ヨーロッパの古い都市には、路面電車トラムが似合います。石畳の道を線路が交差しトラムが行き交う様子は、それだけで絵になります。そして公共の交通機関を利用する地元の人たちを見ていると、その町の生活を想像させてくれます。
また、トラムはなくとも他の交通機関、例えばロンドンでは2階建てバス「ダブルデッカー」が街を縦横無尽に駆け巡ります。地元の人たちの足、公共交通機関を使いこなせば、ちょっと違う町の風景を楽しむことができますよ。特に見どころ満載でおすすめなのが、ポルトガルの首都リスボンのトラム28番です。
まるでテーマパーク!狭い路地を通り、リスボンの見どころをめぐります。
トラム28番は、リスボンの名所を巡るために作られたのではと思ってしまうほど、乗るのも楽しい、降りて散策するのも楽しい路線です。町の東側の見どころは、サン・ジョルジェ城。丘の上にあるこの城からは、リスボンの街並みを一望できます。そこから町の中心部へ降りて行けば、美しいタイルが敷き詰められた繁華街アウグスタ通りのなどが楽しい、バイシャという地区です。
生活感たっぷり。そしてとてもフレンドリーなリスボンの人たち。
中心街の西、住宅街に入れば、歩行者はトラムと建物の間の狭い歩道を歩くことになります。トラムが近づく歩道で、すれ違うのが危ないかなと思えば、お互いに道を譲ったり、ありがとうと言葉を交わしたりと、とてもフレンドリーな雰囲気。
高校生くらいの学生たちや、買い物の帰りの地元のお母さんたちなど、地元の生活を垣間見ることができます。そして、さらに西の丘を上がっていくと、西側の観光ポイント、エストレラ大聖堂です。
奥に見えるのが町の中にあるエレベーター
リスボンは高低差がある町なので、高い地域と低い地域をつなぐためのエレベーターがやケーブルカーが設置されていたりと、トラム以外にもかわいい乗り物があります。
公共交通機関が楽しい都市はほかにも!
トラムなら、ヨーロッパのほとんどの都市にあります。例えば、アムステルダムには比較的新しい機能的な車両が多く、ポーランドの古都クラコフでは、古くてかわいい車両がまだまだ現役でした。カナダのトロントもトラムが発達していて、ちょっと郊外に出かけるのにも便利です。
また、ロンドンのバス11番は、西の端はサッカーのチェルシーFCの本拠地チェルシースタジアムから、バッキンガム宮殿、ウェストミンスター大寺院、ビッグベン、セントポール大聖堂、そして金融街までを走る路線で、こちらも見ごたえ乗りごたえがあります。
ほかには、ベニスの公共交通機関はもちろん運河を行き来する水上バスや、ロスアンゼルスのケーブルカーも、街を散策するには便利な乗り物です。
旅先の公共交通機関に地元の人たちと一緒に乗ってみれば、ちょっと違った角度からその街を楽しむことができそうですね。
[All Photos by shutterstock.com]