バンジージャンプの発祥地
クィーンズタウンは2000m級の険しい山々が連なるリマーカブルズ山脈と、氷河が地表を削り取って作り出したU字の谷に、水が溜まったことで誕生した、ワカティプ湖を望む風光明媚なリゾートタウン。“ビクトリア女王が暮らすのにふさわしい美しい街”って、ずいぶん大きく出たなあと思いましたが、なるほど、そう言いたくなる気持ちもわかります。
山が間近に迫り、湖に面した街中はショップやホテル、レストランがコンパクトにまとまっていて、気軽に散策ができます。ほんの少しクルマを走らせれば、雄大な渓谷や牧草地が広がっています。夏はトレッキング、冬はスキーやスノーボード、トレッキングコースなど、雄大な自然をいかしたアクティビティにはこと欠きません。ちなみに、今では、世界中で楽しまれているバンジージャンプも、1988年に、ここクィーンズタウンで発祥したそうですよ。
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要するに、クィーンズタウンは、とーっても心が洗われる場所なんです。先住民マオリが「翡翠の湖」と呼んだワカティプ湖畔にある広場で、山々に抱かれながら、だらだら過ごすだけでもリフレッシュできるはず。夜明けの瞬間、街がピンク色に染まる美しさも筆舌に尽くしがたいものでした。夏には、ワカティプ湖で遊泳する人たちもいるそうです!
“おいしい”場所も盛りだくさん!
街中には、1日中、客足が絶えないグルメハンバーガーショップ(「ファーグバーガー」)があったり、郊外には、世界最南のワイン産地として知られるセントラルオタゴがあったりと、飲食の面でもさまざまな魅力を有しています。
パンデミック後、ニュージーランドが外国人観光客を受け入れ始めて、いちばん最初に人が戻ったのは、クィーンズタウンだったと聞いて、「なるほど~」と納得。
年間130万人以上もの人たちが訪れていた全盛期にまでは戻っていませんが、人気のレストランは、平日でも予約なしで訪れるのは難しいほど。地元の人たちも観光客も楽しそうに食事をしていました。
筆者が訪れたのは、スタイリッシュなステーキハウス「ボツワナ・ブッチャリー」。スタイリッシュな空間で、ニュージーランド産のビーフのほか、ラム肉や鹿肉など、存分に肉を食らいました(笑)。オークランドにもお店がありますが、本店はこちら。古い邸宅をリノベしていて雰囲気もとてもよかったです。
世界遺産の自然美を体感する!
クィーンズタウンまで来たら、ぜひ足を延ばしたいのが、世界遺産フィヨルドランド国立公園に位置する、ニュージーランド随一の景勝地ミルフォード・サウンド。氷河の侵食により作り出されたむき出しの山々の圧倒的な造形、そして、その山々が水面に映りこんでいる情景には目を見張ります!
ミルフォード・サウンドの自然美は、セスナでの遊覧飛行でもクルーズでも楽しむことができます。陸路だとクィーンズタウンの中心部から約6時間強。遊覧ツアーなら、現地での遊覧飛行を含めて90分から2時間ほどの所要時間となります(ツアーによる)。フライトとミルフォード・サウンドのクルーズがセットになった欲張りなプランもありますよ~。
今回、筆者は空からミルフォード・サウンドを堪能したのですが、手が届きそうな場所に雪山や氷河が迫る空中散歩、ひたすら口をあんぐり開けていました。天候の影響で、クルーズには参加できなかったのですが、氷河が時間をかけて創り出した自然美は、上から見ても、下から見てもすごいはずです(笑)。
「世界中の風景がある場所」
クィーンズタウンから見て、ワカティプ湖の北端のあたりは、劇場公開20周年を迎えた、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のロケ地。原生林の生い茂る森や荒々しい岩肌、静寂をたたえる湖は、ファンタジーの世界にぴたりとはまります。
『ロード・オブ・ザ・リング』や、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズやスピンオフ作品『ホビット』のロケ地をめぐるツアーもあります。なんでも、クィーンズタウンは、映画関係者のあいだでは、「世界中の風景がある場所」として有名なのだとか!
壮大にそびえ立つ山々と美しい湖に寄り添う、クィーンズタウン。そこは、つかの間、絵画の、あるいはファンタジー映画の登場人物になる、そんな体験ができる場所でした。
[All photos by kelly]