この季節になると恋しくなってくるのです、モンゴルの馬乳酒が。
知らない人が多いかもしれませんが、実はカルピス誕生にインスピレーションを与えた偉大な飲み物なんですよ。
健康飲料でもあるお酒
馬乳酒は、モンゴルの遊牧民たちがつくる馬乳を発酵させたお酒です。アルコールはごくわずかで、微発泡性の乳酸飲料のような味。家庭によって微妙に味わいが異なり、日本のお漬け物やお味噌汁と同じ“おふくろの味”です。ペットボトルに詰められたものも出回りますが、馬にまたがり草原のゲルにお邪魔してごちそうになるのが、やっぱり一番おいしい。
カルピス株式会社創業者の三島海雲氏は、仕事でモンゴルに渡ったとき、馬乳酒に出会ったそう。現地の人々にすすめられるままに飲み続けるうち、長旅で弱っていた胃腸の調子がよくなり、心身ともにすっきりしてきたといいます。この経験が、カルピスの原点となったのです。
モンゴル式ミルクティーもくせになる
スーテーツァイと呼ばれる、モンゴルのミルクティーも忘れられない味です。
石けんのように固まりになっている磚茶(だんちゃ)をくだいて煮出して作ります。
モンゴルでは、このスーテーツァイがたっぷり入った水筒が必ず置かれていて、一日に何度もいただきます。塩とバターも入っているので、ほんのりしょっぱい独特の風味。これがまた、日本に帰ってからも禁断症状が出るのです。
以前、『風になる旅、モンゴルに広がる大平原を馬で駆けぬける』でも紹介しましたが、夏はモンゴル乗馬のベストシーズン。草原を馬で駆け抜け、ゲルで馬乳酒やスーテーツァイをいただく旅は、極上のリフレッシュになります。日没も21時くらいと遅いので、たっぷりと草原トレッキングを楽しめますよ。