イベント開催場所は、閉館後の新江ノ島水族館!
今回参加したのは、2024年8月3日(土)に行われたケアリーヴpresents「親子で学ぼう!おさかなと人間の“ケガ”」セミナー。開催場所はなんと、閉館後の新江ノ島水族館という特別感のある場所で、大迫力の相模湾大水槽を眺めながらのセミナーとなりました。
講義内容は、ニチバン担当者による人間のケガを治す方法に加え、新江ノ島水族館のえのすいトリーター(飼育スタッフ)による魚のケガと治療について。親子イベントということもあり、終始和気あいあいとした雰囲気の中で行われましたが、その内容は「とにかくなるべく早く、キレイに治したい」と願う大人にとっても、非常に有益な情報ばかり。予期せぬタイミングで突然起こるケガに対し、一体どのように対処したらいいのでしょうか?
ケガをした! 慌てず焦らずに行うこととは
楽しく気分が高揚しているときのケガは、一気に奈落の底に突き落とされたかのような気持ちになってしまいますよね。じわじわにじみ出てくる血を見た瞬間、「ああ、終わった」とガッカリ。今自分にできることは、傷口に向かってフーフーと息を吹きかけ、少しでも早く乾燥させることだけ……。
と、今まではなるべく傷口を乾燥させ、かさぶたを作って治す方法が主流でした。しかし、現代は逆! というのも、傷口から出てくる透明な体液(浸出液)には、傷を早く治す成分が含まれており、かさぶたを作らず体液を残して傷を治す「モイストヒーリング(湿潤療法)」という方法が、新しい傷ケアとして注目されています。
また、「モイストヒーリング」を行うことで、傷が早く治る、傷跡が残りにくい、バイ菌が増えない(感染症の心配が少ない)、痛みが少ないといった、傷ケアに求めていたすべての効果が期待できるのです。
では、「モイストヒーヒーリング」を行うにはどうしたらいいのでしょうか? その方法は驚くほど簡単。まずは水道水で傷口をしっかりと洗い、傷口をおさえて止血します。その後、『ケアリーヴ(TM)治す力(TM)』を貼り、傷口をしっかりと保護するだけ。つまり、消毒液や軟膏などは必要ありません。『ケアリーヴ(TM)治す力(TM)』には、パットの中央にハイドロコイド素材のモイストパッドがあり、これが体液を吸うことによってかさぶたの代わりとなります。体液を多く保持してくれるため、傷を治す成分がしっかりと働くという仕組みなのです。
見つけてみて! 新江ノ島水族館には大きなケガを克服した魚がいる!?
人間のケガを治す「モイストヒーリング」を理解したあとは、新江ノ島水族館の飼育員スタッフ・えのすいトリーターから、「魚はケガをするでしょうか?」という質問が投げかけられました。魚のケガと聞いて、イメージできるようなできないような、なんとも未知なる世界の話ではありますが、その答えは「YES」。魚もケガをするんです。
縄張り争いによる喧嘩にはじまり、水槽内の岩や壁に当たったり、寄生虫によりケガをしたりと、その理由はさまざま。水族館へ訪れた際に、思わず水槽をトントンと叩きたくなりますが、これも魚をびっくりさせてしまいケガに繋がるのだとか。くれぐれも気を付けたいですね。
実は、相模湾大水槽のすぐ近くの水槽には、ウツボに咬まれて大きな傷を負ったムツがいます。現在は、ケガの治療を経て復活を果たし、元気に泳ぐ姿を実際に見ることができます。
このムツは、当時背中から腹部にかけてざっくりと大きな傷ができており、「もうダメかも」と覚悟したほどだったと言います。しかし、翌日フンをしていたことで腸までは切断していないことが分かり、そこから治療がスタートしました。
ケガの治療法は、我々人間とほぼ同じ。まず、粉末の殺菌消毒液に水分を含ませ、筆で患部に塗ります。すると傷口に蓋ができ、これが『ケアリーヴ(TM)治す力(TM)』のような絆創膏の役割となるのだとか。併せて、抗菌剤で薬浴や抗生物質を与えたり、餌をしっかり食べさせて体力をつけさせたりと、毎日の看病を続け3か月後には回復したそうです。
このムツには、深海Ⅰの標本コーナー隣の水槽におり、未だ体に傷跡が残っているため他の魚とはっきりと見分けがつきます。トリーターさんの愛情とムツの生命力を感じることができるので、新江ノ島水族館へ訪れた際には、ぜひこのムツを探してみてくださいね。
海や川などのレジャーだけではなく、生活の中でも不意に起こるケガ。毎日の熱中症対策と同じようにケガ対策も万全に準備して、楽しい夏をお過ごしください!
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※以下の場合は、医師の診断が必要となる場合があります
1、傷口に石や砂が入って取れない場合
2、深い傷ができてしまった、出血が止まらない
3、やけど
4、動物に咬まれた場合
[Photos by koume]