【実は日本が世界一】宇宙開発で世界に誇れる数々の偉業!はやぶさ・はやぶさ2・種子島宇宙センター

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jul 26th, 2023

日本にいながら、意外と知らない日本の「世界一」。いつも何気なく目にしているものから、知られざる自然の世界、そして努力や技術の賜物まで、日本には世界に誇れる「世界No.1」がたくさんあるんです。そんな「実は日本が世界一」、今回は、日本の宇宙開発が誇る世界一の記録をいくつか紹介します。


Pavel Hrdlička, Wikipedia, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
 


 

小惑星探査機『はやぶさ』の偉業


江戸村のとくぞう, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

日本の宇宙開発はどの程度、世界で優れていると思いますか? 『小学館の図鑑NEO まどあけずかん うちゅう』を見ると、代表的な宇宙ロケットはロシア、アメリカ、中国、日本がつくっているとわかります。

宇宙飛行士を何人も輩出し(世界第4位)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の運営する拠点も種子島にあります。民間の宇宙開発の企業も存在すると考えると、日本も世界の宇宙開発の重要な一翼を担う立場だと言えるはずです。

現に宇宙開発の分野で、日本が世界一の偉業を達成し、ギネス世界記録に認定されているケースも存在します。例えば、小惑星探査機『はやぶさ』の偉業です。

『はやぶさ』は、小惑星に着陸し、天体のサンプルを回収して地球に帰ってくる探査機として2003年(平成15年)に打ち上げられました。小学館『日本大百科全書』によると2005年(平成17年)に、世界初の偉業として小惑星イトカワへの軟着陸に成功しています。

その後、2010年(平成22年)に地球に帰還するわけですが、小惑星の粒子を帰還時に採集し持ち帰ってきたため、その快挙も世界初となりました。

それら一連の偉業を通じて「First spacecraft to lift off from an asteroid」「Farthest sample-and-return mission」「First materials returned from an asteroid」といった複数のギネス世界記録を達成しています。

日本語にすると、「小惑星から初めて離陸した宇宙飛行体」であり、「サンプルを採取して帰還するミッションとしては世界最長の距離を往復」し、「持ち帰った粒子のサンプル自体も、小惑星から地球に持ち込まれた世界初の物質」になります。

『はやぶさ』の名前は誰もが知っていると思いますが、これほどすごいミッションだったとは驚きですね。

ロケット組立棟の扉の大きさも世界一


江戸村のとくぞう, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

その大成功に続く2機目の『はやぶさ2(ツー)』も、ギネス世界記録を残しています。記録名は「Most probes landed on an asteroid」です。日本語にすると「最も多くの無人観測宇宙船を小惑星に着陸させた」といった感じでしょうか。

『はやぶさ2(ツー)』には3つの小型機が搭載されていました。それら全てを分離させ、小惑星リュウグウに着陸させる予定でした。

残念ながら、3つの小型機のうち、MINERVA-II2という小型機は予定していた探査が実現できなかったそう。

しかし、残りの2つの小型機は着陸に成功します。そのうち1つの小型機(MINERVA-II1)には、探査ローバー1Aと探査ローバー1Bが2つ搭載されていました。

言い換えると、計3つの無人観測宇宙船が小惑星に着陸し、その数の多さが世界一となったのですね。

もちろん、この『はやぶさ2』も、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発・運用する小惑星探査機です。


実は、そのJAXA(宇宙航空研究開発機構)の運営する種子島宇宙センターのロケット組立棟の扉の大きさも、ギネス世界記録に認定されています。

川崎重工がつくったその巨大なドアは、高さ67.46m、横幅26.95m、厚さ2.5m、重さ400tというサイズです。高さ60mを超えるとマンションも「超高層マンション」と呼ばれるようになります。要するに、超高層マンションくらい巨大な扉です

こうやって調べてみると、日本の宇宙開発の分野には、世界一の記録がたくさん存在するとわかります。そのすごさを体感するためにも、鹿児島旅行の際には種子島にも立ち寄り、種子島宇宙センターを見学したいですね。

[参考]
Largest sliding doors – Guinness World Records
Most probes landed on an asteroid – Guinness World Records
First spacecraft to lift off from an asteroid – Guinness World Records
First materials returned from an asteroid – Guinness World Records
Farthest sample-and-return mission – Guinness World Records
探査機はやぶさギネス認定 小惑星から物質回収 – 産経ニュース
リュウグウにアミノ酸23種、はやぶさ2が持ち帰った石と砂で確認…生命の宇宙到来説を補強 – 読売新聞
小惑星探査機はやぶさ2 – ファン! ファン! JAXA!
「はやぶさ2」の小型機「MINERVA-II2」に不具合 – AstroArts
これまでに宇宙に行った人は何人いるのですか – JAXA
[画像:Wikipedia

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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