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アウトドアで愛用者多数の「アルコールストーブ」とは?
アルコールストーブとは、主にキャンプなどのアウトドアシーンでお湯を沸かしたりする際に使用する調理器具です。
スウェーデン発の老舗ブランド「トランギア」のアルコールストーブ
燃料に「アルコール」を使用することと、コンパクトでシンプルな形状とされているのが最大の特徴。特に燃料のアルコールはCB缶やOD缶とは異なり、必要な量だけ小分けして携行することができ、装備の軽量化にも大きく貢献してくれることからも人気となっているというわけです。燃料用アルコールは、ドラッグストアなどでも安価に販売されているのもうれしいところですよね。
また、シンプルな構造ゆえに故障の心配も少なく、さらに気象などのロケーションに左右されにくく、ガスストーブに比べて風に強く安定した火力を得られることもあって、信頼性の面でも評価が高いのも特徴です。なにより、「静かに揺れる青い炎に癒される」と、その雰囲気に魅了される人も多いのではいでしょうか。
とはいえ、本体が軽量なぶんだけ風などで飛ばされやすかったり、日中は炎が見えにくかったり、燃料の継ぎ足しはNGだったりと、アルコールストーブならではリスクも多く、上級者向けのギアと言ってもいいかもしれません。
100均「キャンドゥ」と老舗「トランギア」を比べてみる
左:キャンドゥ 右:トランギア
ということで、100円均一ショップとしておなじみの「キャンドゥ」で購入してきた「アルミアルコールストーブ」と、スウェーデンの老舗「トランギア」の「アルコールストーブ」を比較していきます。キャンドゥは330円(税込)。対してトランギアは2,500円前後と、価格に大きな差がありますが、性能はどのように違うのでしょうか。
キャンドウはさらにコンパクト&軽量!
まずは筆者的にギア選びの基準の一つとなるサイズ・重量を調べてみましょう。
左:キャンドゥ 右:トランギア
キャップをした状態でサイズを計測したのが下の数値です。
キャンドゥの方がコンパクトですね~。数値的に少しの差のようにも見えますが、アウトドアでのパッキングの際には大きなアドバンテージになりそうです。
キッチンスケールで計量した重さは次のような感じ。
なんとキャンドゥは5分の1以下。これは軽い! バックパックに入れてもほとんど気にならないレベルです。徒歩での長距離移動が多いシーンでは迷わずこっちを選ぶかも……。
火力調整&消化機能は省略
サイズや重量がわかったので、次にそれぞれの仕様を確認していきます。
左:キャンドゥ 右:トランギア
キャンドゥは本体・キャップの2パーツ構成で、トランギアは本体・キャップに加えて消化蓋も付属する3パーツ構成です。また、アルミ材のキャンドゥに対して、トランギアは真鍮が用いられているのも大きな違いと言えそう。重量増の要因の一つにも考えられますが、この「真鍮の質感や色合いが好き!」という人も多いのではないでしょうか。
左:キャンドゥ 右:トランギア
キャップ裏をよく見てみるとこんな感じ。キャンドゥはパッキンに白いシリコンが、トランギアには太目の黒いゴムがそれぞれ配置されています。トランギアのキャップには、表側に「WARNING~~~」との注意書きが英語で刻印されていました。
トランギアの消化蓋
前述もしましたが、最も大きな特徴ともいえるのが、こちらのトランギアの火消蓋。本体にかぶせるように置くと炎を消すことが可能です。また、写真のように上面の板をずらすと火力の調整も可能なのです。
キャンドゥにはこのパーツが装備されていないので、内部の燃料を使いきって自然に消化するまで待たなければいけません。とはいえ、このパーツの省略も低価格化と軽量化に貢献していると考えてもよさそうですよね!
左:キャンドゥ 右:トランギア
本体に近づいて観察してみましょう。火口の違いはこんな感じ。キャンドゥは大きめの火口が19個で、トランギアは小さめの火口が24個開けられています。火口の設置方向が内側・外側と異なるのもわかりますね。この違いは炎の上がり方にどのような影響を与えるのでしょうか。興味津々!
左:キャンドゥ 右:トランギア
本体の底側がこちら。キャンドゥはシンプルに十字型の溝が掘られていて、トランギアはブランドロゴが大きく主張していますね。筆者的にはどちらも嫌いではない!
使い方は簡単!燃料用アルコールの取り扱いに注意しましょう
ということで、いよいよ実際に使用して性能の違いを比べてみましょう。まずは燃料用アルコールを本体に注ぎます。今回筆者が使用した燃料はアウトドア用品店で購入したWHITE BEARの500mlタイプ。1,000円程しましたが、ドラッグストアなどでは他メーカー品を500円以下で手に入れることもできますよ。
使用時にもっとも気を付けたいのがこの燃料注入作業。本体にそのままアルコール用燃料を注ぐわけですが、勢いよく入れすぎて周りや手にこぼさないようにするのが鉄則です。そのまま着火すると、周りに燃え広がって大惨事になることも!
キャンドゥの場合、最大で本体の3分の2の容量(約60ml)が推奨されているので、それ以上入れないように注意したいところです。慣れないうちは軽量カップなどを使用して燃料を計量してから注いだ方がいいかもしれませんよね。
トランギアの方も燃料の注入は同じ要領ですが、こちらは約100mlまで入れることが可能です。
あとはマッチやライターで点火するだけでOK。この日は少しだけ風が吹いていたので、アルコールストーブの周りに折り畳み式の風防を設置して使用しましたよ。こちらもキャンドゥのアイテムで、そのお値段なんと110円(税込)!
ほとんどのアルコールストーブは、着火直後は炎が安定しません。ただし、数分経過して本体が熱で温まってくるときれいな炎を上げるように。キャンドゥのものもアルコールストーブらしい青くて美しい炎が楽しめましたよ!
こちらはトランギアの使用時。火口が外向きに設けられているのもあって、それぞれの火口から炎が立っている様子がしっかりわかります。キャンドゥの物よりも炎が高いようにも見えますね。ちなみに、この時は炎に赤い部分が多い印象でしたが、環境などの条件によっては青い炎になることもありますよ。
キャンドゥとトランギアの性能差は?
キャンドゥのアルコールストーブがしっかり使用できることが分かったので、最後にトランギアのアルコールストーブとの性能の差を調べてみます。
まずは燃焼時間。どちらもイコールコンディションにするために同量(60ml)の燃料用アルコールを入れて時間を計測してみました。
結果は下のとおり。
【燃焼時間(燃料60ml時)】
結果は大きく差をつけてキャンドゥの勝ち……ではありますが、トランギアの方が炎が大きく調理が早く行えるとも考えられますね。
ということで、火力の違いをお湯を沸かして検証してみます。
アルコールストーブで調理する際は、このように五徳を用意するのが定番です。今回は、これまたキャンドゥで購入した「アルコールバーナー用スタンド」(110円 税込)を使用して、メスティンでお湯を沸かしてみましょう。沸騰の様子を確認するためにメスティンの蓋は外した状態でスタート!
【沸騰までの時間(水120ml)】
今回は、それぞれコーヒー1杯分(約120ml)の水の沸騰までの時間を計測しました。約1分の差がありましたが、これを微々たるものととるかどうかはあなた次第!? 筆者はアルコールストーブの炎を眺めるのが好きなので、感覚的にはそれほど優劣は感じませんでしたよ。
330円のお値段以上!使える逸品でした
左:キャンドゥ 右:トランギア
ということで、今回はキャンドゥのアルコールストーブの実力を、トランギアのものと比べながら検証してみました。トランギアの約8分の1の価格ながら性能は十分! アウトドア好きのみなさんも試してみてはいかがでしょうか?