「台湾のウユニ」として有名になった「高美湿地」に続いてブレイクしそうなのが、台北から日帰りも可能な「野柳地質公園」。膨大な時間のなかで自然が造り上げた壮大な奇岩が連なる驚くべき光景から、「台湾のカッパドキア」とも呼ばれています。
女王の頭やハチの巣のように見える岩をはじめ、個性あふれる奇岩の数々が訪れる人の目を楽しませてくれます。
奇岩が並ぶ「台湾のカッパドキア」
「台湾のカッパドキア」と呼ばれ近年人気上昇中なのが、新北市の沿岸に位置する「野柳地質公園」。世界遺産に登録されているトルコの中央アナトリアに広がる奇岩群「カッパドキア」を彷彿とさせることから、こう呼ばれるようになりました。
全長1700メートルの岬に、1000万年におよぶ地殻変動や波風による浸食が造り上げた奇岩の数々が連なる様子は、世界的にも珍しい奇景。大自然のエネルギーが生み出した自然の彫刻に、圧倒されずにはいられません。
エリアによって異なる奇岩が
野柳地質公園は、おもに3つのエリアに分かれています。第1のエリアにはキノコ岩や生姜岩と呼ばれるカッパドキアに似た奇岩群が集中するエリアで、キノコ岩の発達過程を目の当たりにすることができます。
第2のエリアでは、第1のエリア同様、キノコ岩や生姜岩が見られるほか、より海岸に近いため海水の浸食を受け、独特の形になった岩石があります。野柳地質公園で最も有名な岩「女王の頭」があるのもここ。
海蝕台の片側は山の絶壁に接し、もう片側は常に荒波にさらされている第3のエリアでは、バラエティに富んだユニークな岩の数々が見られる場所であると同時に、貴重な生態系の保護区でもあります。
イマジネーションを掻き立てる自然の彫刻
野柳地質公園の奇岩群を代表する存在が「女王の頭」。そう言われてみると、そこはかとなく漂う高貴な雰囲気に、女王の貫録を感じませんか。
他にも、ハチの巣のような「ハチの巣岩」、亀の甲羅にそっくりな「カメ岩」、中央がくびれたサンダルのような形をした「美女のサンダル岩」、キレイな円形をした「地球儀岩」など、個性あふれる岩の数々が勢ぞろい。
これらがすべて自然にできたなんてにわかには信じられないほどで、改めて自然のパワーの強大さを感じます。名前が付けられていない岩も、見方しだいで何かに見えるもの。あなたの想像力が試されています。
台北からの日帰り旅行にぴったり
ダイナミックな自然を体感できるスポットでありながら、野柳地質公園へは台北から日帰りで訪れることができます。
台北中心部からは、台北駅東三門前から金山方面行きのバスに乗車し、「野柳」で下車。所要時間はおよそ1時間20分です。あるいは、MRT淡水駅前から基隆方面または金山方面行きのバスで「野柳」下車。
台北からわずか1時間半で、雄大な自然の風景が楽しめる野柳地質公園。台湾には私たちの知らない魅力がまだまだ眠っているのです。
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