【べく杯…恐ろしい子…!】高知県の飲み終わるまで置けないおしゃれな盃「可杯」とは?

Posted by: 山口彩

掲載日: Sep 21st, 2024

酒豪が多いと言われる高知県ならではの「可杯(べくはい)」。飲み終わるまで置くことができない、楽しくも恐ろしい工夫がされた酒器です。天狗・ひょっとこ・おかめ3種のおちょこと、コマがセットになったべく杯は、お土産としても個性的でおしゃれ! 宴の席の座興として使われるときのルールもご紹介します。

土佐 べく杯 可杯 

べく杯(可杯)とは?

土佐 べく杯 可杯 おちょこ 天狗 おかめ ひょっとこ コマ

べく杯(可杯)とは、お酒を注がれると、飲み終わるまで置けない杯のこと。お酒好きが多い土佐らしい、郷土色豊かな宴席を盛り上げる杯のひとつです。天狗・ひょっとこ・おかめと3種類のおちょこがあり、そこにサイコロの役目をするコマがセットになっています。

土佐 べく杯 可杯 天狗 おかめ ひょっとこ 普通のおちょこ 特徴

通常の酒器は好きなタイミングで置くことができますが、べく杯はおかめ以外、飲み終わるまで置くことができません。天狗は鼻があるので倒れてしまい、ひょっとこは穴があるので指で塞いでいなければいけないからです。

  • 飲み終わるまで置けない「べく杯(可杯)」
  • 天狗:鼻があるので置けない
  • ひょっとこ:穴があるので置けない
  • おかめ:唯一置ける

天狗・ひょっとこ・おかめ それぞれの特徴は?

天狗

天狗杯の特徴は何といっても長い鼻。その鼻の長さは、酒器としては深さになるという恐ろしい仕掛けです。天狗杯のように置くと倒れてしまう杯を、「空吸(そらきゅう)」とも呼ぶそう。

べく杯 天狗 たくさん入る

実際に量ってみたところ、ギリギリまでたっぷり注いで68mlでした。おかめの約4.5倍、ひょっとこの約1.3倍です!

ひょっとこ

ひょっとこ杯は、52ml入りました。一見一番大きく見えるのですが、深さがない分天狗杯より若干少なめ。

ひょっとこ杯 べく杯

このユーモラスな表情に騙されちゃいけません。穴を塞いで飲むのって、意外と緊張するんです。ひょっとこ杯のように穴を指で押さえておかないとお酒がこぼれてしまう杯を、穴あき盃とも呼ぶそう。

おかめ

さて、最後は唯一置けるおかめ。見た感じも愛らしく小ぶりですが、実際の容量も15mlと可愛らしいサイズです。

おかめ お酒を注いだところ べく杯

置けるって、素敵。

べく杯のルールは?どうやって遊ぶの?

べく杯 コマ

ルールは簡単。セットのコマを回して、コマが差した向きにいる人が、出た絵柄の杯にお酒を注ぎ、飲んで楽しみます!

べく杯 天狗杯にお酒を注いだところ

べく杯はお土産に買える?

べく杯 セット はりま家

はりま家「高知の座興盃 可杯」通常価格2,200円(税込)

3つの個性あふれるおちょことコマがセットになったべく杯。もちろん現地の郷土玩具・民芸品店やオンラインショップで、お土産として買うことができます。筆者は、「OMO7高知 by 星野リゾート」に宿泊した際、お部屋で二次会ができるアクティビティ「お部屋でおきゃく文化体験」のお土産として手に入れました。

OMO7高知 お部屋で二次会ができるアクティビティ「お部屋でおきゃく文化体験」べく杯
お部屋で二次会 OMO7高知 べく杯 皿鉢(さわち)料理

高知の郷土料理をアレンジしたおつまみ(複数皿)、ご近所の酒屋さんがセレクトした地酒(二合瓶・2本)、べく杯、風呂敷がセットになっていて、1セット2人前 4,800円(税込)はお値打ち!! べく杯と風呂敷はお持ち帰りできます。

OMO7高知 えいとこ全部わかるがで!土佐のおきゃく講座

同じくOMO7高知宿泊者限定で無料参加できる「えいとこ全部わかるがで!土佐のおきゃく講座」では、宴会そのものを「おきゃく」と呼ぶ土佐のおきゃく文化や、大皿に海山の幸や果物などふんだんに盛る皿鉢(さわち)料理、土佐式の「返杯」などについて楽しく知ることができますよ。

えいとこ全部わかるがで!土佐のおきゃく講座 返杯

お酒の代わりに高知県民のソウルドリンク「リープル」で体験

OMO7高知 by 星野リゾート
高知県高知市九反田(くたんだ)9-15
宿泊料金:1泊53,000円~(1室あたり・税込・夕朝食付)
客室数:133室 (C/I 15:00、C/O 11:00)
開業日:2024年6月13日(木)
交通:とさでん交通「菜園場町駅」から徒歩3分、高知空港から車で30分
電話:050-3134-8095(OMO予約センター)
URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo7kochi/

©︎Aya Yamaguchi

PROFILE

山口彩

Aya Yamaguchi 統括編集長

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!フレッシュ」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。

SHARE

  • Facebook