コーヒー豆の産地というと、ブラジルやエチオピア、ハワイなどの諸外国が思い浮かぶと思いますが、実は日本でも作られているとご存じですか?
そこで今回は沖縄コーヒー生産組合などの情報を参考に、日本で作られているコーヒー豆の現状と、そのコーヒーを都心で飲めるお店を紹介したいと思います。
沖縄や小笠原ではコーヒーベルトの北限でコーヒー栽培が行われている
そもそもコーヒー豆は赤道周辺のエリア、北緯25度と南緯25度の間にある熱帯~亜熱帯でしか栽培ができないと言われています。
例えば関東で言えば伊豆が北緯35度、埼玉の秩父辺りが北緯36度ですから、日本の本州は全く栽培には適してないと言えます。しかし、同じ東京でも小笠原になると父島列島は北緯26度近く、母島列島の中でも姉島などは北緯25度に届きそうな位置にあります。
日本の沖縄も同じで、那覇のあたりは北緯26度近く、宮古島や石垣島などの先島諸島になるとコーヒーベルト(北緯25度と南緯25度の間)の中に入ります。
小笠原と沖縄ではコーヒーの栽培が実際に行われており、沖縄コーヒー生産組合が把握している限りで沖縄の農家からは年間で200kgほど収穫されているとか。小笠原の場合は野瀬農園という有名なコーヒー農園が年間200kgほど収穫に成功しているといいます。
他には屋久島でも栽培に成功したというニュースがありましたし、本州でも耐寒性のあるコーヒーの品種をハウス栽培して収穫している例もあります。例えば雪深い北陸の富山県では、県の植物園で栽培したコーヒーを試飲できるイベントなどが開催されています。
明治時代にオランダ留学をした榎本武明がコーヒーを知り、小笠原で試験的に栽培を開始したところから歴史が始まる日本産のコーヒー。その種は着実に日本全国に広まりつつあるのですね。
東京には国産コーヒーを飲めるカフェがある
ただ、残念ながら現状で収穫量は極めて少ない状態が続いています。沖縄や小笠原で大規模な栽培が行われない最大の理由は台風だか。
コーヒーの木は風に弱いそうで、沖縄と小笠原は年間で台風の直撃する回数が本州の比ではありません。せっかく実ったコーヒーの木が大打撃を受けてしまうために、大規模な栽培ができないのですね。
しかし、防風林を作るなど農家の努力によって年間で一定の収穫量が確保されている日本産コーヒー。東京であれば広尾などに店舗展開をする「カフェアパショナート」などで日本産のコーヒーを飲めます。
1日にオーダーできる杯数に制限があり、1杯1,000円程度と高額ですが、一度試しに飲んでみると話のネタになるかも。
以上、日本産コーヒーの現状についてまとめました。まだまだ課題が多いそうですが、農家の努力をサポートする意味でも、どこかで目にしたらぜひとも口にしてみてくださいね。
[国産コーヒーの歴史 – 沖縄コーヒー生産組合]
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