3つの視点で月面開拓!
東京の観光地・お台場。「テレコムセンター」から徒歩約4分にある「日本科学未来館」では、2023年4月28日(金)~2023年9月3日(日)の期間、特別展「NEO 月でくらす展 ~宇宙開発は、月面移住の新時代へ!~」が開催されています。
2040年の長期滞在が実現した月を舞台に、月面の様子を地球に伝える「月面レポーター」、月面で働く「月面ワーカー」、月面を研究する「月面科学者」の3つの役割になりきって、それぞれの役割のパンフレットをもらってスタート!
月で水が発見されて、人類の宇宙進出も加速してきている近年。最新科学や技術を通して、月面での暮らしを体験し学べる注目の展覧会です。⽉でのくらしがわかる「⽉⾯基地ゾーン」(基地内)と「⽉⾯ゾーン」(基地外)の2つのゾーンに分かれています。
それでは、地球から月に向かっていざ出発!
月面生活の拠点を探険「月面基地ゾーン」
月面基地ゾーンの真ん中に浮かぶ、美しい月のモニュメント。地球から月までの距離は約38万km、月の直径は約3,476km(地球の約4分の1)、重力は地球の約6分の1。ほとんど大気がなく、昼は110℃、夜は-170℃と寒暖差が激しい月。
昔話の『輝夜姫』や月にはうさぎが住んでいるという伝説があったり、海の満ち引きが月の引力に影響を受けていたりと、日本人は昔から不思議な力をお月さまに感じていますよね。
そんな月を科学的な視点から見ていく「月面ラボ」。エネルギー研究室や水資源研究室など、未来の宇宙開発や月について、最先端科学技術やプロジェクトを通じて学べます。
月面の地表を覆っている、白く見える「明るい斜長岩」と黒く見える「玄武岩」の2種類の岩石や鉱物資源などを分かりやすく展示。
世界で初めて月の裏側の撮影に成功した、ソビエト連邦(現・ロシア)の無人月探査機「ルナ3号」。ゲーム感覚で、ルナ3号が発見した月の裏側の海とぴったり重なる地形を見つける体験も。
ゴム手袋をはめて、月の砂「レゴリス」の触感を体感。45億年かけてふりそそぐ隕石によって岩石が細かく砕かれてできたと考えられる「レゴリス」。小麦粉程の大きさで、宇宙飛行士の足跡がつくほどサラサラですが、元は固い岩石なのでガラス片のように光っているのだそう!
月の砂「レゴリス」を改良した土壌で野菜を育てる研究も検討中。これには、筆者も興味津々!
そこから繋がる「月面食材」の展示。人の排泄物や生ごみを再利用し、太陽光ではなくLEDの光を使って、水耕栽培で作物やユーグレナなどの藻類を育てるというものです。現在は、肉類は、牛・鶏・魚などの細胞を採取し培養して、月面食材の研究も進んでいるそうです。
「月面食堂」には、そんな月での限られた食材と調味料で作られたメニューのサンプルを展示しています。「月産イチゴ」「月産ジャガイモ入りキーマカレー」「クロレラマヨネーズ」など、読んで楽しいメニュー。写真撮影も楽しい食堂です!
宇宙食や日用品が展示されている「月面コンビニ」。水が基調で、昼夜の気温差が200℃以上ある月面。寝汗を吸収する暖かい宇宙ウェアや宇宙靴下、すすぎが簡単な新型歯磨き粉、水を使わない洗髪シートなど、月面生活で必要となるアイデア商品の数々にはびっくり!
遠隔操作して月面に落ちている隕石(小惑星の欠片)を集める「隕石回収ミッション」も、年齢制限なしで誰でも体験できます(小さなお子さまは要付き添い)。体験時間は4分間。なんと、月の隕石の落下速度は弾丸より早いそうです!
月の開拓ミッションに挑める⽉⾯ゾーン
次は「⽉⾯ゾーン」へ進んでみます。⽉から眺める青い地球や、⽉の砂「レゴリス」に覆われた⽉の表面を再現したエリア。VRゴーグルを装着して月面プラントを見に行くVR体験(13歳未満は体験不可)や、スコップで月の砂「レゴリス」に埋もれた水資源を回収する体験もあり。全て遂行してほしい貴重な体験ばかりです!
2022年12月、民間企業が世界初の月面着陸に挑戦した「HAKUTO-R」の「ランダー(⽉着陸船)」と「ローバー(⽉⾯探査⾞)」の実⼨⼤模型が展⽰されています。今回の月面着陸は叶わなかったものの、2024年、2025年のミッションに向けて挑戦は続きます。まさに進行中である月面探査プロジェクトの展示のリアル感には感激しました……。
ぜひとも体験してほしいのは、地球の6分の1という月の重力を疑似体験できる「月面重力体験ミッション」(別途・税込500円/6〜65歳/身長120cm以上・体重22〜60kg)。
体験前に身体測定をして、ハーネスが付いた宇宙服に着替えて挑戦! 膝を曲げて、上へまっすぐ飛びます。踏み込む力次第で、ふわぁ〜っと高く跳ねあがり、トランポリンとは全く違うジャンプ感。手足を広げて、月に降り立った気分で、約5分間の独特の浮遊感を楽しんでみてください!
JAXA・タカラトミー・ソニーグループ・同志社大学の共同開発によって生まれた「SORA-Q(ソラ‐キュー)」。着陸機から球体のまま放出され、月面を走行し、搭載されたカメラで着陸機や周囲を撮影する超小型の変形型月面ロボットです。「HAKUTO-R」の月着陸実証機「SLIM(スリム)」に乗って、実際に月へ行く予定でした。
「月面探査機撮影ミッション」では、「SORA-Q」を操作してSLIMを撮影するという、実際、月面で行われるミッションに近い体験ができます。スタッフさんから手渡されるスマートフォンを操縦し、ミッション遂行! SORA-Qは、胴体の左右が一緒に動く「バタフライ走行」と、別々に動く「クロール走行」の2パターンで走ります。
SORA-Q視点のカメラ映像をスマートフォンの画面で見ながら、月面探査機を目指して操縦。最初は操縦に慣れず、同じところをグルグル回ったり、後退したりと、なかなか難しいですが、少しコツを掴むと楽しい! 画面にSLIMを入れて、ここだ! と自分が思うポジションで写真撮影をしてミッション終了。
年齢制限なしで誰でも体験可能(小さなお子さまは要付き添い)。体験時間は約5分。ロボット好きさんには体験してほしいおもしろさ。操縦をしたら実際にほしくなりました!
HP:https://www.takaratomy.co.jp/products/sora-q/
帰還トンネルを抜けて、月面ミッションは終了。地球へ帰りましょう。
会場限定グッズがたくさん
帰還トンネルを抜けたら、物販エリアへ。お菓子や雑貨、文具、学習グッズなど、いろいろな宇宙グッズがあって、ここでもワクワクが止まりません!
展覧会オリジナルのトートバッグや、宇宙のイメージをプリントしたTシャツも多数そろっています。
「月へ行ってきました!」と自慢したくなる、展覧会限定のアクリルキーホルダー。
展覧会限定「ささかまつき仙べえ」。満月のように大きな手焼きのお煎餅はインパクトも大!
宇宙関連のカプセルトイも大集結!
宇宙をモチーフにしたオシャレグッズや、『小学館の図鑑 NEO』とコラボした商品も。年齢や男女問わず、自分用やお土産用にしたくなるグッズがたくさん!
大人まで夢中にさせる「NEO 月でくらす展」。屋内なので、梅雨時期のおでかけスポットにもぴったり。神秘に満ちた、果てしない宇宙の謎が少しずつ明かされてきた2023年。未来の子どもたちのためにも、ボーダーレスに地球人として世界中が手を取り合う時代だと感じた、宇宙へのロマンも広がる体験でした!
会期:2023年4月28日(金)~2023年9月3日(日)
会場:日本科学未来館
住所:東京都江東区青海2-3-6 1階 企画展示ゾーン
休館日:火曜(5月2日、7月25日~8月29日の火曜日は開館)
税込料金:大人(19歳以上)2,400円、18歳以下(小学生以上)1,700円、未就学児(4歳以上)1,100円
※3歳以下は無料、障害者手帳を持参の方・付き添い人は1名まで無料
※常設展も観覧可(ドームシアターは別料金・要予約)
※混雑状況により入場整理券の配布・入場規制の場合あり
問い合わせ:050-5541-8600(9:00~20:00/2023年9月4日まで)
03-3570-9151(開館日の10:00~17:00)
交通:新交通ゆりかもめ「テレコムセンター駅」から徒歩約4分、「東京国際クルーズターミナル駅」から徒歩約5分
本展公式サイト:https://tsukidekurasu.com/
[all photos by kurisencho]