【ニューヨーク旅学事典1】アメリカ最大都市の名前の由来、歴史、街の変化

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Oct 19th, 2021

2020年のコロナ禍以降、海外はもちろん国内も自由に旅することがままならなくなりました。それでも旅心は縛られることなく、あなたを旅へ誘います。アメリカのニューヨークは訪れたことがなくても、聞いたことがあるでしょう。でも、ニューヨークって実際どこにあるの? どんなところなの? 「ニューヨーク旅学事典」は、ニューヨーク市在住の筆者がニューヨークの名所について、雑学や由来、簡単な歴史、小話などを綴っていく連載です。今回は、「ニューヨーク市」について。眞子さまと小室圭さんが新生活を始められる、話題のニューヨーク市とはこんなところです。

ニューヨーク市マンハッタン 
ニューヨーク市 2021年10月

ニューヨーク市はどこにある

(C)グーグルマップ
地図左端赤で囲った箇所が日本、地図右端の赤いマーク箇所がニューヨーク (C)グーグルマップ

ニューヨーク市は、アメリカ合衆国の東海岸に位置するニューヨーク州にあります。ニューヨーク州内にアメリカ最大の都市ニューヨーク市があり、ニューヨーク市は「マンハッタン」「クイーンズ」「ブルックリン」「ブロンクス」「スタテンアイランド」の5つの区に分かれています。多くの人がニューヨークと聞いてイメージするのは、ニューヨーク市マンハッタン区にあたります。

ニューヨーク市マンハッタン 2
ニューヨーク市 2021年10月

ニューヨーク市の広さ・人口・人種・言語

ニューヨーク市マンハッタン 1
ニューヨーク市 2021年10月

【面積】約790平方キロメートル(305スクエアマイル)
【人口】880万4,190人(2020年現在)
【人種】(2020年現在)
白人 30.9%
ラテン系(ヒスパニック)28.3%
アフリカ系 20.2%
アジア系 15.6%
その他 5%
【言語】英語、スペイン語、中国語
NYC GOV 2020 Census Results

ニューヨーク市の人種は常に変動があり、現在はラテン系、アジア系(主に中国)が増加。反対に白人、アフリカ系が減少傾向にあります。英語が共通言語となりますが、ラテン系、中国系の増加に伴い、スペイン語、中国語も多く使われています。ニューヨーク市においてアジア系が増加しているものの、日本人は減少傾向です。

ニューヨーク市の主な産業

ニューヨーク市マンハッタン 3
ニューヨーク市 2021年10月

金融、貿易、不動産、マスメディア、観光、飲食、エンターテイメント、宿泊業など。

ニューヨークの名前の由来

ニューヨーク市マンハッタン 4
ニューヨーク市 2021年10月

もともとニューヨークはオランダの植民地で、ニューアムステルダム(New Amsterdam)と名付けられ、当時ヨーロッパで需要が高いビーバーなどの毛皮貿易の拠点でした。その後、1664年にイギリスの占領下となり、ヨーク公(The Duke of York)の名からニューヨーク(New York)と名付けられました。支配される国が異なっても、常に「ニュー」を冠せられたニューヨークは、変化に柔軟で、時代の先端を行く気質があったのかもしれません。

オランダ占領下時代の名残は、現在ミュージカル「アラジン(Aladdin)」を上演中の「ニュー・アムステルダムシアター(New Amsterdam Theatre)」の名前などで感じることができます。

ニューヨーク市の歴史

ニューヨーク市 グランド・セントラル駅
ニューヨーク市グランド・セントラル駅 2021年10月

ニューヨーク市の歴史

1609年 オランダ「東インド会社」に雇われた英探検家ヘンリー・ハドソンがニューヨークを発見。以降オランダの移民が始まる
1664年 英国の占領下となり、ニューヨークへ改名
1776年 アメリカは英国から独立
1785年〜1790年 アメリカ合衆国の最初の首都になる(現在の首都はワシントンD.C.)
1840年〜1860年 ジャガイモ飢饉によりアイルランド人、1848年の革命失敗によりドイツ人が移住
1880年代 オリーブ・ぶどうの不作により南部やシシリー島のイタリア人、集団虐殺から逃れたユダヤ人が移住
1886年 フランスからアメリカ国民に贈られた自由の女神像をリバティ島に設置
1930年代 クライスラー・ビルディング、エンパイア・ステート・ビルディング、ロックフェラーセンターなど高層ビルの建設ラッシュ
2001年 9月11日、米国史上最悪のテロが発生、ワールドトレードセンターのツインタワーが崩壊
2020年 新型コロナウィルス世界最多感染都市となる
2021年 新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の義務化へ

ニューヨーク市 12年前にタイムスリップ

2009年4月30日当時 上空から見たニューヨーク市
2009年4月30日当時 上空から見たニューヨーク市

上記の写真は2009年4月30日当時のもの。手前が「ブルックリン・ブリッジ」(1883年開通)、奥が「マンハッタン・ブリッジ」(1909年開通)で共にマンハッタンとブルックリンをつないでいます。2010年以降、ブルックリン・ブリッジ下の埠頭や倉庫が解体され、ブルックリン・ブリッジ・パークがオープン。マンハッタンの摩天楼が見渡せる人気ランドマークとなりました。ブルックリン・ブリッジは2011年〜2014年の間、老朽化のため大規模な改修工事が行われました。2021年6月21日からコロナ禍以降急増した自転車利用者に対応するため、ブルックリン橋の自転車レーンを拡幅する工事中。ブルックリン・ブリッジをサイクリングで渡るのもしゃれているかもしれませんね。

ニューヨーク市の景色は進化し続けています。次回のニューヨーク旅学事典は「マンハッタン」を予定。続けて読んでいただけるとうれしいです。

[All Photos by Hideyuki Tatebayashi ] Do not use images without permission.

参照記事
ニューヨーク市 ニューヨーク州 アメリカのオフィシャルトラベルサイト Go USA
アメリカの地名の由来 公益財団法人 日本英語検定協会
17世紀のニューヨークの歴史 (Discovery & Cultivation) あっとニューヨーク
米国プロファイル 第1章「多民族の国、アメリカ」 – アメリカンセンターJAPAN
brooklyn_bridge_brochure.pdf – NYC.gov
世界の大都会・ビジネス都市「ニューヨーク」 フロンティア精神の創生(その1) 東京藝術大学美術学部建築科 講師 博士(工学) 河村 茂

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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