7年に一度、寅と申の年にだけ開催される祭りがあります。日本三大奇祭の一つに数えられる、諏訪大社の御柱祭です。2016年はその開催年。祭りの魅力に迫ります。
負傷者も出る!命がけの神事
下社の木落とし。上にまたがる者を振り落としながら、御柱は斜面を突き進む (C) Yuzo Ito
祭りのハイライトといえるのが、「木落とし」と呼ばれる工程です。
御柱祭とは、諏訪大社の宝殿を7年に一度造り替えるために山から柱を選び、里や川を経由して境内へ運んで建てる一連の行事のこと。柱を山から里へ曳き出す山出しと、神社までの道中を曳いて御柱を各社殿四隅に建てる里曳きの2工程に分かれます。山出しの途中、最大斜度約30度もの坂を下るのが木落としで、祭で最大の見せ場ともいわれます。
御柱の長さは約19メートル、重さは約7.5トン。その上に若衆たちがまたがります。ドドドッとうなりを上げて斜面を下る御柱と勇敢な男たちを、多くの観客たちが固唾を飲んで見守ります。
2016年の山出しは、上社が4月2日(土)~4日(月)、下社は8日(金)~10日(日)に行われます。
上社の川越し。冷たい春の川を、皆ずぶぬれになって渡る (C) Yuzo Ito
1200年以上の歴史を物語る、華やかなパレード
「神賑わい」と呼ばれる、艶やかな長持ちと花笠踊り。 (C) Yuzo Ito
山出しから約1か月後に行われる里曳き。ダイナミックな山出しと対照的に、御柱はゆっくりと優雅に街中を進みます。1本の柱を、1000人から3000人もの人が曳くそうです。御柱の周りを彩るのは、騎馬行列や長持ち、花笠踊り。昔ながらの艶やかな衣装や踊りを見ると、平安時代の初期には既に開催されていたという御柱祭の長い歴史を感じます。
子どももおじいちゃんも、祭で一体となる
御柱祭が近づくと、諏訪の人たちは血が騒ぎ出します。実行委員会は3年ほど前から準備を始め、一般の人たちも「御柱貯金」をコツコツ貯めて祭までに家じゅうの障子や畳を張り替え、当日は行き交う人にご馳走を振る舞います。御柱は、子どもから大人までが一緒になって「木遣り唄」という歌を歌いながら曳きます。まさに、町中の人が心を一つにして臨む祭なのです。
諏訪のお土産ならこれが定番!
御柱祭の後は、諏訪ならではのお土産を買って帰りましょう。地元の人も太鼓判を押す定番はこちらです。
サクサクの生地に、ピーナッツが驚くほどぎっしりつまったおせんべい。軽い口当たりなので、いくらでも食べられてしまいます。
炒った大豆の周りに砂糖をコーティングしたお菓子。コーヒーにも緑茶にも、お酒にも合います。この一粒でおしまい、いやもう一粒・・・と思っているうちに袋が空っぽになります。
以上、諏訪大社の御柱祭についてざっとお伝えしました。今年は7年に一度のまたとないチャンス。諏訪の人たちが最大級の情熱をかけて臨む神事を、あなたも見に出かけませんか。詳しい日程やアクセスなどは以下のサイトをご参照ください。
[信州諏訪 御柱祭]