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国内外の旅先を回っていると、マナーを問われる場面がいろいろとありますよね? 例えばヨーロッパ旅行中に立ち寄ったフランス料理店、あるいは日本の旅館でお茶と和菓子のおもてなしを受けたときなど、正しいマナーを踏まえた上での立ち居振る舞いが求められます。TABIZINEでも「あなたは大丈夫?海外で嫌われる日本人観光客【マナー編】」は人気の記事です。
第1回は西洋料理店での振る舞いについて。クイズ形式で紹介しますので、答えを見る前にちょっと考えてみてくださいね。タイトルの問題の答えは、5番目に紹介されていますよ。
1:席には右側から座る? 左側から座る?
ヨーロッパ旅行の途中に、豪華寝台列車の旅の途中に、格式の高いレストランで食事をする場合もあるかと思います。そこまで立派なレストランでなくても、それなりの立ち居振る舞いが求められるお店に出かける場合もあるはず。
きちんとした服装でレストランに向かい、案内された席に到着しました。さて問題です。椅子には右側、左側、どちらから座りますか?
椎屋さんによれば左側が正解。洋室では右側が上位になるため、左から入るべきだそう。席を離れる際にも、左側から出ていきましょう。
その理由として中世のヨーロッパでは、交渉時などで自分の身を守るべく、いつでも剣を抜けるように左側から座っていたとの話もあるそうです。何気ない行動ですが、覚えておきたいですね。
2:ナプキンは着席してすぐに開く? 開かない?
次はお皿の上などにあるナプキンについて。ひざに広げる例の布ですが、こちらはいつ開けばいいのでしょうか?
仮に旅先で何かのパーティーに出席した場合は、主賓、あるいは主催者がナプキンを開いた後に、自分も開くべきなのだとか。主催者(主賓)よりも先に開いてしまうと「私には時間がない、早く料理を出せ」といった意味になってしまうみたいです。
もっとカジュアルなレストランでは着席してすぐに、あるいは料理が運ばれてくる直前に広げてもいいみたいですよ。
旅とはちょっと違うかもしれませんが、結婚披露宴などに出席した際には、乾杯の後で同じテーブルの上座に着く人がナプキンを広げたら、自分も広げていいのだとか。
広げ方は正方形のナプキンを長方形になるように半分に折り、折り目を自分のお腹側にしてひざの上に置いてください。汚れた指先や口は、折り返したナプキンの裏側でふきましょう。
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3:中座するときナプキンは椅子に置く? 机の上に置く?
同じくナプキンのマナーについて。本来、料理が始まってコーヒーや紅茶が運ばれてくるまでの間の離席は、エチケット違反なのだとか。そもそもコース料理では全ての人が食べ終えてから、次の料理が出されるといいます。自分が席を立ってしまえば、その分だけ皆を待たせる形になってしまうからですね。
しかしお酒を飲みすぎて、「トイレに行きたい・・・」となったらどうすればいいのでしょうか?
ナプキンの置き場所に困って、適当に椅子の上に置いたり、背もたれにかけたりして席を離れる人も居るかと思います。イギリス人(式)、フランス人(式)で対応は異なるようですが、イギリス式の正解は軽くたたみ、自分の皿の左側に置くべきなのだとか。
一方でフランス人(式)は、テーブルに使用中のナプキンを置いては失礼と、椅子の上に置くケースが多いそうです。大きく分けて西洋料理のテーブルマナーはイギリス式とフランス式に分かれると言います。カトラリーのセッティングなどを見つつ、状況に応じて使い分けたいですね。
いずれにせよ途中で離席をしてしまえば、全体の食事を遅らせてしまう可能性があると知っておくべき。
食事を終えたときは、主催者や主賓がナプキンを外した様子を確認した上で、汚れを内側にして軽くたたみ、同じくお皿の左側に置くのだとか。
ただ、親切心から奇麗に折りたたんでしまうと、かえって「料理屋のサービスが気に入らなかった」という意味になってしまうそう。注意したいですね。
4:食べ終わったらナイフとフォークを八の字に置く? そろえて置く?
次は料理を食べ終わったときのナイフとフォークの置き方。八の字に置きますか? それともそろえて置きますか? 正解はそろえて置く。「知ってるよ」という方、ではお皿のどこにそろえて置きますか?
そろえ方も時計で言えば6時の方向にそろえて置くイギリス式、3時の方向にそろえるフランス式、写真のように3時と6時の中間に置く日本・アメリカ式があるみたいです。旅先や料理の内容に合わせて使い分けたいですね。
そろえて置く場合、フォークは腹を上に左側、ナイフは右側で刃を内側にするべきなのだとか。ちなみにお皿の上に八の字で置くと「まだ食事中」を意味します。
5:コーヒーや紅茶はソーサーを持つ? 持たない?
最後はコーヒーや紅茶について。ソーサーは持つべきなのでしょうか? 持たなくてもいいのでしょうか?
正解は、飲んでいる場所によります。テーブルで飲む場合はカップだけを持ち上げて飲むべき。逆にソファなどで飲む場合は、ひざにナプキンを広げて、ソーサーごと持って飲むべきなのだとか。写真の場合はテーブルなので、カップだけ持ち上げるべきということで、間違っているわけですね。
以上、西洋料理を食べる際のマナーについてクイズ形式でまとめましたが、いかがでしたか? この問題をきっかけに、さらに深い知識を身につけて、国内外のレストランで堂々と振る舞えるようになりたいですね。他のマナーも気になってきた! という方。「この写真のお箸、何がいけないかわかりますか?お箸のマナー違反TOP3!」も要チェック!
[取材協力:椎屋美根子。クールジャパン講師会・会長。海外でのVIP接遇を経て、プロトコール(国際儀礼)を身につける。2011年、人材育成事業「Office Heartful Manner」を起業し、国内外において講習、研修などを行う。主な著書『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)など]
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