泊まってみたい、おしゃれな山小屋【2】信州・霧ヶ峰 八島湿原2選

Posted by: 阿部 真人

掲載日: Mar 30th, 2019

前回ご紹介した上高地の氷壁の宿・徳澤園はいかがでしたか。雄大な景色を眺めたり、登頂した達成感に浸るだけではない、もうひとつの山の楽しみ方が、疲れた体を休め、心を癒してくれる山小屋ライフです。今回は居心地の良い、とっておきの山小屋をふたつご紹介します。

ひゅってみさやまテラス
©ヒュッテみさやま

TABIZINE還暦特派員の阿部真人です。

前回ご紹介した上高地の氷壁の宿・徳澤園はいかがでしたか。雄大な景色を眺めたり、登頂した達成感に浸るだけではない、もうひとつの山の楽しみ方が、疲れた体を休め、心を癒してくれる山小屋ライフです。今回は居心地の良い、とっておきの山小屋をふたつご紹介します。

霧ヶ峰・八島湿原のほとりで

信州・霧ヶ峰高原の北西に位置する、国の天然記念物「八島ヶ原湿原」。標高は1600メートルあまりありますが、車でのアクセスも良く、起伏の少ない高原なのでピクニックにはぴったりです。ここに今回ご紹介する2つの山小屋があります。
 
八島湿原と旅人
©阿部真人

喫茶も営業「ヒュッテみさやま」

ヒュッテみさやまの基本は素泊まりなのだそうです。そして喫茶も営業しています。
素泊まりで予約して自炊を楽しむ常連の方も多いとか。そのための自炊部屋もあり、ガスコンロや電子レンジ、調理道具や食器などもすべてそろっています。食材だけ持参すれば気軽に調理ができます。(営業は4月27日から)
 
ひゅってみさやま玄関
©ヒュッテみさやま

ところでヒュッテみさやまの「みさやま」とは漢字で「御射山」と書きます。
目の前にあるこんもりとした丘は太古の昔から諏訪大社の祭礼の場所だったといいます。この場所に何日も籠って神聖な神事が行われたとも、流鏑馬が行われたともいわれていますが、まだまだ謎が多く、実際に何が行われていたのか、よく分かっていません。
 
御射山神社
©阿部真人

不思議な雰囲気が漂う御射山の遺跡。そのかたわらにあるのが、ヒュッテみさやまです。アクセスはといいますと、ビーナスラインの八島湿原駐車場に車を止め、湿原のほとりを30分ほど散策すれば到着します。
 
ヒュッテみさやま看板
©ヒュッテみさやま

仲間たちとピクニック気分で自炊するのも楽しいのですが、「それは面倒」という方のために、夕食と朝食を個別に注文することもできます。
 
ヒュッテみさやま食堂
©ヒュッテみさやま

夕食のメニューはチーズハンバーグ、もしくは三元豚の塩炒め。それに副菜とご飯と味噌汁が付きます。朝食は厚切りトースト(バター&ジャム)と飲み物のセット。
 
ヒュッテみさやま寝室
©ヒュッテみさやま

また喫茶では、湧水を使って、ハンドドリップで丁寧に淹れたタンザニアコーヒーをいただくこともできます。リンゴジュースはもちろん地元信州産。そして手作りのパウンドケーキも。ランチにはカレーやピラフを提供しています。
 
ヒュッテみさやま喫茶
©ヒュッテみさやま

「鷲ヶ峰ひゅって」で妖精と出会う

さて、もうひとつの山小屋。八島ヶ原湿原の西側に位置する鷲ヶ峰ひゅって。
ノーム (GNOMES)が住みやすいようにと、不思議なオブジェや置物などご主人が工夫を凝らしています。ノームとは、ヨーロッパの民話に登場する大地をつかさどる小さな妖精。鷲ヶ峰ヒュッテの静かな空間で、妖精の気配を感じるかもしれません。
 
鷲ヶ峰ヒュッテ
©下諏訪観光協会

とはいえ鷲ヶ峰ひゅっては車で直行することもできる山小屋なのです。八島湿原の西側にはビーナスラインが走っています。鷲ヶ峰ひゅってはその道路のすぐかたわらにあり、湿原駐車場に車を止めて10分ほど歩けば到着です。
 
鷲ヶ峰ヒュッテ外観
©鷲ヶ峰ひゅって

部屋数は5つ。晴れた日には2階にある部屋の大きな窓から八島ヶ原湿原や霧ヶ峰の山々、また遠くには浅間山・八ヶ岳・南アルプス・中央アルプス・御嶽山・乗鞍・北アルプスなどが一望できます。
 
鷲ヶ峰ヒュッテ和室
©鷲ヶ峰ひゅって

鷲ヶ峰ひゅっての周囲は、日本では珍しい高層湿原の八島ヶ原。12000年もの悠久の時を刻んでいるといわれ、ミヅゴケやカヤなどの植物に覆われた湿原は生き物たちの宝庫となっています。
到着したら辺りを散策しましょう。湿原は1周3.7キロで高低差はほとんどありません。水筒を入れたリュックを背負い1時間半ほどでのんびりと歩くことができます。
 
八島湿原
©ヒュッテみさやま

鷲ヶ峰ひゅっての夕食はランプの灯る食堂の大きなテーブルで頂きます。ご主人はこの山小屋を開くにあたって都内のフランス料理店で修業したそうです。オーソドックスながら、軽やかな味わいのコース料理をいただくことができます。
 
鷲ヶ峰ヒュッテ食堂
©鷲ヶ峰ひゅって

そしてこの家ではどこを見渡しても数多くの書物や書棚に気づくはず。
それもそのはず、ご主人曰く「山小舎は常に文学の香りを漂わせたい」といい、古き良き時代の文学や哲学の香りが漂う、静かな佇まいにしたいと考えているのです。
 
書架
©鷲ヶ峰ひゅって

親しい仲間たちとにぎやかに楽しむことも、ひとりで静かに読書にふけることも、そして友人や恋人と語らうこともできる、霧ヶ峰・八島湿原のふたつの宿です。
 
八ヶ岳と富士山
©阿部真人

ヒュッテみさやま
長野県諏訪郡下諏訪町八島湿原10618  
部屋数6室 料金は素泊まりで1名4,500~5,500円から
TEL:0266-75-2370 
宿と喫茶 4月27日から営業(宿泊予約受付中) 喫茶営業時間10~15時 木曜定休
http://park19.wakwak.com/~misayama/html/top.html

鷲ヶ峰ひゅって 
長野県諏訪郡下諏訪町八島湿原10618 冬季も営業中
部屋数5室 料金 1泊2食1室1名14,800円から 1室2名12,800円から
TEL:0266-58-8088
https://nature2.jp/wasshie/index.html 

『泊まってみたい、おしゃれな山小屋【1】上高地「氷壁の宿 徳澤園」』もあわせてぜひ。

PROFILE

阿部 真人

Masato Abe 還暦特派員

大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。

大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。

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