130匹以上のコアラを飼育する世界最古の保護区では抱っこもOK!【旅に関する面白いギネス記録】

Posted by: 坂本正敬

掲載日: May 13th, 2023

1955年に書籍から始まった「ギネス世界記録」。人間が達成した記録や、自然界で起きた「世界一」など、さまざまな世界記録を認定・登録しています。その中から、旅行に関するギネス世界記録を紹介していきます。今回は、オーストラリア旅行のハイライトのひとつにもなるコアラ観察の世界一について紹介します。

オーストラリアのコアラ
 


 

130匹以上のコアラを1カ所で飼育


突然ですがコアラを今までに、どこかの動物園で生で見た経験がありますか? 筆者の最初の思い出は幼稚園のころ。東京の多摩動物公園に遠足で出かけ、大人たちの人だかりの向こうに、ガラス越しに一瞬だけコアラを見た記憶があります。

小学館『日本大百科事典』によると、オーストラリアから日本に初めてコアラがやってきた時期は1984年(昭和59年)10月。

飼育が始まった国内の動物園は、東京都多摩動物公園、名古屋市東山動植物園、鹿児島市平川動物公園とされていますから、コアラが来て間もない時期に見ていた計算になります。


日本動物園水族館協会によると現在、コアラを飼育している動物園は日本に7カ所。国内全体の飼育数は約60匹で、平川動物公園が最多の飼育頭数を誇ります

同園に展示中のコアラは17匹(2023年5月12日時点)。そのほかに、貸し出し中のコアラもいますので、たくさんのコアラを見たいと思えば、平川動物公園が国内では、有力な選択肢になります。

しかし、コアラの母国であるオーストラリアの場合は飼育数もけたが違ってきます。

例えば、飼育頭数の多さと歴史の長さで世界一を誇り、ギネス世界記録にも登録される「ローンパイン・コアラ・サンクチュアリ」の場合、130匹以上のコアラを1カ所で飼育しています。

世界最古のコアラ保護区

オーストラリア・ブリスベン「ローンパイン・コアラ・サンクチュアリ」
©️EQRoy / Shutterstock.com

ローンパイン・コアラ・サンクチュアリとは、オーストラリア北東部クイーンズランド州の州都ブリズベン郊外にあるコアラ園で、1927年(昭和2年)に2匹のコアラと共にスタートした歴史があります。

以後、世界最古にして世界最大のコアラ園(コアラ保護区)に成長し、ギネス世界記録にも「Oldest koala sanctuary(世界最古のコアラ保護区)」として認定されているのですね。


入園料と別途の費用を支払えばコアラを抱っこできる

もともと、クイーンズランド州出身の創業者、クロード・リードさんが、毛皮の取引で乱獲される固有種のコアラを守ろうとして始めた施設だそうです。

コアラを筆者も同園で抱かせてもらいましたが、その密度の高い体毛は羊毛のような手触りがあり、乱獲の対象になった理由が残念ながらわかる気がしました。特定の種類のユーカリしか食べないコアラらしく、体臭もユーカリのにおいがします。

同園では、各種の制限が課されるものの、コアラとの触れ合いを通じて、さまざまな学びが得られます。その上に、個体数が多いので、自分のペースで思う存分、コアラを観察できます。

この夏に向けて、旅先をどこにしようか迷っている人は、オーストラリアのブリズベンを訪れ、ギネス世界記録にも認定されるローンパイン・コアラ・サンクチュアリに足を運んでみてはいかがでしょうか?

一緒に記念撮影もできるので、一生の思い出になるはずですよ。


園内には、カンガルーと触れ合えるコーナーも

[参考]
動物を探す – 日本動物園水族館協会
How We Started… – Lone pine Loala Sanctuary
ローンパイン・コアラサンクチュアリ – 地球の歩き方
Oldest koala sanctuary – Guinness Wortld Records
多摩動物公園の見どころ – 多摩動物公園
平川動物公園50年 <2> コアラ飼育数日本一に – 読売新聞
コアラ紹介 – 鹿児島市平川動物公園

[写真・坂本正敬]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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