明治神宮
神社には種類がある
熱田神宮 (C) AMMLERY / Shutterstock.com
神社の名前にもいくつか種類がある。○○神宮、○○大社、○○神社……。これらは各神社につけられる称号で「社格」という。
○○神宮とは、天皇や皇室の祖先である神を祀っているものの中でも、歴史が古く限られた神社にだけ許された社格だ。熱田神宮、石上神宮、平安神宮や明治神宮など、まさに別格といった風格の神社が並ぶ。
香椎宮や天満宮、東照宮などの○○宮は、神宮に次ぐ社格とされる。こちらは皇族を祀っているもの。
出雲大社
○○大社は、地域の信仰を支える大きな神社につけられることが多い。明治時代から終戦までは、大社を名乗っていたのは出雲大社だけだったが、戦後になって一部の神社が社格を変更している。
そして最も多い社格はシンプルに「○○神社」である。地名やご祭神の名を冠していることが多い。
このほか社格とは違うが、「明神」「大明神」「権現」などと呼ばれて地域に愛されている神社も多い。
「神宮」と呼ばれる特別な神社
伊勢神宮 (C) cowardlion / Shutterstock.com
さて、こうした社格を飛び越えて、単に「神宮」とだけ呼び表される特別な神社がある。伊勢神宮だ。皇室の祖先といわれる天照大御神を祀り、ほかの神社よりもはるかに特別な存在といわれる伊勢神宮こそが、神の宮なのである。わかりやすく地名をつけて伊勢神宮と呼んでいるだけで、神宮が正式名称なのである。『日本書紀』によれば2000年以上もの歴史があるといわれる「お伊勢さん」は、日本人なら一度 は参拝したいものだ。
【出典】
『日本人が知らない神社の秘密』(火田博文・著/彩図社)
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