和のなごみを巧みに取り入れたホテルの中核となる「宙館」

2023年1月に誕生した「宙館（そらかん）」は、2025年完成予定の全面大規模リニューアルの中核となるフラッグシップ棟。優しい木のぬくもりに包まれたロビーは広々。一面ガラス張りの窓からは市街地はもちろんのこと、別府湾を眺望する眺め。

まずはフロントでチェックイン！　竹細工や和文様などがあしらわれた和モダンな雰囲気に心が和みます。

ココにも注目！　ロビーの壁面を彩るのは左官職人・久住有生氏によるアート作品。総延長約25mにも及ぶ圧倒的なスケールをもち、山々から吹き降ろす風が別府湾にたなびくさまをイメージしているんだとか。

ロビーに隣接したカフェ＆バーの壁面は、趣向の異なる石垣がアクセント。

鳥かごのような中でおこもりできる遊び心あるソファなども配され、客室に行く前など、ひと息つくのにぴったりなのです。

和モダン客室は素足で過ごしたくなる心地よさ

宿泊したのは、広さは約47～49平方メートルの「デラックス」。青海・森林・夕凪の3つのテーマカラーがあるのですが、今回はグリーン系の「森林」。靴脱ぎスタイルで楽しむことができ、天然木の板張りと絨毯の切り替えしなど、素足で過ごしても心地よい雰囲気。

和紙を思わせるナイトランプ、茶せんのようなウォールランプ、竹細工の壁面装飾など、和の穏やかな雰囲気がさりげなくデザインに取り込まれ、全米No.1ともいわれる、身体を優しく包み込み寝心地満点のサータ社のベッドが備わります。

全客室にバルコニーもあるのですが、安全面から外に出ることはできないのは残念。でも、別府湾や鶴見岳などの景観をたっぷりと楽しめますよ。

「デラックス」は、トイレ・洗面所・バスルームと3点独立タイプを採用。ダブルシンクも設けられ、使い勝手がいいです。

全部で5タイプの客室がありますが、琉球畳が配され、思わずほっこりしてしまいそうな「スタンダード」（一部シャワーブースのみ）な客室も、可愛らしくておすすめ。

ココでしか見ることができない海抜250mの絶景と天空温泉

「宙館」の最上階、13階にあるのは大パノラマが広がる「宙湯（そらゆ）」。ドラマチックな雰囲気漂う温泉エントランスを抜けると……

全長18mはあろうかという広々とした内湯が広がり、一面ガラス張りの大きな窓からは、別府市街を眼下に別府湾を見渡せます。

男性用にはドライサウナが備わり、ココからの眺めもスゴイ！　景色に見とれ過ぎないように整いましょう!!　もちろん水風呂も併設されています。

女性用にはミストサウナが。

その内湯の先にあるのが、「宙湯」の名をほしいままにする海抜250mの大露天風呂。

3段の棚湯になっているのですが、青空が映り込む湯面とその広さが手伝って爽快感は抜群。迫力ある鶴見岳の雄姿が迫り、右手には別府市街・別府湾が広がります。

女性の「宙湯」は、男性を凌ぐ!?　別府湾が真正面に広がり、水平線まで見渡せるヌケ感最高の眺め。別府市街を眼下に右手に高崎山を望みます。　

しかもこの「宙湯」は、「宙館」宿泊者専用になっているスペシャルな天空温泉。思う存分ゆったりと別府の湯を楽しめちゃいます。

地元の食材を使ったワンランク上のビュッフェ！　おすすめ料理ベスト3を発表!!

夕食や朝食も「宙館」宿泊者専用の「TERRACE＆DINING SORA」で。ビュッフェレストランなので、肩肘張らず、好きなものを好きなだけ楽しむことができます。

和洋中からなる料理は60種類に迫るレパートリーを誇り、大分産や九州産の食材を多く利用した地産地消スタイル。

寿司やステーキ、天ぷらなど、ライブキッチンが多いのも魅力で、食材や調理法にもこだわったワンランク上のビュッフェを楽しめます。

その中でも、スタッフのおすすめ第1位に輝いたのは、「牛モモ肉の塩釜焼き」。牛肉の旨みを余すことなく塩釜で閉じ込めた一品は、やわらかな肉にそのおいしさが凝縮。

外はこんがり、中のきれいな赤みが食欲をそそります。見つけたら即ゲットしてください！

第2位はスイーツから。自分で作る「あんみつ」です。器を手にしたらあんこや白玉はもちろんのこと、15種類ほどの具材が用意され目移りしそう。

フルーツ・ゼリー・豆花・ナツメの甘露煮・タロイモ団子など、“自分で作る”という動作が加わることで、料理をより一層おいしく、楽しめます！

第3位は、ちょっと地味かもしれませんが!?　「県産ステーキ 椎茸のグリル」。どうですか、この大きくて肉厚な県産シイタケ。食材そのものの風味をダイレクトに、食べ応えたっぷりの一品です。

目の前で作ってくれる「モンブラン」など、スイーツ類も豊富にそろっています。

※2023年2月現在、新型コロナウイルス感染症対策のためサービス体制や料理提供方法などが通常と異なることがあります

［Photos by ©︎tawawa］
 

わたなべ たい

TAI WATANABE ライター・エディター・ディレクター

10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌の取材を通じて、中南米・カリブ海を中心に世界各国で豊富な取材を経験。海外を見てきたからこそ日本は大好き！ 紙とWEB、ふたつの媒体特性に精通した複眼的視点を持っている。