【実はソレ新潟が発祥!】米菓の定番「柿の種」や即身仏など!各スポットの観光情報も紹介

Posted by: あやみ

掲載日: Jun 2nd, 2025

日本各地にはさまざまなはじまりの場所、つまりは発祥の地が点在しています。それらは私たちが普段よく目にするものだけでなく、その地域ならではのユニークなものまでがあり、人によってはその始まりの地を、聖地として訪れる人もいるのだとか。そんな都道府県各地のはじまりを紹介する本連載、今回は新潟の発祥をご紹介します。

新潟 空撮

新潟県が発祥!観光におすすめのスポットも

柿の種

柿の種

※画像はイメージです。

世界中で親しまれている米菓「柿の種」。その“元祖”を生み出したのは、長岡市に本社を構える浪花屋製菓の創業者・今井與三郎氏です。1923年の創業当初は、ウルチ米を使った煎餅をすべて手作業で製造。数枚重ねた餅を小判型の金型でくり抜いて成形していたといいます。

ある日、今井氏が誤って金型を踏み潰してしまい、型が三日月のように変形。それをそのまま使って作った煎餅を見たある人物から「これは柿の種のようだ」といわれたことをきっかけに、1924年に「柿の種」として商品化しました。その後、改良を重ねながら柿の種は徐々に広まり、現在の米菓の定番としての地位を築いていきます。

ぜひ訪れたいのが、柿の種の誕生から100年を記念して2024年の10月にオープンした「新潟・長岡 柿の種発祥の地」。柿の種が生まれた経緯や製造方法を紹介するブースのほか、直売所も併設しています。また、“禍転じて福となす”の誕生物語にあやかり建てられた「柿の種神社」も必見です。

新潟・長岡 柿の種発祥の地
新潟県長岡市摂田屋町2680
公式HP:https://naniwayaseika.co.jp/?mode=f23

即身仏

即身仏

※画像はイメージです。

全国に約20体ほど現存する即身仏の中で、唯一、室町時代に入定した日本最古の即身仏が長岡市にあります。それが「西生寺」に安置される「弘智法印即身仏」です。

弘智法印は鎌倉時代、千葉県の農家の次男として誕生。幼少期に寺に預けられ僧となり、各地で仏教布教の旅を続け、高野山でも修行を重ねます。やがて即身仏となる決意をし、1363年、長岡市の西生寺・奥の院にて3,000日を超える厳しい修行を経て入定したのです。

西生寺では、霊堂内での御祈祷料として拝観料を納めれば、弘智法印即身仏(ミイラ仏)の拝観(御開帳)が可能です。即身仏の文化的・精神的価値に触れる貴重な体験ができます。

西生寺
新潟県長岡市寺泊野積8996
公式HP:https://www.saisyouji.jp/

背脂ラーメン(燕背脂ラーメン)

燕三条ラーメン

※画像はイメージです。

新潟五大ラーメンのひとつとして知られる「燕背脂ラーメン」は、燕市が発祥の地です。そのルーツは昭和30年代、洋食器製造が盛んだった燕市の工場からの出前需要に応えるために誕生したといわれています。

出前でも伸びにくいように考案された極太麺、煮干しを効かせた濃いめの醤油スープ、そしてたっぷりと浮かべられた豚の背脂。これらが組み合わさり、冷めにくくボリューム感のあるラーメンとして職人たちの支持を集めてきました。

燕市内にはこのラーメンを提供する店が数多くありますが、元祖として名高いのが1933年創業の「杭州飯店」。極太麺の上に背脂たっぷりのスープ、生タマネギ、チャーシューがトッピングされた一杯は、見た目に反して意外と脂っこくないのが特徴。背脂の量は好みに応じて調整可能です。

杭州飯店
新潟県燕市燕49-4

サトウのごはん

サトウのパックご飯

※画像はイメージです。

「サトウのごはん」で知られるサトウ食品のルーツは、1950年に新潟市で創業した佐藤勘作商店。創業当初は白玉粉の製造を行っていましたが、夏季にしか売れない商品だったため、1973年には通年販売できる3個パックのレトルト餅「サトウの切り餅」を開発しました。1980年に社名を佐藤食品工業株式会社に変更し、1988年には餅の製造技術を応用したパックごはん「サトウのごはん」を発売。2020年からは現社名・サトウ食品株式会社を名乗っています。

聖籠ファクトリー(パックごはん工場)は完全予約制で見学可能。炊き上がるごはんの様子を間近で体感できるほか、映像や音を使った展示で、子どもから大人まで楽しく学べます。

聖籠ファクトリー(パックごはん工場)
新潟県北蒲原郡聖籠町東港5-626-23
公式HP:https://coubic.com/satosyokuhin/801442

株式会社ブルボン

ブルボン

ロアンヌ

株式会社ブルボンは、1924年に新潟県柏崎市で創業した製菓会社です。もともとは柏崎市内の老舗和菓子店「最上屋」から発祥した「北日本製菓」という名前で、ビスケットやキャンディなどを製造していました。戦後の復興期にはパンの製造も手がけ、次第に全国展開を開始。1963年には現在の主力工場である柏崎工場が稼働しました。創業の地・柏崎市は、今も本社や主要施設が置かれるブルボンの原点となっています。

2024年4月、メタバース上に「ブルボンミュージアム」をオープン。創業当時の写真や製品の歴史を、デジタル技術を活かして展示しており、ユニークです。ぜひ一度、PCやスマホで見学に訪れてみてくださいね。

株式会社ブルボン
新潟県柏崎市駅前1-3-1
公式HP:https://virtual-bourbon-web.com/

石油産業

石油産業

※画像はイメージです。

日本における石油産業の発祥は、柏崎市西山町にある「草生水(くそうず)」にさかのぼります。ここでは約1,500年前から天然の石油が湧き出しており、「燃える水」として668年に朝廷に献上された記録が『日本書紀』に残っているのです。江戸時代には年貢の対象となり、明治期には灯油の製造にも活用されましたが、乱掘により資源はほぼ枯渇。現在は「献上場」と呼ばれる場所からわずかに湧出しています。

西山町妙法寺にある「草生水献上場」は見学可能です。また、毎年8月には「草生水まつり」を開催。「越の国から燃える水、燃える土が献上された」という日本書紀の記述をもとに、燃える水「草生水」を天智天皇に献上した情景を再現しています。

新潟の始まりは魅力的な食文化が多い!

新潟県には、今回ご紹介した柿の種や背脂ラーメン、サトウのごはん以外にも、全国的に知られる食文化の発祥地が点在。さらに現存する最古の即身仏や日本の石油産業のルーツとされる草生水など歴史的価値の高い場所もあり、始まりを巡る旅が楽しめます。

[Photos by PIXTA]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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