標高4,843m!世界一高いロープウェイ駅は富士山よりも高所の氷河にあった【旅に関する面白いギネス記録】

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jun 17th, 2023

1955年に書籍から始まった「ギネス世界記録」。人間が達成した記録や、自然界で起きた「世界一」など、さまざまな世界記録を認定・登録しています。その中から、旅行に関するギネス世界記録を紹介していきます。今回は、世界で最も標高の高いロープウェイの駅を紹介します。

中国・達古氷河
 


 

世界で最も標高の高い場所にあるロープウェイ

中国・達古氷河のロープウェイ
今まで、ロープウェイに乗った経験はありますか? 筆者の場合は、富山に暮らしているので、黒部ダムに行くために乗ったロープウェイが一番印象に残っています。その次といえば、箱根山の芦ノ湖へ行くためのロープウェイでしょうか。

岩波書店の『広辞苑』によると、ロープウェイとは主に山岳地方で用いる設備と書かれています。

その定義どおり、黒部ダム、箱根山のロープウェイはどちらも標高の高い場所にあります。しかし、世界には上には上が存在していて、世界で最も標高の高い場所にあるロープウェイ駅は、富士山の頂上よりも高い場所にある様子。

一体、どこの国のどの程度の標高に、ロープウェイ駅があると思いますか?

4,843mにあるロープウェイ駅

中国・達古氷河のロープウェイの景色
ギネス世界記録の公式ホームページによると、世界で最も標高の高いロープウェイの駅(Highest passenger ropeway station)は、標高4,843mにあると書かれています。

ロープウェイのある場所は中国の四川省で、アパ(阿壩)チベット(蔵)族チャン(羌)族自治州の達古氷河にあるそう。

アパ(阿壩)チベット(蔵)族チャン(羌)族自治州とは、中国四川省の西、インドの北、パミール高原の東に広がるチベット高原の東の端にある高冷地にあり、標高3,800mから5,100mのエリアには達古氷河が確認されています。

世界で最も新しく発見された氷河との情報もあり、最も低い緯度、大都市から最も近い氷河として1992年(平成4年)に発見されたそう。

その氷河を気軽に楽しめるようにロープウェイが設けられ、緑の豊かな標高3,617mの地点から、森林限界を超えた雪深い4,843mの地点まで、全長3kmの距離を一気に移動可能になっています。

頂上の駅はとても寒く、空気も薄くて、高山病になる旅行者もいるそう。そのため、酸素ボンベが配布され、プラスで、自前の酸素ボンベの持参を推薦する旅行経験者も旅行評価サイトに見られます。

最寄りの大都市は、四川省の省都・成都です。近くには、ジャイアントパンダの生息地である四姑娘山(しこじょうさん)もあります。

ロープウェイ駅の2階には「世界で最も孤独なカフェ」といわれる飲食店もあるとの話。中国の内陸部を旅する場合はぜひ、旅の目的地の1つに検討してみてくださいね。

[参考]
Highest passenger ropeway station – Guinness World Records
Dagu Glacier – Youngest Glacier & Closest to the City – China Discovery
春節連休中、四川省の観光客数が中国トップに – CNS
雲と霞がたなびく絶景の達古氷河 四川省 – CRI online
雲と霞がたなびく絶景の達古氷河 四川省 (5) – 人民網
アバ・チベット族チャン族自治州自然・文化遺産特別展 – 人民中国
壮大な達古氷河に冬の訪れ 四川省 – AFP
agu ! Cable car ride !! world’s highest cable car #cableway, china city – Chops & Pups

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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