アメリカ人がメキシコの菓子を食べる反応が面白いと話題に
最近、アメリカ人たちが、メキシコの菓子を食べて盛り上がるビデオが、メキシコのSNSで話題になりました。
このビデオには、チョコレートなどの無難な菓子も含まれていますが、メキシコ名物のチレ(トウガラシ)パウダー付きのお菓子がいくつか登場します。
スナックにチレがかかっているものは日本でも売られていますが、こちらでは、甘い飴やグミにもチレパウダーが必須。何しろマンゴにもチレをかける国なのですから。ビデオに登場する人々の中には、「あら!けっこうイケル!」と言っている強者もいますが、果たして真相はいかに?
では、話題の菓子を試食してみましょう!
というわけで、ビデオに登場したものと同様の菓子を、友人たちに協力してもらって試食することになりました。
メキシコを代表するこれらの菓子。実はメキシコ在住8年目ですが、一度も食べたことがありません。
一人で試すのは寂しすぎるので、メキシコシティでLOOSE BLUESというオシャレなショップを経営するカップル、ショータ君(以下S)とジャッキー(以下J)に無理を言ってお願いしました(あまり店の宣伝にならないネタでの取材で非常に申し訳ない!)。
さて、まずはこの陽気なギャートルズ(?)がパッケージに描かれた、骨の形の飴「Huesito(日本語に訳すと「骨ちゃん」)」。
辛みを乗り越えると甘い飴にたどり着きます。
辛さと甘みのさじ加減は、いわば菓子界のツンデレと言えるでしょう。
「子どもの頃はこういったお菓子をよく食べてたけど、さすがに中学生になる前には卒業したわ!」(J)
「美味しくはないですね」(S)
お次は甘いタマリンドをすっぱ辛いチレでコーティングした菓子「Tamarrific(タマリンドと何かをかけているようですが、日本語に翻訳不可能)」。
「お、意外とイケる!」(S)
「これはそれほど辛くないから、まあ大丈夫かな」(J)
「昔、駄菓子屋で食べた梅のお菓子に似てる」(S)
梅仁丹ぽいと言われたらそうとも言える味。
ただ、仁丹よりはデカいです。ジャイアント仁丹と呼びたい。
さらに続いて、マンゴ味のグミ「Mangoricos(オイシイマンゴ)』。パッケージは他のものより洗練されている。
「これはきっと美味しいわよ!」(J)
ふむふむ、期待が高まります。
ベースのマンゴグミを赤いチレソースが包んでいます。人口着色料感満載!
「・・・(ノーコメント)」(S)
「グミがプラスチックみたいな食感。思ってたのと違う!」(J)
予想に反してマズい。味よりも何よりも触れただけで、手がベトベトになります。
続きましては〜、メキシコの子どもならば誰もが知っているベストセラーLucas(ルカス。おそらくパッケージの生意気そうなアヒルの名前)。
メキシコ人の100人中100人食べたことがあると言っても過言ではありません。
「なんですか、これ?食べ物ですか?」(S)
はい、食べ物です。
「このフタについている飴に粉を付けながら食べるのよ」(J)
おお、画期的!甘い飴に容器のなかの粉を付けながら食べるわけですね。
これが大阪だったら「ダブルディップ禁止」と怒られそうですが・・・。
「しょっぱい、すっぱい、辛い。思ったんですが、今回試してる菓子、どれもすべて同じ味がベースになっていますね。すごくマズイです」(S)
そしていよいよ……露店で売られていたこの物体!強烈なビジュアルです。
なんというか……ホラーにも近いような……
甘く味付けしたタマリンドの塊に、これでもかというほどのチレがかかっています。正式名称はわかりませんが、La bola de tamarindo(タマリンドボール)でしょうか?これ、子どもむけの菓子ですよ!
今回はねり梅に似た「チャモイ」ソースとレモン果汁をトッピングで加えてみました。
トッピングをしようが、しまいが、それ以前に外観をなんとかしろという感じがします。
さあ、勇気を振り絞って食べてみましょう!
なんというか、タマリンドのねっとり感とチレが、しつこい。それに尽きます。
メキシコにはビールにチレやレモン汁を入れる、ミチェラーダという飲み方 があるので、ビールに入れたら美味しいかもしれない!ということで入れてみたんですが、
というわけで、身もフタもない結果になりました・・・。
「まったく、メキシコ人はこんなもんばっかり小さい頃から食べてるから、大人になったとき健康上の問題を持つのよ!」(J)
確かに私の友人のメキシコ人たちには、胃炎持ちがやたら多いのですが、それには幼少期に激辛お菓子を食べ続けていたからに違いありません。
なんとメキシコ人の約80%が胃炎持ちだとか(ポリテクニコ国立大学高度研究センター2010年調査)。
メキシコ旅行の際には、ネタとして試してみるのもいいかも。食べ過ぎには注意ですが。
これらの菓子を喜ぶマニアは少ないと思われるので、お土産にはまったく向かないです。
[All Photos by MIHO NAGAYA]