。コロナ禍が落ち着きましたら、ぜひ旅の思い出に味わってください。通販で取り寄せできるお店もありますから、ご自宅で楽しむのも良いでしょう。
注意:2021年6月現在の情報になりますので、店内での飲食ほか詳細につきましては、直接店舗へお問い合わせください。