【日本三大銘菓】新潟県「越乃雪」・石川県「長生殿」もうひとつは?歴史や味わい、共通点も紹介

Posted by: あやみ

掲載日: Dec 24th, 2024

日本三大銘菓として挙げられるのは、新潟県長岡市の「越乃雪」、石川県金沢市 の「長生殿」、そして島根県松江市の「山川」です。いずれも地域の風土や文化が織り込まれた名高い和菓子とされています。今回は、それぞれの歴史や特徴、共通点をご紹介! お土産に購入して、お茶と一緒に味わいたいですね。

日本三大銘菓 アイキャッチ

森八の祝菓「福梅」

雪深い越後を彷彿させる繊細で上品な味わい! 大和屋の「越乃雪」(新潟県長岡市)


「越乃雪」は、1778年創業の老舗和菓子店である「大和屋」が手がける銘菓です。かつて、越後長岡藩の第9代藩主の牧野忠精公が病気になった際、大和屋の庄左衛門に相談したことを契機に、寒晒粉に甘みを加えて調理した菓子を作って献上したそうです。

すると、忠精公は食が進むようになり、回復したとか。忠精公は喜んで、このお菓子を「越乃雪」と命名したそうです。

その後、長岡の幕末から明治、大正、昭和にかけて活躍した多くの人々に愛されてきました。戦時中の統制経済の中でも、商工省指定の技術保存商品となり、一度も途絶えることなく作り続けているといいます。

このような長い歴史を誇る「越乃雪」は、上質な和三盆糖ともち米の寒晒し粉が使われており、繊細でふんわりとした食感が特徴。一口頬張ると、口の中でほろりと溶け、上品な甘さが広がります。名前の通り雪を感じさせるお菓子だといえるでしょう。


このほか大和屋の定番商品には、俵形のもなかの中に長岡産コシヒカリの米粉を流し入れた「こしひかりサブレ」や、しっとりとした黄身餡が包まれた「悠久山」、マカロンと餡のバランスが絶妙な「もなまかろん」など、一度は味わってみたいお菓子を販売していますよ。

一部のお菓子はお取り寄せも可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

越乃雪本舗大和屋
住所:新潟県長岡市柳原町3-3
電話:0258-35-3533
​営業時間:9:00~17:30
定休日:日曜日・水曜日(水曜日は不定休)
交通アクセス:JR「長岡駅」大手口6番線からバスで5分「千手3丁目」下車、徒歩3分
公式サイト:https://www.koshinoyuki-yamatoya.co.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/yamatoya1778/
公式X:https://x.com/yamatoya1778

まろやかな甘みが広がる、江戸幕府にも献上されていた森八の「長生殿」(石川県金沢市)


老舗和菓子店「森八」が創作した「長生殿」は、加賀藩主・前田家に縁のあるお菓子です。

その起源は江戸時代にさかのぼります。森八の始祖である森下八左衛門が、縁者の大隅鉄斎にすすめられて、越中井波の御所落雁を改良。1625年に「長生殿」が生み出されたそうです。

「長生殿」は、伝統的な製法で、貴重な徳島の阿波和三盆糖や北陸産のもち米粉を使って作られています。紅色の落雁には紅花の天然色素を使用。

紅白の2種類があり見た目から華やかです。一口味わうと、和三盆特有のまろやかな甘みが広がり、後を引くおいしさ。ふわりとした口溶けと豊かな風味も特徴的です。


森八では、コクのあるこし餡をコシの強い求肥で包んだ「千歳」や、純度の高い氷砂糖と極上の糸寒天を使用した黒羊羹「玄」など魅力的なお菓子が盛りだくさんです。

お祝い事の際などの贈呈品としても喜ばれそうですね。

これらのお菓子は、オンラインショップで購入できます。気になる方はぜひご覧ください。

さらに本店2階には「金沢菓子木型美術館」も! 菓子作りに使われてきた落雁や金花糖などの菓子木型のほか、九谷焼の菓子器も見学できます。

加賀藩御用菓子司 森八 本店
住所:石川県金沢市大手町10-15
電話:076-262-6251
営業時間:9:00~18:00(茶寮・美術館は17:00まで)
定休日:1月1日・2日
交通アクセス:JR「金沢駅」東口から路線バスで15分「橋場町」で下車、徒歩1分
公式サイト:https://www.morihachi.co.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/morihachi08/
公式X:https://x.com/morihachi08

サッと溶けていき後を引かない! 松平不昧公から愛された風流堂の「山川」(島根県松江市)


「風流堂」のはじまりは、回船業からお菓子屋に商売替えした1890年です。以来、多くの職人を招き、菓子作りの技法、味を学び習得。その結果、各地の菓子の製法が風流堂に蓄積されていったそうです。

風流堂のお菓子のなかで、最も有名といえるのが、松平不昧公から愛されたお菓子「山川」。この「山川」は幕末から明治へとの時代の変革の中で製法が失われていました。

しかし、大正のはじめに町おこしの一環として復刻を依頼されるのです。そこで、わずかに残された文献を読んだり、原材料となる「寒梅粉」を製造したりと、大変な苦労を経て「山川」を復刻させたとか。

さて、肝心の「山川」は紅白の色合いが美しい干菓子で、口に入れると、サッと溶けていき、後を引きません。抹茶の風味が効いているのもポイント。もちろん、抹茶や煎茶との相性も抜群ですよ。


また、「風流堂」には、「山川」を食べやすく一口サイズにカットした「山川古今」をはじめ、フルーツが入った大福「フルーツ大福 ふるる菓」、昭和初期に人気を博した「シベリア」をアレンジした「風と森のシベリア」など気になる商品がいっぱいです。

通販も可能ですので、詳しくはこちらをご覧ください。

風流堂 寺町本店
住所:島根県松江市寺町151
電話:0852-21-3241
営業時間:9:00~18:00
定休日:1月1日・毎月第1日曜日
交通アクセス:JR「松江駅」北口から徒歩10分
公式サイト:https://www.furyudo.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/furyudo_wagashi/

日本三大銘菓の共通点は?

いずれも老舗店の和菓子であり、藩主などと深い関わりを持っているのが特徴です。また、すべて「落雁(らくがん)」の一種という大きな共通点も! とはいえ、それぞれ独自の製法などを用いているため、口当たりや味わいが異なります。機会があればぜひ食べ比べてみてくださいね!

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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