ニューヨークへいらっしゃるあなたに、朗報です。あなたが不慣れなニューヨークで心配していることのひとつには、「チップ制度」があるのではないでしょうか。
日本では馴染みがないゆえに、いくらあげたら良いのか分からない、渡すタイミングが分からないなど頭が痛かったかもしれませんね。飲食時にどうしたらと、不安だったのでは? ニューヨークでは、現在レストランのチップ廃止の動きが出ているのです。
そもそも、チップってなに?
チップとは、サービスに対して感謝の気持ちを示すお金で「サービス料」、「心づけ」とでもいえば解りやすいでしょうか。アメリカでは、主に下記のような場合チップが必要とされています。
タクシー乗車(タクシードライバー)
ホテルで荷物を持ってもらった時(ポーター)
ホテルでタクシーを呼んでもらった時(ドアマン)
ホテルでチェックアウトする時(メイド)長い滞在の場合は毎日1-2ドルを枕元に
修理を呼んだ時(メンテナンスの人に)
出前を取った時(宅配してくれた人に)
なぜレストランでのチップが廃止の方向に?
●最低賃金の引き上げ
今までアメリカの最低賃金は、時給7ドル25セント。利用客からチップが見込まれるサーバー(ウェイターおよびウェイトレス)は、最低賃金で働いていました。
2014年に最低賃金の引き上げが可決され、2015年12月31日に9ドルへ。最終的に時給15ドル(2020年予定)に引き上げられます。
●キッチンスタッフとの格差の軋轢
客単価の高い高級レストランでは、能力の高いサーバーは一晩で200-300ドルのチップを稼ぐこともあり、法律上チップ制度に恩恵がないキッチンスタッフ(料理を作るシェフなど)やバスボーイ(食べ終わった皿を下げる、洗い物をする)との軋轢が生じる場合がありました。
NYCのチップ廃止のレストラン
Biang
Bruno
Café China
Chef’s Table at Brooklyn Fare
Craft
Dirt Candy
Eleven Madison Park
Fedora
Freek’s Mill
Huertas
I Trulli
Insa
Maialino
Meadowsweet
The Modern
Momofuku Nishi
M. Wells Steakhouse
Okonomi/Yuji Ramen (Japanese 定食/ラーメン)
Ootoya (Japanese 定食)
Pasquale Jones
Per Se
Prawn Shop
Restaurant Riki (Japanese 居酒屋)
Roman’s
Sushi Yasuda (Japanese 寿司)
Sutton Inn
Teisui (Japanese 寿司コース)
メニューは、サービス料込に値上げされている
最低時給を払うためには、店側も値上げせざるを得ません。それでなくても、マンハッタンのテナント代(家賃)はロケットハイと言われています。テナント代が、ロケット並みに早く高く上昇しているという意味です。チップ制度廃止の店は、メニュー価格の改正を行っています。
和食レストランの多くが、チップ廃止方向へ
日本の大手定食チェーン店の大戸屋(Ootoya US)も、2016年3月28日よりチップ制度を廃止しています。日本人を始めとする韓国、台湾、中国などチップ制度に馴染みのない利用客が多いので、煩わしさがなくなるという点で喜ばれるかもしれません。
まだ全てのレストランが、チップ廃止ではありません
レストランはチップ廃止の方向へ動いていますが、実施されているのは、一部のレストランです。チップ廃止以外のレストランでは、チップを置いてくださいね。
チップは15-20%が目安です。簡単なやり方としては、お会計の伝票の合計の下に書いてあるTax(消費税 8.875%)を2倍にした金額を丸めて(四捨五入)支払います。暗算で出来ますので、筆者はいつもこのやり方でチップを支払っています。ご参考まで。
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