飛行機のトイレはどんな仕組みになっている?
飛行機のトイレの汚物はどこへいくのか、その答えは空中に勢いよく放出! もちろんそんなことはなく、機内に搭載された専用のタンクに収容されたのち、地上にてラバトリーカーによって汲み取られ、施設にて処理されます。
現在、運航する飛行機では「バキューム式」という方式のトイレが主流。強力な吸引力で一気に汚物をタンクに運ぶシステムで、機内と外の気圧差によって生じる空気の流れの性質を利用しています。
そう聞くと、洗浄ボタンを押すと出る「シュゴッ!!」というお馴染みの音の正体にも合点がいきますね。タンクへ汚物を運んだ空気は最終的に機外へ排出されるとのこと。
垂れ流しが主流の時代もあった!
かつて、人々が飛行機で旅行へ出かけることが浸透し始めたころには、汚物をそのまま空中に排出していたという記録もあります。
気になるのが空中に放出されたアレやコレのゆく末ですが、飛行機の高度から散布すると、気圧の影響により霧状まで粉砕されるため、空からそのものが落下する、ということはないようです。
その後、トイレ設備の技術向上、衛生面や倫理的な視点から垂れ流し方式は減少。現在では、ほぼすべて先述した処理方式に取り替わりました。
新幹線のトイレはどんな仕組み?
飛行機と同じく、遠方への足として活躍する新幹線。現在、新幹線に設置されているトイレは飛行機のトイレと似た「真空吸引式」と「清水空圧式」の2パターン。前者はもともと航空業界で使用されていたもを改良したもので、空気の気圧を利用した方式になっています。
一方、清水空圧式は主に、「はやぶさ」などの最新の車両に採用されている方式です。少量の水を使用し、重力と水圧によって洗浄を行うシステムになっています。メンテナンスが比較的容易であるほか、停電時でも使用できることが利点なのだそう。
汚物は焼却だ!宇宙ステーションのトイレ事情
近い将来、実現すると言われている宇宙旅行の一般化。宇宙空間に浮かぶISS(国際宇宙ステーション)のトイレは無重力空間を考慮した造りになっており、空気による吸引や自動で閉まるバッグのような装置が使用されているとのこと。
ちなみに集積された汚物は、物資などの搬送の役も担う補給船にてタンクで保管されます。いずれ一杯になってしまうのでは? と疑問に思いますがそこは心配ご無用! 役目を終えた補給船はISSから分離されたあと、大気圏に突入し焼却する方式が取られることもあるのだとか。某世紀末漫画の名台詞が思い浮びますね。
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