その名の通り、日の出が美しい場所として知られる大分県日出町。糸ヶ浜の初日の出
15分で完売する幻のトマト「トマ王」とは?

日出町の真那井(まない)地区で栽培されている「トマ王」は、地元でも入手困難な幻のフルーツトマト。驚くのはその栽培方法です。土づくりの際に海水を引き込み、樹が水を吸いにくい状態をつくることで、糖度8度以上という驚異的な甘さを実現。一般的なトマトの糖度が4〜5度程度とされることを考えると、その甘さは別格です!

海水由来のほのかな塩味と、後から追いかけてくる強い甘みが同居し、料理研究家の栗原心平氏も「スイカに塩を振って甘みが際立っている感覚」と表現して絶賛。イチゴと同等の糖度10度以上を誇る上位グレード「トマ王 潮プレミアム」も存在し、まるでフルーツそのものを食べているかのような味わいなのだそう。

真那井トマト農園生産組合の直売所は、朝8時開店から「なくなり次第終了」というスタイル。収穫量の約7割が農場内の直売所で売り切れてしまうという地元密着型です。遠方への流通量はごくわずかで、現地に足を運ぶか、ふるさと納税などの返礼品で手に入れるのが最も確実な入手方法。

販売期間は例年1月初旬〜7月初旬頃。日出町の公式情報でも「潮トマト」「トマ王」ブランドとして紹介されており、まさに町を代表する農産物のひとつといえます。
天下の美味「城下かれい」とは?

日出町の食を語るうえで欠かせないのが、江戸時代に徳川将軍家への献上品ともされた高級魚「城下(しろした)かれい」。正式名称はマコガレイですが、日出城(暘谷城)の城址下の海底から真水が湧き出るポイントで育つことから、この名で呼ばれています。
日出城址からの眺望
清らかな湧水と海水が混ざり合う汽水域で育つため、他地域のマコガレイに比べて泥臭みが少なく、丸々とした身に頭部が小さいというのが独特の特徴。伏流水が塩分を薄めることで海藻やプランクトンが豊富に発生し、それを餌とする小エビなどが城下かれいの成長を支えています。
江戸時代には一般庶民が食すことを禁じられ、藩主だけが口にできたことから「殿様魚」の異名でも呼ばれた逸品。参勤交代の際には干物が将軍家へ献上され、4年に一度の閏年には端午の節句に合わせて、生きたまま船や早馬で江戸城まで運ばれたという記録も残っています。
旬は4月から9月頃、なかでも5〜7月が最もおいしい時期とされ、刺身、握り寿司、煮付け、天ぷら、唐揚げなど幅広い調理法で味わえます。
城下かれいを味わうなら「的山荘」は外せない

城下かれいを味わうなら、国の重要文化財に指定された料亭「的山荘(てきざんそう)」は外せない存在。杵築市出身の財産家・成清博愛の邸宅として1915年(大正4年)に建てられ、日出(暘谷)城三ノ丸跡という由緒ある土地に建ちます。
近代和風の豪華な日本家屋からは、庭園を通して別府湾と高崎山を望む絶景が広がり、庭園自体も見学OK。料理は城下かれいをはじめ、関アジ、関サバ、臼杵ふぐ、豊後牛など、地産地消にこだわった懐石・割烹料理が中心です。
ランチは3,850円から、ディナーは11,000円から(いずれも税込)と、予算に応じて選べます。歴史的建築の空間で天下の美味を味わう、という非日常の体験ができる貴重なスポットです。
大分県速見郡日出町2663番
0977-72-2321(10:00~17:00)
開館時間:10:00~17:00(年中無休)
※庭園内散策自由
営業時間:
ランチ 11:30~(13:30OS)、ディナー17:30~(20:30OS)
※施設・時期により変動あり
※ランチの懐石料理とディナーは要予約
※城下かれい<4月~7月>事前にお問い合わせください
公式サイト:https://tekizanso.com/
まだまだある大分県日出町のローカルグルメ
城下かれいとトマ王だけでも十分に個性的ですが、日出町のローカルフードの豊かさはそれだけでは終わりません。
白いとうもろこし「白雪姫」

果皮がパールホワイトに色づく珍しいスイートコーンで、糖度はなんと16〜20度前後という驚異的な甘さ。完熟メロン並みの甘みで、生食が推奨されています。シャリシャリとした食感とフルーツのような味わいで、朝採れが店頭に並ぶと30分ほどで売り切れることもある人気ぶり。
赤いスイートコーン「赤ずきんちゃん」
白雪姫に続いて登場した新しい特産品で、紅白セットとして日出町の新たな看板作物に育っています。
白ナス

一般的な紫色のナスとは異なり、美しい光沢と淡い緑がかった上品なビジュアル。アクが少なく、加熱すると果肉がとろとろの食感になり、特に素材の旨味が際立つのが、ソテーやグリルです。日出町の田中農園では、1粒の種から収穫まで手間を惜しまず、傷や日焼けを防ぐための袋かけを行って大切に育てられています。
白イボキュウリ
日出町で古くから栽培されている品種で、緑色の濃さと艶のよさが特徴。みずみずしい香りとパリッとした食感を堪能でき、出荷時期は5月〜7月上旬頃。
日出ポーク・関アジ・関サバ・豊後牛・日出の鱧・ちりめん・しらすなど
日出ポーク
おおいた和牛(肉質等級4等牛以上の豊後牛の頂点)
城下かれいと並び、地元の食材として的山荘をはじめとする町内の飲食店で提供される豊後路の海山の幸。
いずれも「近隣で消費されて終わってしまう」ほど地元での人気が高く、遠方まで流通しにくいのが日出町ローカルフード共通の特徴。だからこそ、現地を訪れる価値が一層高まります!
日出町の意外な顔
食の宝庫であることに加え、日出町にはローカルフード以外にも見逃せない魅力があります。
サンリオキャラクターパーク「ハーモニーランド」がある
ハーモニーランドのシンボル「キティキャッスル」がリニューアル予定。画像は現在のキティキャッスル © 2026 SANRIO CO., LTD. TOKYO, JAPAN 著作 株式会社サンリオ
日出町には、ハローキティやマイメロディ、シナモロールなど人気サンリオキャラクターに会える屋外型テーマパーク「ハーモニーランド」があることをご存じでしょうか。なんと2026年で開園35周年。パレードやライブショーが毎日上演され、子どもから大人まで楽しめるアトラクションがそろう人気スポットです。
今後はテーマパークという枠を超え、その場所で過ごす時間そのものが特別な体験になる滞在型の価値へ進化していくことを目指しています。大分の豊かな自然・文化・温泉と、サンリオならではのエンターテイメントを融合する「エンタメリゾート構想」が進行中です。
「蛇口をひねるとミネラルウォーターが出る」と言われるほど水質がよい
山田湧水
日出町がこれほど質の高いローカルフードに恵まれている背景の一つにあるのが、豊かな水源。日出城下の海底から真水が湧き出るという特殊な地形は城下かれいを育てただけでなく、町内には山田湧水をはじめとする名水スポットが多数存在し、水道水をそのまま飲んでもおいしいといわれるほどの水質を誇ります。
「住みここちランキング」で大分県第1位に!
糸ヶ浜海浜公園
居住満足度調査「いい部屋ネット 街の住みここちランキング<大分県版>(大東建託株式会社)」 では、2020年・2021年と2年連続で日出町が第1位に選ばれました。
その後2022年からも、毎年2位か3位にランクイン。満足度が高かった理由として、「交通アクセスのよさ(大分・別府に近い)」「閑静で治安がよい」「公共施設が充実している」などの理由があげられています。
日出町を知ったきっかけは……JALふるさとプロジェクト「旅するメーカーズディナー」
会場は「俺のフレンチ グランメゾン TOKYO」。乾杯のお酒は、日出町・二階堂酒造の本格梅酒です。大分県産の梅の実を大分麦焼酎二階堂の原酒で仕込んだ、スッキリ飲みやすい味わい
実は今回、筆者が大分県日出町の存在を知ったきっかけが、JALふるさとプロジェクト「旅するメーカーズディナー」。
JALと俺の株式会社が連携して展開する同企画では、シェフとソムリエが実際に現地へ赴き、生産者の声を聞きながら厳選した食材を使う一夜限りのディナーイベントを各地で開催しています。
左から豊後水道より“関アジ”と大分県産素麺のガスパチョ キャビア添え/“真那井”トマトの旬感パイ包み焼き/“天然ヒラメ”と“白雪姫”ラベンダー香るソース “別府湾の太刀魚”のベニエと“田中農園の白茄子”のソテー
“日出ポーク”のアレンテージョ グランメゾンのスタイルで
2026年7月26日には、この企画の第17弾として「俺のフレンチ×JAL 旅するメーカーズディナー~大分県日出町(ひじまち)~」を限定50名で開催。会場では18,000円(税・サービス料込み)のペアリングコースが提供され、日出町に縁のある食材として関アジ、真那井トマト、白いとうもろこし「白雪姫」、白ナス、日出ポーク、などをいただくことができました。
トマトをパイにしてしまったり、白いとうもろこしをラベンダー香るソースに仕立てあげたり、日出町の個性あふれる食材とシェフの着想の化学反応が、会場を華やかに演出します。
2025年9月にポルトガルのモンテモール・オ・ヴェーリョ市と姉妹都市協定を結んだ日出町
なぜ日出町とポルトガル? と思いきや、実は16世紀のポルトガル人冒険家・商人であるフェルナン・メンデス・ピント氏が、宣教師フランシスコ・ザビエルと共に日出町を訪れていることに由来しています。その縁もあり、今回のペアリングは、乾杯のお酒以外すべてポルトガルワインでした!

途中、俺の株式会社コーポレートソムリエ・支配人の長谷川純一さんによるマリアージュ解説も。長谷川さんのファンで旅するメーカーズディナーをリピートする人も少なくないのだとか。
左から:【乾杯のお酒】二階堂 梅酒、ペアリングワインリスト【スパークリングワイン】レゼルバ ブリュット/ムルガニュイラ、【ロゼワイン】マイアス ロゼ/キンタ・ダス・マイアス、【白ワイン】レゼルバ ホワイト/エスポラン、【赤ワイン】リスボア カステラン/ウーゴ・メンデス、手前【デザートワイン】トウニーポート 10年 ベビーデミジョン/ニーポート
たしかに今回のペアリングは、あまり目にすることのないポルトガルワインばかりで非常に面白かったです。特に筆者には、甘くないロゼワインや、こっくりと幸せな余韻が続くデザートワインが印象的でした。

日出町についてスライドや動画、パネルトークなどで情報を得ながらいただくディナーに、終始好奇心を刺激され、食事が終わる頃には、すっかり日出町を訪れる気満々に。旅するメーカーズディナーは、未知なるデスティネーションに出会える機会としても、貴重な場だと感じました。
俺の株式会社(以下「俺の(株)」)と連携し、「食」を通じた地域への新たな人流を継続的に生み出すため、「旅するメーカーズディナー」企画を2022年から実施。本企画では、俺の(株)のシェフとソムリエが実際に現地へ出向き、生産者さまの生の声を聴いて厳選した食材を用いて、一夜限りのディナーイベントを開催。イベント当日は、視察の様子や生産者からの中継など、レストラン会場でも現地の魅力を感じられるような仕掛けも用意されている。日本各地の食材と産品を軸にした食事を通じて地域の魅力発信に取り組んでいる。
公式サイト:https://japan.jal.co.jp/makers-dinner/
新たなデスティネーション!大分県日出町
オーガニックハーブの育て方やガーデニングを学べる体験型ハーブ・ローズガーデン「おおがファーム」も人気
知る人ぞ知るローカルフードの宝庫、日出町。将軍が愛した高級魚、糖度8度超えの幻のトマト、糖度20度の白いとうもろこし、そして人気テーマパークまでが凝縮され、居心地のいい町としても長年評価されているー。次の大分旅行では、別府や湯布院だけでなく、ぜひこの「ひじまち」にも立ち寄ってみたいです!

©TABIZINE編集部
画像素材:
一般社団法人 ひじ町ツーリズム協会
公益社団法人ツーリズムおおいた
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