創業120年を超える秘伝のタレとダシをまとった「あなごめし」
JRの宮島口駅から地下道を抜けたところにある「あなごめし うえの」。明治34年(1901年)創業の「あなごめし」発祥の店。もともと地元で親しまれていた「穴子どんぶり」を、ひと手間もふた手間も工夫して、上野他人吉(たにきち)が駅弁として販売したのが始まり。それから120年を超える長い歴史の中で、その秘伝のタレやダシのレシピが脈々と受け継がれているのです。
水が打たれた土間を思わせる風情ある佇まい。ここは待合所。老舗の味を求めて、いつも長い行列が作られます。
華美な装飾がなく、実にシンプルな“食堂”と呼ばれる店内は、庶民の味であったアナゴを表すような趣。
メニューもアナゴ一択! 「あなごめし小」1,950円(税込)は、アナゴが3/4サイズ。「あなごめし上」2,250円(税込)が基本サイズで、丸々1匹のアナゴを使用。「あなごめし特上」2,750円(税込)は、アナゴが多い5/4サイズになっています。
美しすぎる!アナゴが敷き詰められた「あなごめし」
基本サイズの「あなごめし上」を注文! アナゴが焼ける香ばしさが鼻をくすぐりますが、運ばれてきた「あなごめし」がなんとも美しいこと! この焼き・照り・香り……。
ご飯の上にキレイに、びっしりアナゴが敷き詰められて、タレがダラリとかかるのではなく、タレがアナゴに染み、まとう程度の上品さ。醤油ベースの秘伝のタレで3度の重ね焼きで仕上げられ、アナゴの風味を損なわず、ほのかな甘みとふっくらとした奥行きを与えています。一度箸を付けたら、もう、止まりません!
アナゴのおいしさと醤油タレの風味が口いっぱいに広がり、上品が故に飽きがこず、もうひと口、もうひと口と後引くおいしさ。口休めのガリがいい仕事をしてくれて、リセットするとまた食べたくなる~! アナゴのアラなどで取られた、こちらも秘伝のダシで炊き上げられるご飯にはもち米をブレンド。ダシが染み込みやすい分、風味が一段と引き立ちます。
ちなみに、アナゴは腹開きでさばかれるとのこと。腹開きのほうがタレが乗りやすく、香ばしい焼き目もつきやすいのだとか。多いときには、1日に1,000匹ものアナゴを使うことも。
旨さが凝縮されるしっとり落ち着いた冷めてもおいしいお弁当
食堂で食べる出来立てホカホカの「あなごめし」とは、また別格のおいしさなのがお弁当。アナゴが2/3サイズの「ミニ」は1,512円(税込)。「小」は1,890円(税込)(3/4サイズ)。「レギュラー」は2,160円(税込)(基本サイズ)。「特上」は2,700円(税込)(3/2サイズ)。写真は「レギュラー」で、食堂の「あなごめし」に増して、びっしり敷き詰められたアナゴが印象的。
作り方は一緒なのですが、木の折材に入れることで適度に水分が抜け、味が落ち着き、アナゴの旨みが炊き込みご飯にしっとりと移り込む奥深さ。もちろん、そのような細部にも配慮して作られており、“冷めてもおいしいあなごめし弁当”なのです!
蔵で発見されたという、宮島の風物が描かれた30年前の包装紙(レッテル)も再現され、“いい味”だしているんです!
※2022年5月現在、新型コロナウイルス感染症対策のため営業時間やサービス体制などが通常と異なることがあります
[Photos by (C)tawawa]

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TAI WATANABE ライター・エディター・ディレクター
10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌の取材を通じて、中南米・カリブ海を中心に世界各国で豊富な取材を経験。海外を見てきたからこそ日本は大好き! 紙とWEB、ふたつの媒体特性に精通した複眼的視点を持っている。
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