北海道陸別町はなぜ日本一寒い?
陸別町は、周辺を小高い山と森林に囲まれた盆地にあるため、冬は厳しい寒さになります。冬のよく晴れた朝には放射冷却現象によってマイナス30℃を下回ることもあり、最低気温を記録する日が日本で一番多いことから「日本一寒い町」として全国的に有名になりました。2000年1月には下陸別でマイナス37.7℃を記録(公式記録ではアメダスでマイナス33.2℃)しています。
しかし、比較的雪が少なく風も弱いので、日中は穏やかに感じられます。また、晴天率が高く、寒冷な気候が創り出す澄み切った夜空は天体観測に適しており、「星空にやさしい街10選」にも選ばれました。日本国内では珍しいオーロラ観測にも成功しています。
日本一の寒さを耐寒しよう!「しばれフェスティバル」
1982年に始まった“日本最寒”のお祭り「しばれフェスティバル」は、毎年2月の第1土曜日・日曜の2日間にわたって開催されます。年々知名度が上がり、全国から1万人以上も来場するイベントに成長しました。
連日マイナス20℃を下回る極寒のこの時期は、特に空気が澄んで満天の星が輝きを増します。沿道には千個のアイスキャンドルが並べられ、会場の中央には巨大ファイヤーストームを設置、そして日本一の寒さを耐え抜く過酷なメインイベント「人間耐寒テスト」で一夜を過ごす「バルーンマンション(氷のかまくら)」が100基並ぶ光景は壮観です。ロマンチックで幻想的な雰囲気に包まれながら、日本一の寒さを耐寒(体感)できるフェスに参加してみませんか?
※2024年2月の「第41回しばれフェスティバル」は、2025年に延期となりました。
澄んだ星空と一緒にオーロラも観測できるかも?!「銀河の森天文台」
1989年10月に陸別町で国内初の「低緯度オーロラ(赤い色のオーロラ)」のカラー撮影に成功。それをきっかけとして、「りくべつ宇宙 地球科学館」(愛称:銀河の森天文台)が建設されました。
一般公開型の天文台としては日本最大級の115cm反射望遠鏡(愛称:りくり)で遥か彼方の星雲や降り注ぐような星空を眺めたり、館内のプラネタリウムで星空について学んだりすることができます。
銀河の森天文台
住所:北海道足寄郡陸別町陸別町宇遠別
開館時間:4月~9月 14:00〜22:30、10月~3月 13:00〜21:30
休館日:月曜日・火曜日、5月第3週月曜日~第4週金曜日(望遠鏡メンテナンスのためお休み)、12月28日~翌年1月3日
公式サイト:
https://www.rikubetsu.jp/tenmon/
本物の列車の運転体験ができる「ふるさと銀河線 りくべつ鉄道」
2006年4月に廃線となった「ふるさと銀河線」を動態保存し、2008年4月に開業したのが、運転体験ができる「りくべつ鉄道」です。廃線した線路を利用して本物の列車が運転できるのは、全国的にも珍しい体験! 最長1.6kmの運転体験は日本一の距離を誇ります。運転体験、乗車体験のほか、駅構内を自由に見学することもできます。
道の駅「オーロラタウン93 りくべつ」で買える特産品も豊富
陸別町は面積の約8割を森林が占め、その広い土地を利用した酪農と林業が盛んです。
道の駅「オーロラタウン93 りくべつ」では、山ぶき、うど、ギョウジャニンニクなどの山菜や豆腐といった地域の特産品に加え、陸別町のマスコット「しばれ君・つららちゃん」のまんじゅう、ミネラルウォーター「陸別百恋水(ひゃっこいみず)」、陸別の大自然で育ったエゾシカを使ったオリジナルの鹿ジャーキーや鹿ジンギスカンなどの鹿肉製品を販売しています。地元産の生乳を活かした地元限定販売の「りくべつ低温殺菌牛乳」やプリンも人気です。
ちなみに道の駅「オーロラタウン93 りくべつ」は、1階にバス案内所、ふるさと銀河線りくべつ鉄道駅、関寛斎資料館、2階にオーロラハウス(宿泊施設)があります。
陸別町は、寒さだけでなく自然や文化も豊かな町です。一番近い女満別空港から車で約1時間、帯広、釧路空港からも2時間ほどで、十勝川温泉、美幌峠、摩周湖などの各観光地や、阿寒・大雪の国立公園への観光ルートも近く、東北海道観光の拠点としても最適な場所にあります。ぜひ、冬の陸別町を訪れてみてはいかがでしょうか。
[All photos by 十勝観光連盟]
SACHIKO SHIMOMURA ライター
旅行ガイドブックの編集者を経て、洋楽&邦楽のライブレポやインタビューを中心に手がけるフリーライターに。再び旅情報のメディアに戻ってきました。趣味は、都道府県のアンテナショップ巡り。川崎生まれ川崎育ちのフロンターレサポ。
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