【実はこれが日本一】鉄道ファンなら知っている!?最も名前の短い駅はどこ?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jun 20th, 2023

日本一高い山は「富士山」、日本一大きな湖は「琵琶湖」、日本一高いタワーは「東京スカイツリー」など、有名な日本一はいろいろありますが、あまり知られていない、ちょっと意外な日本一を紹介するシリーズ「実はこれが日本一」。今回は、駅名に関する日本一を紹介します。

津城跡(お城公園)藤堂高虎像
 


 

日本で最も呼び名の短い駅

JR津駅
©️icosha / Shutterstock.com

皆さんの最寄り駅の名前はなんでしょう? 筆者の場合は富山駅です。漢字表記だけを見れば2文字、読み方は「とやま」なので3文字でしょうか。

この駅名、表記でも読みでも日本一短い駅が存在するのですが、どこかご存じでしょうか? 筋金入りの鉄道ファンには有名な話ですが、旅好きの人が多いTABIZINE読者であっても、わからない人が意外に多いのではないでしょうか。

ヒントは、中部地方にあります。三重県です。三重県の自治体をいくつか、思い浮かべてみてください。三重県といえば、どの自治体を思い浮かべますか?

鈴鹿だとか四日市だとか伊勢だとかが真っ先に思い浮かぶはず。熊野を連想する人もいるかもしれません。当然、県庁所在地の津市を思う人も多いでしょう。

日本で最も呼び名が短い駅は、実は今挙げた自治体のどこかにあります。1889年(明治22年)に、日本で初めて市になった全国30市の1つに入る津市です。

駅名は「津駅」。表記的にも読み方的にも1文字で、日本で最も呼び名の短い駅とされているのですね。

音まで一文字の駅

JR津駅のホーム
©️icosha / Shutterstock.com

そもそも津駅の「津」とは、どういう意味なのでしょう。

各種の辞書や百科事典を調べると「津」とは、もともと船着き場を意味するそう。漢字の語源的には、水が少なく、尽きようとして垂れている場所、湿った浅瀬という意味から、浅瀬の船着き場という意味になったようです。

もともと、三重県の津市は、日本三津の1つとして栄えた歴史があり、室町時代には明(現在の中国)との貿易でにぎわいました。

そのころの津市は「安濃津」と言われていたそうで「安濃」が次第に省略され、現在の名前になっていったのですね。

その津市に、津駅ができた時期は1891年(明治24年)です。四日市から、滋賀県の草津まで開通していた鉄道が南へ延びる形で支線をつくり、津駅が開業したのですね。

その津駅には、時とともに乗り入れが増え、現在ではJR東海、近畿日本鉄道、伊勢鉄道が走っています。

初期の駅舎は木造で、何度かの建て替えを経て現在の姿になりました。しかし、駅名そのものは開通当初から変わっていません。

もちろん、全国各地には漢字一文字の駅はいくつも存在します。しかし、音まで一文字の駅名は津駅だけ。言い換えると、誕生から現在に至るまで、ずっと日本一の座を守り抜いているのですね。

三重県まで旅行に出かける際には津駅に立ち寄って、津駅の名前がわかる場所で記念撮影してみてはいかがですか?

[参考]
日本で最も短い駅名 – 日本記録
日本一短い駅名は津駅。それでは、日本一長い駅名は? – 時事通信
市の概要 – 津市
津駅開業130周年
【駅名 07】一文字の駅名 竹 髙 里 – 鉄道チャンネル

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

SHARE

  • Facebook