徳島県「剣山」のミステリーとは?平家落人伝説・失われたアーク・若返りの水

Posted by: あやみ

掲載日: Apr 17th, 2024

西日本で2番目に高い山「剣山(つるぎさん)」は、山岳信仰の対象とされてきた霊山です。そのため、アーク伝説や、平家落人伝説といったミステリアスな伝説が残っています。そんな剣山は、登山道やリフト、山小屋「ヒュッテ」などが整備されており、登山初心者でも登りやすい山です。今回は剣山の不思議と見どころに迫ります。

徳島県・剣山

剣山とは?

徳島県美馬市・剣山の景色
徳島県の南西部に位置する標高1,955mの山です。日本百名山のひとつでもあります。室町時代から信仰の対象として崇められており、劔山本宮劔神社、大劔神社、龍光寺、円福寺などが点在しています。

また、笹に覆われた稜線が美しく、山頂付近に樹木がないのが特徴で、天候が良いと阿讃山脈や石鎚山はもちろん、遠く本州の山々を望むこともできます。

剣山に残るアーク伝説・平家落人の伝説

アークのイメージ
古くは修験道の山だった剣山には、ユダヤの三種の神器(十戒の石板・アロンの杖・マナの壺)を納めた箱「アーク」が隠されているという伝説が残っています。アークとは日本の神輿に近い形状で、外側には金箔が貼られ、前方と後方には担ぎ棒が取り付けられています。

アークは、イスラエル王国の3代目の王であるソロモンの秘宝といわれています。ソロモン王は、エルサレムに神殿をつくり、そこにアークを安置していたそうです。しかし、イスラエル王国崩壊後は行方知れずに。

そのため、「失われたアーク」と呼ばれているのです。この伝説が真実で、本当に剣山にアークがあったら、すごいことですよね。古代イスラエル人がイスラエル王国の崩壊後、はるばる徳島の剣山までアークを持ち込んだのでしょうか?

また、剣山には平家落人の伝説も残っています。屋島の戦いで負けた平家が、安徳天皇を守りながら再興を願い、三種の神器のひとつである「宝剣」を納めたといわれているのです。

剣山の登山道には、宝剣を運ぶ従者を休ませるために、宝剣をかけたといわれる「刀掛けの松」もあります。さらに頂上付近には、宝剣を収めた場所とされる宝蔵石も!

とはいえ現在、剣山は国立公園に指定されているため、これらの伝説が真実か否か、残念ながら確かめる術はないといえます。

パワースポットに立ち寄りながら登山を楽しめる「剣山」の見どころ4選

剣山を登山する際、ぜひ立ち寄りたいスポットを4つご紹介します。

巨大な岩石が御神体の「大劔神社」

剣山の中腹に鎮座する「大劔(おおつるぎ)神社」は、「御塔石(おとうせき)」という圧倒的な存在感の巨石を御神体としています。「天地一切の悪縁を断ち、現世最高の良縁を結ぶ」とされており、そのご利益を信じて、参拝する人が後を絶ちません。

神社を少し下ったところには、「御神水」と呼ばれる湧き水も。この水は「病気を治す若返りの水」と知られており、名水百選に選ばれています。

巨大な磐座「宝蔵石」


剣山の山頂付近には「劔山本宮宝蔵石神社」があり、その裏手には3mの巨大な磐座(いわくら)があります。この磐座は一見の価値あり!

安徳天皇の宝剣を納めた岩、契約の箱を納めた岩などといわれており、神秘的な雰囲気です。

毎年7月17日には「霊峰劔山山頂大祭」が行われ、磐座を目指して御神体を載せた神輿を担ぎます。一般的に神輿は山に降臨した神を麓に下ろす儀式なのだそうです。しかし、山頂を目指すのはなぜなのでしょうか。

これはあくまで個人的な意見ですが、神を下ろすのではなく、神に神器を授ける、もしくは神が神器にパワーを注ぎ込むための儀式なのかも!? と思いました。

剣山から見える雲海
また、山頂からの景色は絶景! 雲海が見られることもあります。そのため、山頂の山小屋「ヒュッテ」に宿泊し、夕焼け、星空観察、朝日を拝むのもおすすめです。

剣山の名前の由来になった?「鶴岩・亀岩」

剣山の山頂付近にはもうひとつ見どころがあります。それが「鶴岩・亀岩」です。実は、この2つの岩によって、かつて剣山は「鶴亀山(つるきさん)」と名付けられたという説があります。そして、これらの岩の麓には、発掘跡とされる石が並んでいるそうです。また、鶴と亀という名前は、古代イスラエルとのつながりを示すものでもあるとか。

ただし、山頂付近は似た形状の岩がたくさんあるため、「鶴岩・亀岩」を見つけるのは少し大変かもしれません。時間が許す限り探して、一度は目にしてみたいですね。

楽々移動が可能な「剣山観光登山リフト」

剣山観光登山リフト
4月下旬~11月末に運行している「剣山観光登山リフト」を利用すれば、「見ノ越駅(標高1,420m)」から山頂近くの「西島駅(標高1,750m)」まで約15分で移動できます。「西島駅」からの登山コースは全4つ。いずれの登山道も整備されていて、自分の体力やレベルに合わせて選択可能です。

「西島駅」から約1時間で山頂を目指す「大劔神社コース」は、特に初心者におすすめです。また、リフトから見える四国山脈の四季折々の光景にも注目を!

ミステリアスなスポットが目白押しな剣山。登るだけでパワーアップできそうな山なので、天気の良い日に登山してリフレッシュしたいですね。

剣山
住所:徳島県美馬市・三好市・那賀郡那賀町・美馬郡つるぎ町
電話:0883-68-2113(美馬市役所木屋平総合支所 経済建設課)
交通アクセス:JR徳島線「穴吹駅」から穴吹~木屋平連絡バス「川上(終点)」下車
公式サイト:https://www.city.mima.lg.jp/kanko/map/list/3996.html

[参考]
阿波ナビ|徳島県観光情報サイト
剣山観光推進協議会
“契約の箱”アークがもつスーパーパワー|ナショナル ジオグラフィック
美馬市
にし阿波|一般社団法人そらの郷

[Photos by Shutterstock.com]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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