世界中に広まる男女が並ぶトイレマークは、日本で生まれたって本当?【日本の不思議】
「アドミュージアム東京」ってなに?
普段なにげなく接している広告を、”人の心を動かすアイデアの宝庫”と考えているそう。2017年12月、より直感的に面白さや奥深さを感じられるよう全面リニューアルしたのが現在の「アドミュージアム東京」です。江戸時代から現代まで約30万点の収蔵資料をタブレット型端末から閲覧できますよ。
歴史を学ぶ「常設展示」
日本の広告の歴史を展示している「常設展示」では、江戸時代から現代まで、社会や広告の変化していくさまを知ることができます。
こんな昔から広告が!?「ニッポン広告史」
江戸時代は、浮世絵の1つである錦絵、引札、草双紙などを利用して、現代でいう広告のような宣伝を行っていました。上部の錦絵は、身分の異なる3人が描かれた越後屋の錦絵です。
こちらは江戸時代の木製看板。実はすべて現物なんです。パッと見ただけで何のお店か予想できる看板に、当時のデザイン力の高さが伺えます。
大正時代になると、現代も語り継がれるスタークリエイターが誕生しました。当時発明されたばかりのカメラ技術が駆使された「赤玉ポートワイン」のポスター。目の前にすると圧倒される力を感じます。
戦争がはじまると、広告は冬の時代に突入します。商品広告は減少し、献納広告に変わっていきました。スローガンの掲載など国が定める規制に沿った広告が作られていますね。写真や動画がなくとも、当時の厳しい状況が伝わります。
日本で最初に流れたとされるCMは、時計会社「セイコー(当時は服部時計店)」の時報。最初の放送では音が流れず、放送事故になってしまったんだとか? 今では珍しい時報のCMや、当時流れていた1950年代のテレビCMを、ブラウン管風の映像で見られますよ。
当時の広告の他には、時代を象徴するようなアイテムも展示されています。広告を1つ1つよく見ていくと、性別が強調された表現など現代ではありえないものが見つかるかも?
SNSでバズリ中「4つのきもち」
インパクトの大きいこちらのモニュメントは、「びっくりする」「考えさせられる」「心あたたまる」「元気が出る」をモチーフにしたもの。気になる気分のブースに入れば、それぞれに合わせて厳選された広告を楽しめます。
直感的に作品を鑑賞「デジタルコレクションテーブル」
1950年代~現代までのテレビCM、ポスターを大画面のデジタルテーブルで見ることができます。ランダムに流れるサムネイルから、気になったものを自由にタッチ!
筆者は好きな広告の1つである、LUMINEのポスターをタッチ。制作年やキーワードをタッチすると、関連した作品が芋づる式に出てきますよ。出生年の広告はなんだか不思議な縁を感じます。
デジタルに疲れたらこちらで一息「アナログテーブル」
錦絵、絵ビラ、有名なCMの絵コンテを見られるテーブルです。ipadには当時のCMも入っていますよ。絵コンテとCMを照らし合わせながら鑑賞する贅沢な体験ができちゃいます。
デザイナーによって絵コンテの描き方はそれぞれ。デザイナーの想いや性格が垣間見れるようで面白いですね。
海外の作品も大集合「企画展」
「企画展示」では、国内外のさまざまな広告賞展やミュージアム独自の特別企画展を開催しています。今回は取材時に開催されていた展示を紹介していきますよ。
2022年6月4日(土)~8月27日(土)まで開催されている「ほほ笑みをとりもどす世界の広告 ―Good Ideas for GoodⅢ― 」展。深刻な社会課題に、ユーモアで解決に挑む、広告ならではの作品が集まっています。
本展のテーマは「ユーモア」。国内外の広告コミュニケーション約50作品は、ポジティブなエネルギーにあふれたものばかりです。国内ではなかなか流れないような大きいスケールや自由な表現の海外の広告は、驚きと新発見の連続……!
企画展内に置いてあるipadで一挙に作品を鑑賞することができますよ。広告業界の最先端で働くクリエイターも、インスピレーションを受けにここを訪れているんだとか。
驚きと新発見が盛り沢山
館内では各所に置かれたスタンプを重ねていくと完成する「美艶仙女香団扇絵」のスタンプラリーも! 普段から広告を目にする機会は多いものの、江戸時代からの歴史には驚く情報ばかり。ビジネスだけではなく作品としての楽しみ方を知ることで、世界が広がったような気がします……!
料金 入場無料
休館日 日曜日、月曜日 ※臨時休館あり
開館時間 12:00~18:00
所在地 東京都港区東新橋1-8-2カレッタ汐留
URL https://www.admt.jp/
[All Photos by mimoru]
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