半吉と末小吉がある「浅草寺」(東京都)
大吉→吉→半吉→小吉→末小吉→末吉→凶
浅草寺にはほかではあまり目にしない「半吉」と「末小吉」があり、その一方で「中吉」と「大凶」がありません。浅草寺に事情を聞くと、同寺院のおみくじは比叡山延暦寺の僧「元三大師」がルーツとされているのだとか。元三大師はおみくじの開祖とも言われ、「半吉」と「末小吉」の発祥も元三大師に由来します。
浅草寺のおみくじは「凶が多い」と言われていますが、古来のおみくじそのままの割合で吉凶を混ぜているそう。凶が出た場合は観音さまのご加護を願って、境内の所定の場所におみくじを結んでご縁つなぎをすると良いそうですよ。
和歌の英訳分も付く「明治神宮」(東京都)
明治神宮のおみくじには「大吉」や「吉」「凶」などの運勢の記載がありません。戦前は国が管理していた明治神宮。その頃はおみくじを扱っていなかったものの、戦後、一宗教法人となり新しくおみくじを出すことに。
その際、普通のありふれたおみくじではなく明治神宮にふさわしいおみくじを出そうとなり、吉凶を占うものではなく、御祭神である明治天皇の御製(ぎょせい)、昭憲皇太后の御歌(みうた)に解説文をつけたものをおみくじとして出すことになったということです。この明治神宮のおみくじは「大御心(おおみごころ)」と呼ばれ、外国人向けに和歌の英訳文も記載されています 。
おみくじを引く必要がない「伊勢神宮」(三重県)
伊勢神宮ではおみくじが置れていません。昔から伊勢神宮への参拝は「お伊勢参り」と呼ばれ、多くの人の憧れでした。「一生に一度は行きたい」神聖な場所としてあがめられてきた伊勢神宮。そんなお伊勢参りの機会が「大吉でないわけがない」ということで、おみくじを引く必要もなかったことが由来とされています。
凶が入れられていない「太宰府天満宮」(福岡県)
大吉→吉→中吉→小吉→末吉
太宰府のおみくじは全部で5種類。学問の神様・太宰府では受験の合格祈願に訪れる学生さんも多く、そのせいか、おみくじに「凶」が入っていません。寺社によっては「大吉」の次を「中吉」、その次を「吉」とするところもありますが、実はその順番は各寺社によってさまざま。太宰府のように「中吉」よりも「吉」の方が上となる神社もあるので、おみくじを引いたらその寺社で順番を確認してみると良いかもしれません。
ちなみに太宰府では、おみくじの柄が一年を通してたびたび変わり、秋は紅葉をイメージした赤やオレンジ、冬は雪の結晶柄と、四季折々にさまざまなデザインが楽しめます。この季節ごとに変わる太宰府のおみくじは、日本の伝統と先端技術を融合させた「日本らしさ」を持つ新しい日本の様式への試みとして評価され、平成18年に「新日本様式」100選に選ばれました。
後吉も特徴の「宇佐神宮」(大分県)
大吉→吉→中吉→小吉→末吉→後吉
宇佐神宮も太宰府と同じく、「吉」の次が「中吉」となります。「凶」がなく、最後が「後吉」となっているのも特徴。「凶」が入っていないので、安心しておみくじをひくことができますね。
ちなみに、「結ぶ」というのは「神様とのご縁を結ぶ」という意味があり、おみくじを引いて境内の木に結んで行くことは縁起をかつぐことにもなります。宇佐神宮では境内に結んで行くことも良しとしたうえで、「おみくじに書かれた内容は、神様からのお言葉。日々の指針として大切に持ち帰っても構いません」としています。おみくじに気になる言葉が書かれていたり、開運アイテムとして持っておきたいと思ったら、お財布や手帳に挟んで、手元で保管しておくのも良いかもしれませんね。