史上初「東京ばな奈工場見学」ツアーイベント開催
アニメやアイドル、ご当地の食べ物など「推し(好きなこと・モノ)」に接するリアルな体験ができる「推し旅」を提案するJR東海のキャンペーン「推し旅アップデート」。今秋、東京土産の定番「東京ばな奈」が、この「推し旅アップデート」とコラボして、“「東京ばな奈」ブランド史上初”となるファンイベント『【工場初潜入!】東京ばな奈の秘密「見ぃつけたっ」』を開催しました。
公式サイト:https://recommend.jr-central.co.jp/oshi-tabi/
本ツアーの一般応募総数は、なんと3,436名! JR東海が企業とコラボした「推し旅アップデート」の中では過去最高の応募者数だったそう。倍率572倍の中から抽選で選ばれし6名の“「東京ばな奈」推し”の方々が参加し、埼玉県小手指にある関係者以外入ったことのない工場を初訪問。
社員さんによる商品の開発秘話や裏話を聞けて、東京ばな奈の手作り体験や一部工場の見学もできたりと、全てが“初”だらけの3時間。2023年9月30日(土)に決行したツアーに筆者も同行したので、盛りだくさんの内容をギュッと凝縮してお伝えます!
東京ばな奈の豆知識
1991年(平成3年)11月22日(金)、“新しい時代の東京みやげ”として誕⽣した『東京ばな奈「見ぃつけたっ」』。 ふわふわのスポンジ生地の中に、バナナカスタードクリームを詰めた生菓子です。季節限定の味、動物柄やキャラクターとのコラボなど、味やデザインを変えながら30年以上も愛されています。
制服姿の社員さんによって「東京ばな奈講座」がスタート。お馴染みの販売員さんの制服も、羽田空港や東京駅一番街「東京ばな奈s」の制服も可愛らしい。10問のコアなクイズを挟みながら講座は進行し、会場は大盛り上がり!
歴史を学ぶ
東京・阿佐ヶ谷が発祥の「東京ばな奈」。当時は「銀のぶどう」のブランド名でケーキをメインに百貨店で販売していたところ、お土産スポットから出店の誘いがあったことで、東京土産の開発が始まりました。
その頃、浅草「雷おこし」などのお土産がありましたが、お土産と言えば“各都道府県が地域の特産物を使ったもの”ということで、「東京らしさとは何か?」というテーマ探しが難しかったそう。
ちょうどバブル期であり、「東京らしさ=全国から人が集まる東京」という点に注目。「毎日のおやつにしたくなる。そして、親しみと懐かしさが求められる時代が来る」と確信し、構想から2年後の1991年に『東京ばな奈「見ぃつけたっ」』は誕生しました。
老若男女に喜ばれる味としてバナナを採用し、バナナピューレを裏ごしし、自然なバナナ風味を生かしたカスタードクリームに仕上げています。スポンジ生地も一旦焼いて、クリームを入れて蒸すことでソフトな食感に。冷却・包装を経てお店へ届きます。
東京らしさを表す名前
今では鉄板の「東京〜」という土産名も、当時はほとんどなかったので、商品名の候補には「バナナ物語」も上がったそうです! 愛着がある女の子をイメージしたお菓子なので、当時の女の子の名前で人気の「奈」の漢字をつけて「東京ばな奈」と命名。女の子の設定なだけに、実は、パッケージのバナナの絵も、味によってカラフルなリボンを着けています!
当時、「東京土産に「東京ばな奈」いかがですか?」という呼び込みと、銀のぶどうの百貨店で培ってきた丁寧な接客が口コミで広まって東京土産の定番に。今でも、東京駅・羽田空港など各所で販売され、東京土産として常に上位にランクインしています。
こちらは、1991年12月26日日付の新聞広告の資料。昭和と平成の転換期に現れた「東京ばな奈」。東京を訪れた人たちもお土産選びに胸を躍らせたことでしょう。
当時の開発企画書も見せてくださいました。商品の詳細、アレンジメニュー、キャッチコピー、店舗デザインに至るまで細かく提案が書かれた大変貴重な資料。ツアー参加者のみなさんからも「おぉ~!」と感嘆の声が漏れておりました。封筒だけ撮影しましたが、丁寧な手書きの墨文字からも熱量を感じます…!
史上初世界初「東京ばな奈」手作り体験
みなさんのお楽しみ、手作り&できたて試食タイムへ! 東京駅一番街「東京ばな奈s」で販売している「伝説のカレーパン」と同じエプロンを着てスタンバイ!
新商品の開発をしているテストキッチンで、1人3個ずつ作りました。持ち帰りはできないので、その場でできたてをいただきました。
まず、焼きたての生地を熱いうちに、ばな奈型の鉄カップに優しく押し込んで敷いていきます。重さをまったく感じないほど、軽くてやわらかい!
バナナカスタードクリームを型の8分目程まで絞り入れます。なめらかなクリームなので、押し出す力加減が難しかったです! ここから先は難しい工程なので職人さんが仕上げてくださいました。
焼きと冷却を経て完成! お店で販売されているものと同じきれいな薄色で、ふわぁ~とバナナクリームの香りが漂っていました。
トンッと型から外すと、参加したみなさんからも「わぁ〜!生まれた~!」という歓喜の声がいっぱい聞こえ、みなさん記念撮影も楽しそうでした!
コロンとふくよかな、今日だけの特別な、私だけの『東京ばな奈「見ぃつけたっ」』!
食べるのももったいないくらい愛着もわいてくるものです。記念撮影用のシートも用意してあって、思い出作りもばっちり!
ほわぁっと割ったら、クリームはとろ〜んととろけて、ツヤツヤプルンプルン! バナナがまろやかで優しい味わいのカスタードクリーム。そして、生地も軽やかで風味がよく、これだけでも食べたくなりました。
せっかくなので、店頭販売のものとも食べ比べ。こちらもクリームがなめらか。時間をおいている分、スポンジとの一体感がグッド! 後日、店頭販売のものは自宅で少し温めたら、できたてクリームのプルン感に少し近づきました!
『東京ばな奈「見ぃつけたっ」』は生菓子なので、賞味期限は約7日間。このフレッシュなおいしさを閉じ込めるために、衛生管理と包装技術にも特化しています。新しい原材料や技術なども積極的に取り入れて改良し、30年以上味を守り続けています。
“仕込みから包装掛けまで”の一連の流れを映像で学べ、実際に重要な最後の一仕事“包装工程”も見学。お菓子はベルトコンベアーに乗って次々と流れ、しっかり人間の目でチェックして製造。撮影不可なので目に焼き付けてきました。
講座の最後には、なんと「東京ばな奈博士」認定証の授与も! 本ツアーに参加した6名の「東京ばな奈」推しのみなさんにとって素敵な1日となったことでしょう!
いろんな味も続々登場!
1998年に「東京ばな奈ワールド」が誕生したことで、パイやゴーフレットなどお菓子の幅も広がって、2023年9月時点で157種類もの商品が登場しています! その歴史にもふれながら、最後に一部をご紹介。
2012年、東京スカイツリーのソラマチにオープンした時に、初めて「動物柄」を取り入れました。1番最初は、当時流行っていた「豹柄」(写真ディスプレイ上段)でした!
2017年、上野動物園のパンダが誕生したことを機にパンダ柄(写真ディスプレイ下)が登場。その後も、花柄やラッコ柄、コラボしたキャラクター柄などと様々に現れてファンを楽しませてくれています。絵柄はプリント量産型ではなく、スポンジ生地に刷り込んでいるので手間がかかっています。
東京ばな奈の販売員さんに1番人気の「東京ばな奈のレーズンサンド」(4個入税込702円〜)。ほんのりバナナが香るホワイトショコラクリームとラムレーズンをクッキーでサンドしています。
(左下)東京駅・品川駅・新横浜駅限定「東京ばな奈「見ぃつけたっ」ブリュレタルト」(5個入税込842円〜)。バナナカスタード風味のクリームとカラメルソースをバナナ型チョコタルトにいれてブリュレしています。
(右)国際空港限定(成田空港・羽田国際空港第3ターミナル)「東京ばな奈ワールド×伊藤久右衛門 お抹茶ケーキ」(8個入税込1,404円〜)。京都・伊藤久右衛門とコラボして、宇治抹茶とミルクの2種のクリームを宇治抹茶のスポンジ⽣地で包んでいます。
(下)スポンジ生地に国産米粉を使ったグルテンフリータイプ「米粉だよ!東京ばな奈もちふわ バナナカスタード味、『見ぃつけたっ』」(4個入税込648円〜)。なんと絵柄は全部で25種類もあります!
(右)特製バナナバターを練りこんだクッキー「東京ばな奈のチョコバナナクッキー(スイートチョコバナナ味・ホワイトチョコバナナ味)」(6個入税込745円〜)。
(左)「カルビープラス」とコラボしたJR東京駅構内グランスタ東京限定「Calbee+×東京ばな奈 じゃがボルダ(鰹と昆布のうまみだし味)」(4袋入税込993円)。東京・広尾の和食の名店「広尾 小野木」監修の“進化系”ポテトチップスです。
これからもチャレンジは続く
グッズやカプセルトイも販売し、毎年夏のコンテストや“11月22日の東京ばな奈の誕生日”にはSNSでキャンペーンを行ったり、今回ツアーを初開催したりと、今でもいろんなチャレンジが続いています。
本ツアーの抽選の倍率や、各お土産処で行列を成していることからも、東京土産として愛され続けている理由を実感しました。ちなみに、最近では、韓国のK‐POPアイドルが日本のお土産として紹介し、韓国のトレンドにも入るほど海外でも喜ばれているようです。
歴史を振り返れたことも大変貴重なので、小規模でもいいので第2回ツアーがあることを願います!
[all photos by kurisencho]