観光グルメ、ショッピングと、旅の楽しみはたくさんありますが、写真好きにとっては「素敵な写真を撮る」ことだって立派な旅の目的。
ここに行けば自慢したくなる写真が撮れる! 世界各地から選んだ、写真好き女子におすすめのフォトジェニックな町々をご紹介します。
ホイアン(ベトナム)
近年フォトスポットとして人気が高まっているのが、ノスタルジックなベトナム中部の古都ホイアン。LCCのジェットスターが大阪・ダナン間に就航したことで、ますます気軽に行けるようになりました。
旧市街がまるごと世界遺産に登録されているこの町には、絵になる風景がいっぱい。かつては国際貿易港として発展していただけに、ベトナムの伝統的な建築様式のみならず、中国、日本、ヨーロッパと、東西の建築様式が融合した町並みが独特の情緒を醸し出しています。
そんなホイアンがひときわ美しい姿を見せてくれるのが、夜。日が落ちて、ホイアン名物のランタンが色とりどりの光を放つと、あたりはいっそうロマンティックなムードに包まれます。古きよき時代を彷彿とさせるランタンの光を眺めながら、ナイトマーケットでのショッピングや食事を楽しむのがホイアン流。
シャウエン(モロッコ)
幻想的な青の世界にいざなってくれるのが、モロッコ北部の町シャウエン(シェフシャウエン)。近年、SNSなどでその青っぷりが話題になり、一気に人気に火が付きました。
シャウエンの旧市街は、民家も、土産物屋も、ホテルも、レストランも、あたり一面が青に染まっています。なぜ、町全体が青く塗られるようになったのか。
理由ははっきりとはわかっていませんが、かつてスペインから追われ、ここに住み着いたユダヤ人たちにとって、青が神聖な色だったからというのが一説です。ほかに、暑さを視覚的に紛らわせるためという説や、虫よけのためという説も。
いずれにせよ、青に染まった町並みが異次元の世界のような、謎めいた雰囲気を生み出しているのは間違いありません。野良猫のいる風景、ジュラバをきた男性が歩いている風景・・・そんな日常の風景でさえも、すべて特別な一枚に早変わり。
ジョージタウン(マレーシア)
町歩き好き、ストリートアート好きにぴったりなのが、マレーシアのジョージタウン。マレーシア北部に位置するペナン島の中心都市で、古くからリゾート地として知られ、「東洋の真珠」と称されてきました。
文明の十字路として栄えてきただけに、マレーシア、中国、インド、イギリスなど、東西の文化が混在した町並みはまるごと世界遺産。マレーシアと中国の文化が融合した、華麗なるプラナカン文化も花開きました。
(C)Haruna Akamatsu
ジョージタウンの歴史ある町並みに花を添えているのが、近年制作されたストリートアートの数々。2012年にリトアニア出身のアーティスト、アーネスト・ザカレビッチがペナン島の人々の日常を表現したウォールアートを描いたのを機に、ジョージタウンは一躍アートの町として知られるようになりました。
以来、ジョージタウンには有名・無名のストリートアートが増え続け、町を歩けばアートに当たる、楽しさと発見がいっぱいの町になっています。
ジャイプール(インド)
北インドのエキゾチックな砂漠地方、ラジャスターン州の州都がジャイプール。バラ色に染まった町並みから「ピンクシティ」の異名をとるインド屈指の観光都市です。
訪れる場所によって、まったく異なるバリエーション豊かな風景を見せてくれるラジャスターン州。ジャイプールの旧市街には、扇のような形をした風の宮殿(ハワ・マハル)をはじめ、シティ・パレスや世界遺産の天文台ジャンタル・マンタルなど、優雅なピンク色の建造物がひしめき合っています。
町外れの高台にそびえるアンベール城は、世界遺産。山頂に建つ巨大な城塞は、外観の迫力もさることながら、内部にも華麗なる世界が広がっています。
なかでも「世界一美しい門」といわれるガネーシャ門や、ガラスのモザイク画が天井と壁面を覆い尽くす「勝利の間」など、気の遠くなるほど精緻な装飾が施された空間は、言葉を失うほどの美しさ。
ジャイプールの町は、ひとつひとつの建造物にインパクトがあるだけでなく、クローズアップしてみても、細部まで行き届いた美しさに惚れ惚れさせられるのです。
サマルカンド(ウズベキスタン)
文明の交差点として栄えた、ウズベキスタンの古都サマルカンド。ティムール朝の創始者ティムールは、13世紀のモンゴル軍の侵攻で廃墟と化したこの町をよみがえらせ、壮麗なる「青の都」を造り上げました。
シルクロードの要衝として、東西の交易商人が行き交った町は、その名も「サマルカンド‐文化交差路」として世界遺産に登録されています。
そんなサマルカンドを象徴するのが、往時の政治、経済、文化の中心であったレギスタン広場。3つのメドレセ(神学校)が織り成すアンサンブルで、精緻な模様が施された青いタイルは、中国の陶磁器とペルシアの顔料が出会って生まれたもの。目を見張るような独特の美しい色合いは、「サマルカンドブルー」と称されています。
豪華なブルーのタイルを使った廟が連なり、「美しすぎる霊廟」として知られるシャーヒズィンダ廟群も必見。サマルカンドブルーには、一度見ると忘れられない特別なパワーが宿っているようです。
リクヴィル(フランス)
個性豊かな地方の田舎町が、訪れる人の目を楽しませてくれるフランス。フランスに数ある村のなかでも最も美しい村のひとつが、アルザス地方のリクヴィルです。
黄色にオレンジ、ピンクに青・・・ドイツとの国境に近く、フランスとドイツの文化が入り混じった風景が広がるリクヴィルでは、色とりどり木組の家々が連なる光景が楽しめます。
ピンクや赤の花々で飾られた木組みの建物はひときわ華やかで、フランスらしいエスプリがきいた町並みは、「村」の概念を覆すほど。「絵本から飛び出してきたかのよう」という表現がぴったりのあまりの可愛らしさに、どこから写真を撮り始めればいいのかわからなくなってしまうほどです。
にぎやかなメインストリートとは対照的に、ひっそりとした細い路地を歩くのもまた、リクヴィル旅の楽しみ。農具や井戸などがある田舎ならではの風景を目にすれば、初めてなのになつかしさがこみあげてくることでしょう。
ブラーノ島(イタリア)
イタリア屈指の観光地、世界遺産ヴェネツィア。ヴェネツィア本島から船で40分ほどのところにある、知る人ぞ知るフォトジェニックな島がブラーノ島です。
その人気の理由は、目が覚めるようなポップカラーに彩られたカラフルな町並み。古くから漁業がさかんな漁師の島ですが、今ではおとぎの世界のような風景が人気の観光スポットになっています。
ブラーノ島にこれほどまでにカラフルな町並みが生まれたわけ。それは、この地域は霧の出やすい地域で、海に出た漁師が島に戻ってきたときに自分の家をすぐに見分けられるようにしたからだといいます。
漁師の島ならではの知恵が育んだカラフルでポップな町並み。ブラーノ島に着いたら最後、ここを離れるまでシャッターが止まりません。
ザリピエ(ポーランド)
中世の面影を残すメルヘンチックな風景が随所に見られるポーランドで、近年、日本でじわじわと人気と知名度を上げている場所があります。
それがポーランド南東部、ヌルヌフ近郊に位置するザリピエ村。ポーランドの田舎らしい、素朴な雰囲気の残る村ですが、「ザリピエ模様」と呼ばれる花柄のペイントが施された可愛らしい家々が話題を呼ぶようになりました。
民家はもちろんのこと、教会や消防署などの公共施設にも花柄のペイントが施されており、村全体がメルヘンチック。1930年代にザリピエ模様を広めたアーティスト、フェリツィア・ツリウォヴァが暮らしていた家では、内装や調度品にいたるまで、愛らしいザリピエ模様が楽しめます。
アゲダ(ポルトガル)
見るだけで元気が出る風景として注目されているのが、ポルトガル中部の町アゲダ。リスボンやポルトに比べると、観光地としてはあまり知られていない町でしたが、2012年から始まった傘祭りで一躍人気スポットとなりました。
開催期間は毎年7~9月。もともとは夏の強い日差しを避けるために始まった取り組みでしたが、色とりどりの傘が空に浮かぶ幻想的な風景が世界的に有名に。期間中はさまざまなデザインの傘がカラフルに町を彩るだけでなく、ポップにペイントされた階段やベンチなどのストリートアートもあわせて楽しめます。
グアナファト(メキシコ)
世界有数の観光大国メキシコのなかでも、特に美しいといわれるのが、世界遺産のコロニアル都市グァナファト。
町の中心部にはスペイン植民地時代の壮麗な歴史的建造物が建ち並び、町はずれには、斜面に沿ってビタミンカラーの民家が段々畑のように連なります。グァナファトの町並みがこれほどカラフルになったのは、明るい色を建物の外壁に使うことで、強い日差しを跳ね返す効果があるからだとか。
すり鉢状のグァナファトの町を一望できるピピラの丘からの眺めは壮観。21世紀にあって、数百年も前から時を止めているかの風景は感動ものです。
日中の景色もさることながら、カラフルな民家に灯りがともる夕暮れ時や夜の風景もまた格別。しっとりとした情緒漂うグァナファトの夜は最高にロマンティックです。
写真を撮ることは、世界の美しい町々の風景を自分の感性で切り取ること。
カメラ女子を自任するあなたも、そうでないあなたも、今度はとっておきの一台を手に旅に出てみませんか。
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