SAS=スカンジナビア航空の母体であるDDL社がデンマークに創立してから今年で100年。その後スウェーデンとノルウェーに創立された航空会社と共にSASという名称として統合されたのが1946年です。「スカンジナビア」という名称通り、スカンジナビア半島の3つの国が共同で経営するナショナル・フラッグキャリアです。
日本をはじめとするアジア各国からの路線のハブとなっているのはデンマーク、コペンハーゲンのコペンハーゲン空港。日本からは成田-コペンハーゲン便が11時間20分ほどで毎日就航しています。コペンハーゲンから先は、他のスカンジナビアの国、その他のヨーロッパの国へと接続しています。機体はエアバスです。
最近話題のスカンジナビア料理。SASの機内食のほうはどうでしょうか。
スカンジナビア料理って?あのトナカイも!
日本にも出店している人気のスウェーデンの家具販売会社の店舗には、スウェーデン料理を楽しむことができるレストランが併設されています。そこで、ミートボールとか、サーモンとかを食べたことがある方も多いかと思います。そうです。ミートボールやサーモンの料理は北欧の家庭の味です。他にも、ベリー類をよく食べたり、トナカイの肉も人気です。
注意① 機内ではチョイスはありません!
SASのエコノミークラスの名称は「SAS GO」。このクラスでは機内で「ビーフ オア チキン」といったチョイスはありません。ただし、ベジタリアンミール、宗教上の要望に対応した食事、食事療法/医療上の要望に対応した食事、子供用の食事といった特別食は、出発の24時間前までに事前オーダーできます。
注意② 無料の飲み物は最初の食事の時だけ!
SAS GOの大陸間フライトでは、食事の際にノンアルコール飲料1杯が無料です。スナックや飲み物を機内でクレジットカードを使って購入することもできます。(写真上)でも、東京(成田)発着のフライトは特別で、アルコール飲料を含むすべての飲み物が、最初の食事サービスに含まれています。今回搭乗した便のCAさんに何杯までOKなのか聞いてみたところ3杯とのことでした。
【往路|SK984】成田-コペンハーゲン便
<1食目>
午前11時過ぎに出発なので、感覚的にはランチです。ビーフステーキにドミグラス系ソース、ジャガイモ、ブロッコリーに人参の付け合わせがメイン。赤身の肉で食べ応えがあります。野菜には塩・コショウで自分で多少の味付けが必要。日本発なので、生野菜のドレッシングはキューピーの和風ドレッシングデリシャスです。
デザートはマンゴームースのスポンジケーキ。これがなかなかおいしい。パンも、ゴマの香りがよく、しっかりとした重みがあるタイプで嬉しいです。
<2食目>
ちょうどフライトの中間点くらいで、スナックにサンドウィッチが配られます。ハム、チーズ、レタスと基本的なのですが、パンのクォリティも高く嬉しいおやつです。
<3食目>
朝9時過ぎの到着の前なので朝ごはんです。鶏ハムに、中華風の春雨サラダと生野菜。またまたしっかりとしたパンがつきますが、これは中華と洋食のコラボレーション。日本発なので、リンゴジュースは国産です。
朝ごはんならこのくらいがいいかなと思います。よく機内食の朝食に出る味気のないオムレツなどよりも、満足度が高いと思いました。
【復路|SK983】コペンハーゲン-成田便
<1食目>
チキンのバーベキューソースと、黒米の入ったパラパラのご飯にブロッコリーの付け合わせ。このバーベキューソースは、典型的なメキシコ風のもので、ピリッとちょっと辛くてスモーキーです。
帰りの便なのでもちろんキューピーのドレッシングではなく、サラダはバルサミコ酢とオリーブオイルに塩コショウで自分で味付け。
パンは見た目もナチュラルで小麦粉の味がわかる本格派。クラッカーは手作り風の薄いもの、カマンベールチーズによく合いました。コーヒー用のミルクが、小さなテトラパックなのが、新鮮でかわいいですよね。
デザートのラズベリーのムースがふんわりとして本格的においしいんです。中からはアプリコットのコンポートが出てきます。上に乗っているのはホワイトチョコレート。スポンジもなく全体がムースで、これ、間違いなくおいしいです。さすがベリー類をよく食べる北欧だけのことはあります。
<2食目>
成田空港へは朝9時過ぎの到着。その直前の朝ごはんです。これがびっくり。全部箱に入っていたりパックされているものばかり。
開いてみると、こうなります。青い箱に入っていたのがスパニッシュオムレツ。ホクホクでジャガイモやパプリカなどの具もたっぷり。こちらも、おなじみのプレーンオムレツが悲しくなるほどのおいしさでした。
北欧では朝食にヨーグルトをよく食べるのですが、ミューズリーはその中に入れてしまいます。チーズも本格的!一緒に食べる北欧ならではのライブレッドが、この旅を締めくくってくれるようです。
SASの機内食はレシピが「真面目」といった印象。決して奇をてらったり派手なメニューではありませんが、誰もが安心できる料理です。「選べない」ということは「ロスが少ない」ということでもあるし、北欧らしく合理的なサービスでした。
[All photos by Atsushi Ishiguro]