隠れ家的雰囲気が心地よい牡蠣の名店「宝彩」
伊勢神宮内宮から「おはらい町通り」を進むこと約5分、路地を1本入った静かな住宅街にあるのが今回訪れた「宝彩(ほうさい)」。鳥羽市浦村で27年牡蠣料理を提供してきた「白い橋」の店主・迫間正道さんが、店名を変え2011年に移転オープンした食事処です。すぐ裏には五十鈴川が流れているという立地も旅情を誘います。
素朴でアットホームな店内にはテーブル席が5卓。ご家族で営まれていて、まるで親戚の家に招かれたような温かいおもてなしが印象的です。筆者が訪ねたのは14時頃で待たずに入店できましたが、牡蠣シーズンにはオープンと同時に行列ができる日も多いとか。
贅沢な濃厚感がたまらない「浦村牡蠣」
まずは冬の看板メニュー「カキフライ定食」(2,000円)をいただくことに。タルタルソースをはじめ、ひじきの煮物、お漬物などお惣菜果てすべて手作りとのこと。味噌汁にも牡蠣が2つ入っているのもうれしい限りです。
特筆すべきはそのボリューム感! なんと、1つのフライに2個の牡蠣が使われているんですよ。ザクッとした衣とジューシーな牡蠣のコントラストは感動そのもの。口いっぱいに海の滋養が広がります。玉ねぎの甘み際立つタルタルソースとも見事なハーモニー。味噌汁含め、12個の牡蠣が食せるとは牡蠣好きにはなんとも魅惑的ではありませんか。
「焼き牡蠣」(1,300円 5個)はテーブル備え付けの焼き台で焼きます。火をつけて間もなく磯の香りがふわりとお出まし。牡蠣フライですでにお腹はいっぱいのはずなのに、食欲が再び刺激されました。
ぐつぐつぐつ、ぷくぷくぷく……。おいしい音に思わず胸も躍ります。女将がベストなタイミングを教えてくれるのも心強い。
さあいただきましょう。衝撃的だったのは味の濃さ! 聞けば、産地の浦村地区は太平洋の黒潮、伊勢湾の栄養豊富な海水、周辺の山々から流れ込むミネラルが混ざり合う水域で、旨味たっぷりの牡蠣が育つとのこと。さらに店主が長年付き合いのある仲買人から直接仕入れていることもおいしさの秘訣とか。まずは何も付けずに濃厚な風味を堪能し、続いてレモンをかけて格別のマリアージュを楽しみましょう。
秘伝のタレで焼くうなぎも絶品
宝彩の実力が発揮されるのは牡蠣だけではありません。40年以上継ぎ足し続けているタレで焼くうなぎ(並2,200円 上3,500円)も必食メニュー。使用されるのは愛知県三河一色産の「新仔うなぎ」。これは養殖後1年経たない若いうなぎで、脂のノリが良い上、皮が柔らかいのが特徴だそう。
身は肉厚ながらお箸ですっとほぐれるほど柔らか。それでいてほのかな弾力もあり、心地よい歯応えも◯。口の中で上質な旨味と脂、米が渾然一体となり、至福の時間が訪れます。
プリプリ感が秀逸のえびフライ
リピーターに人気という「えびフライ定食」(1,700円)はタワーのような堂々とした佇まい。ザクザク衣に包まれるブラックタイガーはプリッとしたリズミカルな食感が絶妙です。甘味もねっとり深みがあり、えびのおいしさをストレートに表現。単品も用意されているので、サイドオーダーとして楽しむのもアリですね。
寒さがつのり、ますます牡蠣がおいしくなるこの季節。お伊勢参りでパワーをもらった後は、極上の牡蠣でさらにエネルギーチャージしてみてはいかがでしょう?
[All photos by Nao]
Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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