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高速道路を使わない路線バスとして日本最長
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最近、路線バスに乗りましたか? 都市部の人は特に、バスや電車には日ごろお世話になっていると思います。田舎であっても、自家用車を持たない人にとって、バスは大切な移動手段ですよね。
そんな路線バス、全国を見渡すと、いろいろと個性的なルートがあります。
例えば、高速道路を走らない路線でありながら、走行距離が100kmを超えるようなケースもざらにあります。中でも最長の路線になると、県境をまたいで片道169.9kmにも達するから驚きです。
今回は、そんな日本最長の路線バス、近鉄大和八木駅(奈良県橿原市)とJR新宮駅(和歌山県新宮市)を結ぶ奈良交通の八木新宮線を紹介します。
全長169.9kmのルートを走る路線バス
奈良交通の八木新宮線は、奈良と和歌山の間を走ると紹介しました。和歌山県は、大阪や奈良から見たら南、紀伊半島の沿岸部にある美しい自治体です。
『街道をゆく』で司馬遼太郎さんが書いた、70もの山々に抱かれる山里・十津川村(奈良県)が半島の中央にあり、その南にある和歌山と三重へまたがる形で吉野熊野国立公園が広がっています。
奈良交通の八木新宮線は、近鉄大和八木駅(奈良県橿原市)から南下して、山中の十津川村や熊野本宮大社などを通過し、熊野灘に面した新宮を目指す全長169.9kmのルートを走ります。
1963年(昭和38年)の開業当初はもっと距離が長く、奈良の大仏前から新宮まで196.1kmを走ったと、時事通信社の取材で明らかにされています。
2022年9月時点で、途中のバス停の数は168。片道の所要時間は約6時間半、片道の運賃は通常だと6,730円、割引乗車券を使えば5,350円です。
かなり壮大なルートですよね。今でこそ道が整備され、車両も良くなっていますが、開業当初はパンクや土砂崩れが日常茶飯事だったようですね。
次の関西旅行で、ちょっと変わったぶらり旅が楽しみたいと思ったら、日本最長の運行距離を誇る八木新宮バスへの乗車を検討してみてはいかがでしょうか。世界遺産や国立公園をちょっと違った視点から楽しめるはずですよ。
[参考]
※ 八木新宮線 – 奈良交通株式会社
※ 長距離一般路線バス、トップ3は? どれも「乗り応え」抜群! 知られざるロングランバスも – 乗りものニュース
※ 日本一長い路線バス – 時事通信