世界で最も標高の高い場所にあるロープウェイ
今まで、ロープウェイに乗った経験はありますか? 筆者の場合は、富山に暮らしているので、黒部ダムに行くために乗ったロープウェイが一番印象に残っています。その次といえば、箱根山の芦ノ湖へ行くためのロープウェイでしょうか。
岩波書店の『広辞苑』によると、ロープウェイとは主に山岳地方で用いる設備と書かれています。
その定義どおり、黒部ダム、箱根山のロープウェイはどちらも標高の高い場所にあります。しかし、世界には上には上が存在していて、世界で最も標高の高い場所にあるロープウェイ駅は、富士山の頂上よりも高い場所にある様子。
一体、どこの国のどの程度の標高に、ロープウェイ駅があると思いますか?
4,843mにあるロープウェイ駅
ギネス世界記録の公式ホームページによると、世界で最も標高の高いロープウェイの駅(Highest passenger ropeway station)は、標高4,843mにあると書かれています。
ロープウェイのある場所は中国の四川省で、アパ(阿壩)チベット(蔵)族チャン(羌)族自治州の達古氷河にあるそう。
アパ(阿壩)チベット(蔵)族チャン(羌)族自治州とは、中国四川省の西、インドの北、パミール高原の東に広がるチベット高原の東の端にある高冷地にあり、標高3,800mから5,100mのエリアには達古氷河が確認されています。
世界で最も新しく発見された氷河との情報もあり、最も低い緯度、大都市から最も近い氷河として1992年(平成4年)に発見されたそう。
その氷河を気軽に楽しめるようにロープウェイが設けられ、緑の豊かな標高3,617mの地点から、森林限界を超えた雪深い4,843mの地点まで、全長3kmの距離を一気に移動可能になっています。
頂上の駅はとても寒く、空気も薄くて、高山病になる旅行者もいるそう。そのため、酸素ボンベが配布され、プラスで、自前の酸素ボンベの持参を推薦する旅行経験者も旅行評価サイトに見られます。
最寄りの大都市は、四川省の省都・成都です。近くには、ジャイアントパンダの生息地である四姑娘山(しこじょうさん)もあります。
ロープウェイ駅の2階には「世界で最も孤独なカフェ」といわれる飲食店もあるとの話。中国の内陸部を旅する場合はぜひ、旅の目的地の1つに検討してみてくださいね。
[参考]
※ Highest passenger ropeway station – Guinness World Records
※ Dagu Glacier – Youngest Glacier & Closest to the City – China Discovery
※ 春節連休中、四川省の観光客数が中国トップに – CNS
※ 雲と霞がたなびく絶景の達古氷河 四川省 – CRI online
※ 雲と霞がたなびく絶景の達古氷河 四川省 (5) – 人民網
※ アバ・チベット族チャン族自治州自然・文化遺産特別展 – 人民中国
※ 壮大な達古氷河に冬の訪れ 四川省 – AFP
※ agu ! Cable car ride !! world’s highest cable car #cableway, china city – Chops & Pups
[All photos by Shutterstock.com]