日常的に部屋に花を飾る習慣がなくても、誕生日くらいは花を飾ってみよう、と思ってもなんら不思議なことはありません。たとえそれが数日しか滞在しない旅先であっても、十分楽しめるじゃない!というわけで、フランス・パリで花屋に寄ってみました。
選んだのは、元気の出そうな明るい黄色い花束
パリの生花店ではアレンジされた花束が、よりどりみどり。でも、ふらりとと立ち寄ったのがあまりにも小さな生花店だったのと、話しかけられても答えられないという言葉の壁があるため躊躇し、あまり花束に近づけません。
やや遠くから店内をのぞくことしばし。
迷った揚げ句、「よし、元気の出そうな黄色の花にしようっと」と決めました。
パリジェンヌを気取って歩き出したら・・・
「それください、その黄色いの」と花屋のマダムにオーダー。
にっこりしたマダムに「メルシー」とお礼を言って、花束を持ってさっそうと歩き出すこと数歩余り。しかし、なんとなく、なんとなく、紙に包まれてチラチラ見える花の顔が気にかかります。「これってひょっとして・・・」。角を曲がってマダムの視線が届かなくなったところで立ち止まって花を見ました。
「やっぱり・・・」
そこには大きな黄色のガーベラと数本のヒペリカムと、大量の黄菊。「えっ、黄菊・・・」。おまけに白菊も!
実際に渡された、黄色の花束。一見とても素敵だけど、花をよ〜く見ると・・・日本人のせいか元気にはなれない(笑)©Noriko Sato
菊の花は、多くの日本人にとっては仏壇や墓に供える、死者を弔うための花、ですよね。
欧米人は菊にそのようなイメージを持っていない、とは知っていたのですけど、まさか誕生日なのに、黄菊を買ってしまうなんて。
しかも白菊入り・・・
トホホな感じです。
結局ピンクの花束を買いなおして「やっぱ、こっちよね」とホッとしました。
決して黄菊が悪いわけじゃありません。黄菊のせいにしてはいけません。でも、花の色にも種類にも、気分ってものがありますよね。パリで花束を買うときは、色だけじゃなく、中身のチェックも怠ってはいけないというお話でした。
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※2013年9月11日の記事より紹介