八つ墓村のロケ地!神秘的な「満奇洞」
横溝正史のミステリ小説を映画化した、1977年公開の『八つ墓村』。満奇洞は、複数回に渡り『八つ墓村』シリーズのロケ地となっていて、多くの俳優が撮影で訪れているんです。
- 八つ墓村のロケ地「満奇洞」
- 1977年 渥美清、萩原健一
- 1996年 豊川悦司、浅野ゆう子
- 2004年 稲垣吾郎、藤原竜也
- 2019年 吉岡秀隆、村上虹郎
洞内が常にライトアップされているため、映えスポットとしても有名。恋人の聖地、コスプレイヤーのフォトスポットとしても知られています。
満奇洞は比類なき鍾乳石の宝庫
総延長は約450m、迷路のように入り組んでいる洞内ですが、見学の所要時間は往復約30分。
つらら石(天井から垂れ下がっている石)、石筍(洞底からのびている石)、石柱(つらら石と石筍の結合した石)、カーテン(幕状の石)を始め、日本屈指のリムストーン(千枚田)もあり、変化に富んだ鍾乳石を見ることができます。
ここを訪れた与謝野鉄幹・晶子夫妻は「奇に満ちた洞くつ」と絶賛、槇(まき)という地名にちなみ、「満奇洞」と命名されたのです。
「満奇洞」と「井倉洞」どっちがおすすめ?
- 一言で言うと、「満奇洞は映え」「井倉洞は冒険」
- 【満奇洞】LED照明の幻想世界でフォトスポット満載。ほぼ高低差がない。秋は紅葉が絶景!
- 【井倉洞】壮大なスケールで冒険心を刺激。アクセス◎。森の芸術祭期間中土日祝のみ予約制
洞窟丸ごと蜷川実花 with EiMのインスタレーション!
現在は「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の会場となっている満奇洞。2024年11月24日まで、今だけ、ここだけのアート体験ができます。洞窟丸ごとを演出するのは、蜷川実花 with EiM。《深淵に宿る、彼岸の夢》と題し、この世とあの世の狭間を行き来する、黄泉巡りのような旅が体験できるんです!
@tabizine 蜷川実花作品に没入、奇に満ちた洞窟「満奇洞」 岡山県
青の空間で浄化される
かがまないと通れないほど低い入り口を抜けると、最初に現れるのは、青の空間。静謐さが漂い、まるであの世に行く前に禊をする場所のよう。
どこまでも続く地底湖のように見えるのは、実は水面のリフレクションを効果的に使った演出。天井から垂れ下がる鍾乳石が映り、まるで湖の底からのびる石筍のように見えるのです!
青から赤へだんだんと黄泉の世界に
洞窟の半分を過ぎたあたりから聴こえてくる、水滴の音や街の雑踏。奥に進むにつれて空間も青から赤へ染まっていきます。
奇妙な形の鍾乳石を横目に、あの世とこの世を行き来し、だんだんと冥府へと誘われていくような感覚に。そして階段を降りると……
鍾乳洞の奥にある池には、1000本の彼岸花が咲き、この世とは思えぬ光景が広がっていました。燃えるような赤に満ちるなか、竜宮橋が架かっています。
この彼岸花と池に広がる影や波紋が恐ろしいほど美しく、思わず時間も忘れて見惚れてしまいます。しかし聴こえてくるのは、救急車のサイレンや街の雑踏など、心を不安にさせる音。夢と現実の境界線が曖昧になって、ねじれていくような感覚。
あの世をのぞいているような、自分の中に潜っていくような、不思議な気持ちになりました。
「恋人の泉」も赤に染まる
そしてさらに奥にあるのが、全国の観光地の中からプロポーズにふさわしいロマンティックな恋人の聖地として選定された「恋人の泉」。普段はピンク色に染まる「恋人の泉」がある夢の宮殿も、森の芸術祭期間中は赤に染まっています。
この赤を狂気と見るか情熱と見るかは……あなた次第です。
鍾乳石は気の遠くなるような自然のアート
1cm成長するのに100年かかるという鍾乳石。透明な部分はまだできたばかりの鍾乳石の赤ちゃんなのだとか。これが石柱や千枚田になるまでの時の流れを想うと……気が遠くなりそうです。
そんな悠久の時を経た大自然のアートと、現代のアートが融合した満奇洞だからこそ、素直な気持ちで作品世界に身を投じ、深く味わうことができるのかもしれないと思いました。
所要時間は30分より多めにみておくのがおすすめ
見学時間の目安は30分と言われますが、あの世に見入ってしまった筆者は、1時間でも足りないくらいでした。時間は多めにみておくのがおすすめです。
作品と向き合うことで自らの死生観や美学を顧みるきっかけにもなるこのスポットで、あなたはどんな体験をするのでしょうか?
満奇洞
新見市豊永赤馬2276-2
0867-74-3100(満奇洞管理事務所)
8:30~17:00(入洞受付~16:30)無休
料金:大人 1,000円 高校生以下無料 ※森の芸術祭期間中のみの料金です
駐車場:普通車150台、大型車10台
※現地でコスプレ衣装に着替えたい場合、事前に問い合わせをすると管理事務所を使用できるそうです。
公式サイト:https://www.okayama-kanko.jp/spot/10993
2024年9月28日(土)〜2024年11月24日(日)
●観賞パスポート
料金(全ての会場に入場できます)
一般 3,000円、大学生・専門学生 2,000円
●単館鑑賞券
【無料施設】一般・大学生・専門学生 700円
【有料施設】施設入場料(高校生以下は無料)
※公共の場所に設置するアート作品の場合、鑑賞券の購入は不要です。
※単館鑑賞券は、会期中に各会場で販売します。
※価格はすべて税込です。
※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
※店舗営業については最新情報をご確認ください。
©︎TABIZINE編集部