日本よりずっと北に位置するヨーロッパではサマータイムあり
日本よりずっと北に位置するヨーロッパでは夏と冬では昼間の長さがだいぶ違います。東京は実はアフリカの北端とおなじくらいの緯度で、南ヨーロッパのポルトガルやイタリア、スペインの一部や日本の東北や北海道と同じぐらいの緯度です。そのためヨーロッパでは日が長くなる夏の間は時間を一時間早めて(すでに明るい)早朝早くから働いたり学校に行き、夕方以降も明るい屋外での活動をエンジョイするためにサマータイム(夏時間)を設けいています。
いつまでも明るい夏、夜が長い冬
では、どのくらい夏と冬で日照時間が違うのかを筆者の住むイギリスを例に見てみましょう。
冬至の日 日の出 8時4分 日没 15時53分 日照時間 7時間49分
なんと夏と冬ではおひさまが出ている昼間の時間が2倍以上も違います! 日の出、日没の前後30分ぐらいは明るいため夏は朝は4時前から明るく、夜10時頃でもまだ夕方といった具合です。
サマータイム(夏時間)とウィンタータイム(冬時間)!?
実はサマータイムはありますが、ウィンタータイムはありません。冬の期間がそれぞれの地域の標準時とされ、サマータイムが地域の標準時+1時間だからです。たとえば筆者の住むイギリスでは、冬の間がGMT(グリニッチ・ミーン・タイム、グリニッチ標準時)でサマータイムの期間はGMT+1となっています。
サマータイムはいつからいつまで?
サマータイムは毎年3月の最終日曜日の早朝午前1時から10月の最終日曜日の早朝午前1時59分までです。つまり、夏時間の始まる3月の最終日曜日には、午前1時が午前2時になり、夏時間の終わる10月最終日曜日には午前2時が午前1時に戻ります。
イギリスあるある・イギリス人はサマータイムが覚えられない!?
イギリスに長く住む筆者ですが、いまだに理解できないことはイギリス人にはいつからいつまでがサマータイムなのか、時計を進めるのか遅らせるのかをおぼていない人がたくさんいることです。
3月最終日曜日から10月最終日曜日といたってシンプルな制度にも関わらず、2月後半になると「あれ、来週からサマータイムだっけ?」9月後半になると「あー、もうサマータイムは来週で終わりだから日が短くなるなぁ。」などと言う人が絶対にいます。また、携帯などのデジタル製品は自動的に時間が変更されるのですが、以前は時計を合わせそびれ翌日の月曜日に1時間早く(もしくは遅く)出勤してくる人が必ずいました。
ヨーロッパ(EU圏)ではサマータイム制度を2021年から廃止予定、ぜひ事前チェックを!
EUでは2021年よりサマータイム制度を廃止する方向で調整しています。筆者の住むイギリスではまだEUと足並みをそろえるか明確な結論は出ていません。2021年以降のヨーロッパ旅行を3月末、10末に予定している人は飛行機や電車に乗り遅れるなんてことがないように絶対に事前のチェックが必要です。
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