
五台山から望む高知市
高知県が発祥!観光におすすめのスポットも
カツオのたたき

カツオのたたき ※画像はイメージです。
カツオのたたきの起源には諸説がありますが、漁師たちが船上で食べていたまかない料理が起源だったという説が一般的です。保存技術が発達していない時代、鮮度が落ちやすいカツオを食べるため、塩をまぶして「たたく調理法」が生まれ、生臭さを和らげる工夫がされてきたといわれています。
また現在、私たちが知る「たたき」という調理法が広まったのは、1600年の関ヶ原の合戦以降とする説があります。土佐藩の藩主・山内一豊が食中毒を防ぐために、領民に焼いて食べるようお触れを出したのです。しかし、刺身を食べたい土佐の人々は、表面を軽く炙り、焼き魚に見せかけて中身はレアなカツオを食べ続けたともいわれています。
カツオのたたきを味わいたいのなら、カツオの名所として知られる中土佐町久礼の「久礼大正町市場」がおすすめです。地元で捕れた新鮮なカツオのたたきが味わえます。
芋けんぴ

芋けんぴ ※画像はイメージです。
芋けんぴのルーツには、土佐に古くから伝わる郷土菓子「けんぴ」があります。砂糖を煮詰めた糖蜜に小麦粉を練り、細長く切って焼いたもので、平安時代の『土佐日記』にも記録が残っています。
その呼び名の由来は、飛鳥奈良時代の菓子「巻餅(けんぺい)」がけんぴに転訛した、室町時代に明から渡来した点心「巻餅(けいひん)」を起源とするなど、諸説あるそうです。
そして、江戸中期になると薩摩から伝わったさつまいもが土佐で広まり、細切りにして油で揚げ、砂糖をまぶしたお菓子が誕生。その形状から「芋けんぴ」と呼ばれるようになりました。
「芋屋金次郎 日高本店」では、当日揚げたての芋けんぴをはじめ、焼きたてスイートポテトや芋モンブランなど、店舗でしか購入できないオリジナルの芋菓子を多数販売。金次郎の直営店の限定商品「揚げたて芋けんぴ」は必食です!
ポケットティッシュ

ポケットティッシュ ※画像はイメージです。
ポケットティッシュ誕生のきっかけは、とある製紙会社で営業部長を務めていた森宏氏の息子が「持ち歩くちり紙がすぐボロボロになる」とこぼした一言でした。
ちょうどその頃、海外からティッシュが日本に伝わり始めており、森氏は試行錯誤の末、柔らかな紙を小さく折って包装する「ハンディペーパー(ポケットティッシュの原型)」を考案。1968年、製品化と同時に「明星産商株式会社」を創業しました。
それから、宏氏は自らが開発したハンディペーパーの新しい価値と、その将来性を説いて、全国を営業。やがて銀行や商店などの広告入りポケットティッシュとして街頭で配布され、日本中に広まっていきました。
残念ながら、1969年に設立された本社第1工場は現存しません。しかし、明星産商株式会社の本社と高知工場がある南国市岡豊町には、長宗我部氏の居城であった「岡豊城跡」があります。その中腹には、高知県立歴史民俗資料館も。南国市の歴史や文化に興味がある方は、ぜひ訪れてみてください。
よさこい祭り

よさこい祭り
よさこい祭りの起源は、1954年に高知市で初めて開催された「よさこい祭り」にさかのぼります。これは、戦後の不況を乗り越え、市民の活気を取り戻すために高知市商工会議所が企画したものです。
当初のよさこい祭りは、盆踊り風の伝統的なスタイルでした。しかし、作曲家の武政英策氏が「よさこい鳴子踊り」の使用を一般に許可したことで、サンバやロックといったさまざまなスタイルの要素が取り入れられていくように進化。
この祭りは、地域の活性化だけでなく、全国各地で「よさこい」をモデルにした祭りが開催されるきっかけとなり、現在では日本の夏の風物詩として広く親しまれています。
よさこい祭りは、例年8月9日〜12日の4日間にわたり高知市内で開催されています。約18,000人の踊り子が手に持った鳴子を鳴らし、華やかな飾り付けをした地方車が市内を乱舞する様子は圧巻です。また「高知よさこい情報交流館」では、よさこい祭りの歴史や魅力に触れることができます。
こいのぼりの川渡し

こいのぼりの川渡し
日本のこいのぼりの川渡し発祥の地は、高岡郡四万十町です。「子どもたちの望みを叶えてあげたい」という想いから1974年に始まりました。
例年4月中旬から5月中旬にかけて、地元や全国から集められた500匹以上のこいのぼりが、川幅約200mの四万十川の上にたなびきます。色とりどりのこいのぼりが水面に映り、その姿はまるで川を泳ぐ群れのようです。
「こいのぼり公園」からは、川風に揺れるこいのぼりを間近で楽しむことができるほか、「鯉のぼり川渡し発祥の地記念碑」も見どころのひとつになっています。
宝石珊瑚

アカサンゴのネックレス
宝石珊瑚が日本で発見されたのは江戸時代末期の高知県。土佐藩内の地理や産物などが記録された『南路志』には、室戸岬や足摺岬周辺で宝石珊瑚が産出されることが記録されています。天保年間には採取網も考案されました。
明治時代には原木オークションが行われ、日本の宝石珊瑚産業の中心地として発展。高知県沖で採れるアカサンゴ(血赤サンゴ)やモモイロサンゴ、シロサンゴなどは、研磨すると美しい艶を放ち、ジュエリーや工芸品に加工されます。現在も加工技術は世界最高水準とされ、宝石珊瑚は高知県の伝統工芸として地域の誇りとなっています。
日本サンゴセンター 宝石珊瑚資料館「35の杜」では、宝石珊瑚のアクセサリーを購入できるほか、サンゴ作品の展示、アクセサリーづくり・宝石珊瑚を磨く体験も可能です。高知市を訪れたら、立ち寄りたいスポットですね。
高知の始まりは暮らしや文化に根付いている!
高知は、漁師の知恵から生まれた「カツオのたたき」や、郷土菓子「芋けんぴ」の発祥地です。さらに、森宏氏が開発した「ポケットティッシュ」や、1954年に始まった「よさこい祭り」の本場としても知られます。また、四万十川で1974年に始まった「こいのぼりの川渡し」、江戸時代末期から高知沖で採れる「宝石珊瑚」など、高知を訪れる際は、ぜひ暮らしや文化に根づいた豊かな始まりの物語を感じてみてくださいね。
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