自由に温泉蒸し料理を楽しめる海沿いの小さな宿
100度を超える温泉が街のいたるところに湧く、小浜温泉(おばまおんせん)。長崎と雲仙の中間に位置し、雲仙への通過点にしてしまうにはもったいない! なぜかというと、雲仙にも負けない源泉かけ流しの湯と、高温の温泉を使った温泉蒸し料理を楽しめるのです。
“蒸気家”という宿名からもおわかりのとおり、小浜温泉きっての蒸気蒸しが楽しめる宿が「湯宿 蒸気家」。暖簾にはツバメのあしらい。軒先にはその所以ともいえるツバメの巣が毎年作られるのだとか。
木肌が美しい艶光する玄関に迎えられるのですが……
その脇で、もくもくと白い湯気を上げる施設が気になるぅ~!
なになに? セルフで温泉蒸しを楽しめる!
好きな食材を買ってきて、自由にキッチンと蒸し釜を利用して料理を作ることができちゃうのですが、その内容は夕食までのお楽しみに!
温泉場の雰囲気を味わえる心地好い客室
案内された客室は、約6畳半ほどの和室。踏み込み、広縁に加えて、窓の外には広々としたテラスが設けられ、小ぎれいに整えられています。
客室数は全13室という、温泉場の雰囲気をもったほっこりくつろげる小さなお宿。いろいろなタイプ・広さの客室がそろいますが、温泉宿情緒を感じる和室はやっぱり落ち着きます。
洗面所やトイレも完備。もちろんタオルや浴衣、アメニティなどもしっかりと用意。
もくもくの温泉蒸気が地元の食材をおいしくする!
気になっていたキッチン&温泉蒸しスペースがこちら。宿泊者はチェックインから22時、朝の7時からチェックアウトまで、自由に使うことができるのです。
まな板や包丁などの調理器具、各種取り皿、温泉蒸しにはかかせないせいろなども、さまざまな大きさが取りそろえられているので、好みの食材を買ってくれば、簡単に温泉蒸しを楽しめるというわけ。
女将さんから聞いた地元の鮮魚店で買い出したのは、カキやサザエ、オレンジ色の貝はヒオウギガイ。小籠包やエリンギなどは、近くのスーパーで購入。本日の夕食が楽しみ!
夕暮れときの温泉蒸しスペースや食事処もいい雰囲気に。
早速、温泉蒸しを楽しみましょう。
蒸し釜を開けてスタンバイ!
お皿やせいろに盛った食材を釜の中に入れます。
フタを閉めて、コックを開ければ温泉の蒸気が充満。「使用中」の札を忘れずに! 野菜は5~10分、イモ類は20~30分、貝類は7分、魚は8~15分、お肉は5~7分が目安。約50分と多少時間はかかりますが、土鍋に入れたごはんだって炊けますよ!
コックを閉めてから蒸し釜を開けると、湯気が立ち上り、いい具合に貝も開いています! なんたって源泉温度100度の温泉による蒸気蒸しなので、やけどには注意。専用手袋で取り出してください。
これは、うまそう! 会心のできばえ!!
一応、塩や醬油なども用意したのですが、温泉の蒸気だからこそまろやかな塩味が付き、素材そのものの味だけで、箸が止まらなくなるおいしさ! 地元で水揚げされた魚介類は必須の一品。小籠包のように冷凍食品などもおいしくできあがります。
温泉蒸しは厳選かけ流しの風呂でも楽しめる?
地元の食材のおいしさをダイレクトに、シンプルに楽しめる温泉蒸しでお腹がいっぱいになったら、源泉かけ流しの温泉で極楽気分。
源泉温度が100度を超えるので、もちろん加水されていますが富士山を眺めながら入る湯はやわらか。首のカーブが絶妙な寝湯に寝ころべば、くつろげるぅ~!
最後は自分自身が温泉蒸しになってフィニッシュ! 大地の恵みである温泉の蒸気を利用した蒸し風呂で、ととのっちゃいます。
温泉という自然の恵みを豊かに感じる
「湯宿 蒸気家」は、基本的に素泊まりの宿で、食材などの持ち込みは自由。翌朝の朝食も、この温泉蒸しを利用。
蒸気が出てる、出てる!
カキはふっくら、小籠包ははふはふ、エリンギはシャキシャキ…… 温泉という自然の恵みを身体でも、胃袋でも、存分に味わえる宿なのでした。
住所:長崎県雲仙市小浜町北本町14-7
料金:1泊素泊まり1名6,000円~
CHECK IN/OUT:15:00/10:00
客室数:13室
アクセス:電車・バス/「島鉄バス小浜ターミナル」よりすぐ 車/長崎自動車道「諫早IC」より国道57号を経由して約45分
URL:https://jyo-kiya.com/
※2022年9月現在、新型コロナウイルス感染症対策のためサービス体制や料理提供方法などが通常と異なることがあります
[Photos by ©︎tawawa]