【実はこれが日本一】愛知の「ジャンボ梨」は世界一でもあった!

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Aug 16th, 2022

夏真っ盛りの現在ですが、暦の上では立秋を過ぎました。こうなってくると、梨の旬が近づいてきます。そこで、意外な日本一を紹介するTABIZINEの連載、今回は日本一大きい梨について書いてみました。

梨のイメージ
Shutterstock.com

>> 【実は日本が世界一】世界の水族館でギネス記録を更新し続けているモノとは?
 

「世界で最も重たい梨」としてギネス世界記録にも

愛知県豊田市産の愛宕梨
[@Press]

梨の大きさといわれたら、どの程度を想像しますか? 大人の握りこぶしくらい、大きくてもソフトボールくらいを想像する人が多いのではないでしょうか。

しかし、日本を見渡すと、赤ちゃんの頭くらい大きい梨の品種もあるようです。日本一大きな「愛宕(あたご)梨」ですね。

「幸水」や「二十世紀梨」など、メジャーな梨の旬は8月末から9月です。しかし、この愛宕梨に関しては11月~12月と遅く、収穫後に熟成が進むため貯蔵性も高くて、それこそ正月にも食べられるのだとか。

主な産地は、岡山県・鳥取県・島根県です。しかし、この梨づくりにおいて、大きさを追求して成功している産地と名人たちが存在します。「JAあいち」の豊田梨部会(愛知県豊田市)に所属する農家の人たちですね。

「豊田の梨を世界へ」をコンセプトに、ジャンボ梨づくりに部会全体で力を入れていて、豊田梨部会に所属する農家の方が「第11回ジャンボ梨コンテスト」に出品した2,948gの愛宕梨は「The heaviest pear(世界で最も重たい梨)」としてギネス世界記録にも認定されています

世界一重たい梨は記録更新されている

しかも、ギネス世界記録保持者であるJAあいちの豊田梨部会の方は、2013年(平成25年)に3,405gの愛宕梨の栽培に成功して自己記録を塗り替えたと、農林水産省の冊子『aff』に書かれています。

ギネス世界記録には申請しなかったものの、世界一重たい梨としての記録をご本人自らが更新しているのですね。

そもそもこの愛宕梨、ギネス世界記録には「it is original from the Okayama prefecture.(もともとは岡山県が起源)」と書かれていますが、岡山県は日本一の産地でありながら、品種の生誕地ではありません。

岡山県の場合は、岡山市雄神地区に1943年(昭和18年)に導入されて栽培が始まっただけ。本当のオリジナルは名前からも予想がつくように、東京の愛宕山(港区)です。

異なる品種が大正時代に愛宕山で自然交配され、

<食感はざらっとしているが、歯切れはよく上品な甘さがある>(第一三共『e-ヘルシーレシピ』より引用)

愛宕梨が誕生したのですね。

鳥取など主要な産地からは、台湾など国外にも輸出されています。今年は、幸水や二十世紀梨などを食べた後も愛宕梨を記憶しておいて、冬に口にしてみてはいかがでしょうか。

その大きさは日本一で、さらに世界一の記録まで更新していると思えば、また格別においしく感じるかもしれませんね。

[参考]
e地産地消 – 愛宕梨 – 第一三共株式会社

ナシ – JA晴れの国岡山

ギネス世界記録™ 挑戦者たち vol.6 – 農林水産省

Heaviest pear – Guinness World Records

あたご梨 – JR西日本

豊田市名産・日本一大きな品種の梨「愛宕(あたご)」を 通常流通価格の約90倍、初競り36万円で落札

ジャンボ梨コンテスト 優勝した梨は30万円で落札 愛知県豊田市 – メ~テレ

※ 果樹産地における課題解決に向けた取組事例 – 中国・四国地域果樹農業課題現地検討会

>>【特集】意外な「日本一」が全国には満載!きっとあなたの身近なトコロにも!?

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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