(C) Ai Fletcher
とんこつラーメンブームに沸くイギリス
イギリスではここ数年、空前のとんこつラーメンブームが到来中です。「ラーメンといえば『とんこつスープ』」と思っているイギリス人も多いのでは? というぐらい、とんこつラーメンが主流です。
今回は、筆者の住むイギリス・オックスフォードで大人気のチェーン店「昇龍」と、本格ラーメン店と評判の「らーめんカルチャー」のの2軒で実際にとんこつラーメンを食べてきたので、その味などを正直レビューしてみたいと思います!
日本に逆進出も果たしている安定のラーメンチェーン「昇龍」
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「昇龍」は、イギリス国内でロンドンに8店舗、そしてマンチェスターとオックスフォードの合計10軒を展開している、イギリスでは人気のラーメンチェーン店です。ちなみに日本にも逆進出していて、福岡県に1店舗あります。
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私が訪れたオックスフォード店は、店内も広々としていて、日本を思わせる酒樽やちょうちんなどがおしゃれに配置され、なかなか高級感のある素敵な雰囲気。入店すると大きな和太鼓を「どーん」と鳴らして「イラッシャイマセー!!!」と店員さんが出迎えてくれるサービスが、日本の居酒屋を思い出させてくれます。
具だくさんで癖のないとんこつラーメン
元祖とんこつラーメン(手前)とカツカレーラーメン (C)Ai Fletcher
まずは元祖とんこつラーメン(13.5ポンド=約2,200円)をいただきました。あまり期待しないで実食に臨んだ筆者の感想は「おいしい! ちゃんとしてる!」でした。
正直、日本ではとんこつラーメンをチョイスすることがないので、本場のとんこつラーメンとの比較はできないのですが、麺はかなり固めで白めのスープは癖がなく、醤油らーめんや塩ラーメン好きの人でも楽しめると思います。
また、13.5ポンド(約2,200円)とパブで頼むメイン料理や、イタリア料理店のピザやパスタに匹敵する値段なので、トッピングも多めの印象。巨大なチャーシューのような豚肉が2枚、メンマや細切りのきくらげ、ゆで卵、紅ショウガなどがのっていて食べ応えがありました。
ちなみに、イギリス人はカツカレーが大好きなので、ここにも「カツカレーラーメン」がもちろんありました。「カツカレーうどん」ならまだしも、ラーメンの麺とカレースープって合うのかな?という一品です。
レストランのようなのんびりサービス
実は昇龍には何度か訪れていて、毎回、とにかく「サービスがのんびりしている」点が気になりました。日本のラーメン店とは違い「レストラン」なので、飲み物と食べ物のオーダーも別だったり、料理もサイドメニューとメインが同時に来なかったりと、日本の素早いサービスのラーメン店に慣れている人には驚きかもしれません。
サイドメニューをスターターとして食べる人が多いため、サイドメニューをラーメンと一緒に食べたい場合は、オーダーの際にお願いしておくほうがいいでしょう。
サイドメニューはたこ焼きや餃子、とり唐揚げなど充実しており、日本酒なども多く取り扱っているので、ここはもう居酒屋感覚で長くのんびり楽しもうと思って訪店することをおすすめします。
ラーメンカルチャー
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「ラーメンカルチャー」は、オックスフォード在住の日本人には一番おいしいと評判のラーメン屋さんです。狭い店内はテーブルが3卓ほど、カウンター席が数席と日本のラーメン屋さんの雰囲気です。回転も早く、おひとり様の日本人や中国人の若者、アニメやアジアのアイドルといったサブカルチャーに興味のあるイギリス人などが次々に訪れていました。
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人気がうなずける本場の味!
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とんこつラーメン(10.5ポンド=約1,600円)は、かなり固めの細麺に、白いながらも癖のないとんこつスープと見た目も味もかなり昇龍に似ていました。トッピングもボリュームのある豚肉やスイートコーン、もやし、細切りのきくらげ、彩りのブロッコリーとなかなか豪華です。
地元の日本人の多くが太鼓判を押すのが理解できる安定のおいしさで、手軽でサービスの早さも日本人にはありがたいです。「チップは弾まなくていいかも?」という気さくな雰囲気があるため、値頃感もありました。
イギリスでのとんこつラーメンブームのおかげで、日本人としても安心して食べられるおいしいラーメン店が増えてきました。新型コロナウイルス感染症の影響で日本への帰国がかなわない在英の日本人にとっては、とてもありがたいことです。ただ、博多ラーメンを意識した固麺&とんこつスープもおいしいのですが、街の中華屋さんで食べるようなしょうゆラーメンや具だくさんのタンメンなども食べたいな……というのが正直なところでもあります。
外食が割高なイギリスでは「ラーメン1杯がこの値段!?」という気持ちはなるべく抑えることが、おいしいとんこつラーメンをより一層楽しめる秘訣といえるでしょう。