釣りと魚料理好き必見!釣りたての魚を味わえる会員制割烹料理店がオープン「割烹 波勢」【神戸・三ノ宮】

Posted by: ロザンベール葉

掲載日: Jul 6th, 2021

自分で釣った魚をシェフが調理し、その料理をお店で味わえる、日本初の会員制システム「釣り人のためのシェフシェアリング“釣り人”」。六本木のイタリアン「リストランテ ペスカトーレ」に続く2号店、神戸・三ノ宮「割烹 波勢」が2021年7月2日にオープンしました。釣りをせずに料理だけをいただくこともできます。釣れたての魚介類を活かした割烹料理を堪能させていただきました!

割烹 波勢

「釣り人のためのシェフシェアリング“釣り人”」とは?

割烹 波勢

釣り人なら一度は抱える悩み、「大きな魚を釣っても、うまくさばけない」「せっかく大量に釣れたのに食べきれない」「家で魚を調理すると、においが気になる」といった、釣り人の悩みを解消したいとの思いから誕生したのが「釣り人のためのシェフシェアリング“釣り人”」。

2017年にオープンした1号店、東京・六本木の会員制イタリアンレストラン「リストランテ ペスカトーレ」では、持ち込んだ魚をシェフがさばき、その日の内に味わうことができます。または釣った魚を、店内にあるマイナス60度の冷凍庫で保存し、数カ月後でも刺身としておいしく食べることができるのです。

「友人が釣った高級魚を最高のシェフの料理でお裾分けしてもらう」というコンセプトがユニーク。「釣り人会員」と一緒なら何名でも一緒に料理を楽しむことができ、「応援会員」になれば、「釣り人会員」が釣ってきた魚料理を堪能できるという、いまだかつてない日本初の会員制システムです。
※詳細は下部「会員制度」をご覧下さい。

2021年7月2日にオープンした2号店で、関西初の神戸・三ノ宮「割烹 波勢(はぜ)」では、1号店同様のスタイルで割烹料理を堪能できます。

神戸・三ノ宮「割烹 波勢」のディナーコース

割烹 波勢 入口

オープンに先駆けて、神戸・三ノ宮「割烹 波勢(はぜ)」でディナーコース(6,600円・税込・ワンドリンク付き)をいただきました。

場所はJR三ノ宮駅西口・阪急電鉄神戸三宮駅東口より徒歩約7分。異国情緒あふれる坂道に洋館が点在する、神戸の有名観光地・北野異人館街のビル半地階に佇んでいます。近くに本店「日本料理 波勢」がありますが、場所は異なりますのでご注意を!割烹ならではの落ち着いた和の雰囲気です。

割烹 波勢 カウンター
(C)釣り人のためのシェフシェアリング“釣り人”

ひのきの一枚板カウンターは全8席。奥にはイチョウの木のテーブル8席と4席があります。内装にはオーナーである山本隆文さんの地元、兵庫県宍栗(しそう)市やその近郊で伐採された木材を生かしています。

割烹 波勢 魚介類

カウンター上には山本さんたちが釣ってこられたという大きな魚が、ダイナミックにズラリと並んでいます。幻と言われる天然の本カンパチ、ヒレナガカンパチ、オナガダイ、キンメダイ、赤イサキ、赤ハタ、青鯛など、豊洲市場ではなかなか見ることのできない貴重なものだそうです。

割烹 波勢 日本酒

まずはワンドリンクサービスの飲み物です。せっかくなので、料理に合うおすすめの日本酒をいただくことにしました。山本さんの出身地・宍栗市「山陽盃酒造」の「播州一献 山廃純米 播州愛山」(通常1,100円・税込)。お酒の旨みがしっかりとありながら、飲みやすく料理の味を妨げないバランスの取れた味わいです。

日本酒は6種そろい、それ以外にも数種類用意されているとのこと。ほかにも焼酎、グラスシャンパン、グラスワイン、ビール、ウィスキー、梅酒、ソフトドリンクと充実しています。シャンパンやワインはボトルもあります。有名ホテルのバーテンダーだったという山本さんが、全て自らセレクトされているそうです。

割烹 波勢 前菜

まずは美しく盛り付けられた前菜です。右上から「金時草ひたし」、その下に宍粟市でよく出没するという、和食では珍しい鹿を使った「宍粟鹿ロースト 枝豆チーズ揚げ」、右下は「山桃ゼリー」、左下「新丸十蜜煮」。

割烹 波勢 前菜

左は「オジサン南蛮漬け」。“オジサン”とは変わった名前ですが、正式名称でスズキ目ヒメジ科に属する海水魚です。下あごに2本の長いヒゲが生えているのが特徴で、正面から見るとおじさんのような見た目をしているのだとか。

上のガラス器にあるのは「もろこし豆腐 新順菜」です。美しい小皿に繊細な一品一品があしらわれています。兵庫県・西播磨地域で育った毎日届く朝採りの新鮮な野菜を使用しています。

割烹 波勢 お椀

次はお椀です。塗りのお椀には「神戸新名所 生田川鉄道 蒸気」と書かれています。

割烹 波勢 お椀

そして、ふたの裏には、神戸の生田川にかかる橋に蒸気機関車が通る絵が描かれています。1870年(明治3年)頃から、鉄道を題材にした「鉄道錦絵」が浮世絵師の想像で描かれていたそうです。実際には存在しません。

割烹 波勢 お椀

お椀は、八丈島で釣って来られたという赤ハタに葛でとろみを付けた「赤羽太葛打ち」(梅肉添え)、葛切りのような「葛水仙」、「黄ニラ」が。7月7日の七夕をイメージしたという、オクラと金箔の星型が散りばめられたロマンティックな一皿です。

割烹 波勢 お造り

釣りたての海の幸の味わいを、シンプルに堪能できるお造り。

割烹 波勢 お造り

明石焼きでおなじみ兵庫県明石産の蛸は、前日に釣れたばかりだそう。ぷりぷりでコリコリとした食感から新鮮さを感じます。わさびを付けるとまた異なる味わいに。大葉の上には兵庫県明石産の天然の鯛が。弾力があり歯ごたえしっかり。

割烹 波勢 焼物

手描きの有田焼の美しい器にあしらわれているのは、焼物です。

割烹 波勢 焼物

しっかりとした歯ごたえがあり、上質な脂がのった「オナガダイ西京焼き」。貝の中には「オナガダイ煮凍り」、「酢レンコン」が添えられています。

割烹 波勢 オナガダイ

「オナガダイはこれです」と山本さんが、その尾の長さを見せてくれました。本当に尾が長く、そのまんまのネーミング!八丈島で釣れたものです。旨味が出ておいしくなる、熟成されたものを使われているそうです。

割烹 波勢 冷やし煮物

美しいガラスの器に盛りつけられているのは、暑い夏にうれしい冷やし煮物。見るからに涼しげです。

割烹 波勢 冷やし煮物

「石川小芋」「加賀太胡瓜」「赤万願寺」、アオダイを卵の黄身で煮た「アオダイ黄身煮」、モロッコインゲンの全体に冷たいジュレをかけています。赤、緑、黄と色鮮やかで、食欲が減退しがちな夏にいただきやすい一皿です。

割烹 波勢 釣り体験

途中で釣りとはどんなものか、魚によってはかなり重いのだということを体験させていただきました。筆者は腰がひけてしまい、話にならないほど軟弱でしたが、釣りをされている皆さんはさすがの腕力!ちなみに、この日の山本さんやスタッフの方は、ビーチサンダルに至るまで釣りスタイルで統一されていました。

実は腕力というよりは、力を入れるコツをつかむのがポイントだそう。ルアーに食らいついてくる魚は、例えばマグロ類で30~80キログラムほど。慣れていないと魚に引きずられ、どぼん!と釣り竿と一緒に海に落ちてしまうこともあるそうですよ。

割烹 波勢 釣り竿

それにしても、スタッフの方々は本当に釣りに魅せられているのだと感じます。山本さんも頻繁に日本国内(時には国外)のあらゆる場所で、釣りをされているそうです。そして、こちらでその海の恵みをいただけるというわけです。

割烹 波勢 強肴

懐石料理でお酒を勧めるために本来の献立に加えて出す肴、強肴(しいざかな)。すっぽん鍋で使われる丸鍋には、兵庫県相生産のプリプリとした歯ごたえで磯の香りが漂うアサリに、夏野菜の丸茄子とミニトマト、アスパラ、香りのよい三つ葉があしらわれ、アクセントに黒七味が効いています。干しエビとアサリ、野菜とがあいまって味わい深いおだしです。

割烹 波勢 鯛飯

お釜で炊かれた、明石産の鯛を活かした「明石鯛飯」。うーん、おいしそう!

割烹 波勢 ご飯

料理長によそっていただきます。あっさり風味で、鯛の旨みとだしの味わいがしっかりと感じられます。鯛の頭とアラを一度炊いてだしを取り、かつおだしと合わせているそうです。木の芽が品の良い香りを添えています。赤出汁とお漬物、お茶でほっこり。

割烹 波勢 水物

水物は旬のメロンとさくらんぼ。

割烹 波勢 献立

これだけ数多くの種類の魚介類をいただけるとは貴重な機会です。これも「釣り人のためのシェフシェアリング“釣り人”」という会員制システムだからこそ。

また、このようなシステムが可能なのは、マイナス60度の冷凍庫を完備しているから。通常の冷凍庫では1カ月で冷凍焼けしてしまうものを、マイナス60度だと半年は保存できるのです。冬に釣ったマグロを夏に使うこともでき、大きすぎるサイズのものは少しずつ使うことができます。

こちらでは、釣った魚の種類で料金が変わることはなく、調理費とお酒代だけといって良いほどの良心的価格!この食材と料理の質の高さにして、ディナーコースが6,600円(税込・ワンドリンク付き)とは、会費がかかるとしても、かなりお得な価格設定です。

料理長・古谷直也さん プロフィール

18歳で和食の世界に入り、大阪や神戸の料亭や割烹で腕を磨いた後、4年前に「日本料理 波勢」に入店。この度、「割烹 波勢」の料理長に就任。和食の伝統を重んじた素材を活かす調理と、革新的な技法を巧みに融合させるセンスと確かな技術を持つ、この道28年の和食調理人。華やかな盛り付けと華麗な包丁さばきで客を魅了する。

魚釣りにも精通し、自らも毎週のように釣りに出かけ、釣った魚の調理には強いこだわりを持つ。「料理で四季を感じて喜んでいただけるよう、精一杯お料理をおつくりします」。

「釣り人のためのシェフシェアリング“釣り人”」会員制度

■釣り人会員
入会金/20,000円(税込)
初月/1,000円(税込)
2カ月目以降/月々5,000円(税込)
・釣った魚を持ち込むことが可能。さばいた魚を持ち帰ることもできます。
・ひと月に1回もさばきサービスの利用がなかった月は、3カ月有効な4,400円(税込)のお食事無料券を発行します。
■応援会員
入会金/5,000円(税込)
月々/2,000円(税込)
・「釣り人会員」が釣ってきた魚を召し上がっていただくことができます。
※会員と一緒であれば何名でも利用することが可能。
※「リストランテ ペスカトーレ」系列全店での利用が可能。

「割烹 波勢」での提供メニュー

■ランチ(11:30~14:30)
5,500円(税込)コース
・会員以外のビジターも利用可能
・会員と一緒の人にはワンドリンクと食後のコーヒー付き
■ディナー(17:00~22:00)
6,600円(税込)コース
8,800円(税込)コース
11,000円(税込)コース
12,000円(税込)~コース
・全てワンドリンク付き
※コース内容や品数は、季節や当日の仕入れ状況によって異なります。

釣り人はもちろん、初心者も釣りに挑戦して自分で釣った魚を味わえば、大きな喜びを感じられるはず。これを機に釣りを始めたり、釣りや魚料理好きの家族や仲間同士、定期的に割烹料理店でおいしい魚介料理を堪能してみてはいかがでしょう?

割烹 波勢
住所:兵庫県神戸市中央区山本通1-7-5 北野メゾンブランシュB1
営業時間:11:30~14:30、17:00~22:00
定休日:水曜、隔週火曜
アクセス:JR三ノ宮駅西口・阪急電鉄神戸三宮駅東口より徒歩約7分
神戸市営地下鉄南出口より徒歩約7分
URL:https://kappohaze.jp/
※新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、営業時間が変更になる場合があります。

[Photos by Yo Rosinberg]
Do not use images without permission.

PROFILE

ロザンベール葉

ロザンベール葉

主に横浜・東京で育ち、縁あって京都に在住。美術書出版社勤務を経て、フリーランスライター歴20年余り。フランス人のパートナーと共に、フランスとイタリアを中心に気ままな旅をする。海はどこも好きだけど、「地中海」という響きに憧れる。マイペースが好き。

主に横浜・東京で育ち、縁あって京都に在住。美術書出版社勤務を経て、フリーランスライター歴20年余り。フランス人のパートナーと共に、フランスとイタリアを中心に気ままな旅をする。海はどこも好きだけど、「地中海」という響きに憧れる。マイペースが好き。

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