
荘内半島から粟島を望む
香川県が発祥!観光におすすめのスポットも
釜玉うどん

釜玉うどん
「釜玉うどん」の発祥の地とされるのは、綾歌郡綾川町にある老舗店「山越うどん」です。創業は1941年。当初は食堂として営業しており、うどんも数あるメニューのひとつに過ぎませんでした。
その後1965年に製麺所へと転じ、卸売が中心となりますが、当時の客層は地元の常連客に限られていたといいます。釜玉うどんが誕生したのは今からおよそ35年前。毎日のように生卵を持参して来店していた町の職員が、釜揚げうどんに卵を絡めて食べるスタイルを編み出したことがきっかけだそうです。
その食べ方が評判を呼び、店でも正式に提供するように。そして当初は「釜揚げ卵入り」と呼んでいたものの、従業員の間で自然に使われていた略称「釜玉」が次第に浸透し、現在の呼び名として定着しました。
平成に入ると讃岐うどんブームが到来。「山越うどん」にも県内外から多くの客が押し寄せるようになり、中庭を食事スペースに整備し、駐車場を大幅に拡張。今では釜玉うどんの元祖として全国にその名を轟かせています。
日本食研

KO宮殿工場
日本食研は1971年、大沢一彦氏が高松市のアパートの一室で「畜産加工研究所」を創業したことに始まります。翌年には本社工場を愛媛県今治市に新設、1973年に株式会社畜産加工研究所を設立。1975年には「日本食研株式会社」と社名を変更しました。
社名変更後も研究・製造体制を整備し、1984年には愛媛の新本社建屋並びに研究所・工場が完成。1988年には関連会社の設立や、海外拠点の展開も開始するなど、創業期から着実に事業を拡大していきました。以後、たれ類の出荷量日本一達成など多くの事業的マイルストーンを重ね、国内外で存在感を高めていきます。
愛媛県今治市にある「日本食研世界食文化博物館 KO宮殿工場」は、オーストリアの首都ウィーンにある世界遺産「ベルヴェデーレ宮殿」をモチーフにデザインされた建物が印象的です。
ここでは、KO宮殿工場、世界食文化博物館、日本食研歴史館、日本食研商品展示館の見学ができ、世界の食文化はもちろん、日本食研の企業文化や商品ヒストリーも学べます。
かどや

ごま油 ※画像はイメージです。
かどや製油は、1858年に小豆島にて「加登屋製油所」として創業し、ごま油の製造・販売を始めました。名前の「かどや」は、創業時の店舗と工場が交差点の角地(かど)にあったことに由来し、創業以来「ごま一筋」を守り続けてきました。
1957年には、加登屋製油所と東日本地区代理店の小澤商店が共同出資し、株式会社化。「加登屋製油株式会社」として本社を東京都品川区に設立しました。その後、販売拠点拡大や工場用地取得、本社移転、証券取引所への上場などを経て、現在に至るまで国内外でごま製品を手がける老舗企業として成長しています。
ごまの歴史や製造工程などを学びたいのなら資料展示室「今昔館」へ。ごまのプロフェッショナルである工場スタッフが、パネルや映像を用いて解説してくれます。各種ごま油のテイスティングも可能です。なお、今昔館は入館料無料ですが、完全予約制となっています。
骨付鳥

骨付鳥
1950年代、丸亀市の飲食店の店主が、ハリウッド映画で大きな骨付きフライドチキンを豪快にかぶりつく女性の姿に触発され、「こんな豪勢な料理をお客さんに楽しんでもらいたい」と思ったことが、骨付鳥の起源とされます。
その後、県内ではご当地グルメとして定着し、クリスマスなどの行事時にも食べられるようになりました。
骨付鳥を味わうのなら「一鶴」がおすすめ。創業以来、変わらぬ味を守り続けている老舗です。独自のスパイスで味付けし、窯で蒸し焼きした骨付鳥は、皮はパリッと、中はジューシーで、一度味わうと忘れられないおいしさ! ぜひ一度ご賞味ください。
オリーブ栽培

小豆島 オリーブ園
1907年、農商務省の指示を受け、翌年、香川県・三重県・鹿児島県の3県でオリーブ栽培試験を開始しました。そして3県の中で、香川県がオリーブ栽培に成功。これが日本における産業的オリーブ栽培のスタートとされています。
その後、小豆島を中心に食品加工や観光を絡めながらオリーブの島としてのブランドを育成。100年以上の歴史を経て、地元生産者たちは小型採油機の導入や官能評価の体制整備などに取り組み、品質向上を追求しています。
西村に位置する「小豆島 オリーブ園」には、1917年に、県より試験用として初めて配布されたオリーブ原木の1本が現存。自由に見学可能です。そのほか、イサム・ノグチの遊具彫刻やAKARIを展示したギャラリーなどもあり、充実した時間を過ごすことができます。
少林寺拳法

金剛禅総本山少林寺
少林寺拳法は、創始者・宗道臣氏が、第二次世界大戦後の荒廃した日本社会を再建するため、「若者の精神教育と武道」を融合させる道を模索したことに端を発します。
1947年、同氏は仲多度郡多度津町に小さな道場を開設。精神修養だけでは人の心を動かしきれないと考え、自らが修得していた武術の要素を、わかりやすく体系化。拳技(打撃)、投げ、関節技などを取り入れた技術と、身心一如の教えを含む教育法を設計し、「少林寺拳法」と名付けて創始しました。
創始から間もなく、全国に広がりをみせ、若者たちの心を捉えて、精神修養と武道を兼ね備えた新しい武道として定着。現在は国内外に道場が存在し、統一されたカリキュラムと資格制度を通じてその理念と技術が継承されています。
少林寺拳法の発祥地とされる「金剛禅総本山少林寺」ではツアーを開催。館内や演武の見学はもちろん、林寺拳法健康プログラムや技法などの体験もできます。
香川県の始まりは多種多様!
讃岐うどんの名物「釜玉うどん」は綾川町の老舗「山越うどん」で生まれ、丸亀市では1950年代に誕生した骨付鳥が地元のごちそうとして定着。さらに、小豆島は日本で初めて産業的オリーブ栽培に成功した地であり、1858年創業の老舗「かどや製油」は一貫してごま一筋。香川県では、このような日常の中に息づく数々の始まりに出会える旅が楽しめそうですね!
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