石川県が発祥!観光におすすめのスポットも
カニカマ(カニ風味かまぼこ)

※画像はイメージです。
戦後の食品三大発明のひとつとされる「カニカマ」の生みの親は、能登半島にある水産加工会社「スギヨ」。1907年にちくわ製造を始めた同社は、1972年にアルギン酸などを使用した、世界初のカニカマ「かにあし」を発売しました。発売当初は、「偽物」「騙された」と手厳しい声も寄せられましたが、商品やパッケージの改良を重ね、徐々に支持を拡大。やがて全国的なヒット商品となり、業界の救世主にまで成長しました。
1976年にはアメリカへの輸出を開始し、「世界のスギヨ」へ。2004年には技術の粋を集めた最高傑作「香り箱」が天皇杯を受賞するなど、今や日本を代表する食品のひとつとなっています。
スギヨ北陸工場の見学は、残念ながら2025年5月現在は休止中。しかし、ホームページからバーチャル工場見学が可能です。カニカマやちくわの製造過程をわかりやすく解説した動画を閲覧できます。気になる方は、ぜひご覧ください。
APAホテル
APAホテルは、元谷外志雄氏がアパ株式会社の前身である「信金開発株式会社」を設立したことに端を発します。1980年にホテル事業へ本格参入し、1984年には金沢市に1号店「金沢ファーストホテル」(現・アパホテル〈金沢片町〉)を開業。1997年にはアパグループに社名を変更し、全国展開を加速。2002年に本社を東京・赤坂見附へ移しました。
都市型ホテルやリゾート施設の展開も進み、2021年には創業50周年を達成。現在では国内ホテルチェーンの中で最大規模の部屋数(※)を展開し、利益率においてもトップクラスを記録しています。※建築・設計中・海外、FC、アパ直参画ホテルを含む。
アパグループの創業からの軌跡が知りたいのなら、「妙高アパミュージアム」へ。VTRや書籍、写真といった多彩なコレクションが展示されています。懐かしの映画館のほか、藤誠志(元谷外志雄氏のペンネーム)やホテル社長の帽子コレクションも! また1号店の「アパホテル〈金沢片町〉」は現在も営業中なので、金沢旅行や出張の際に宿泊してみてくださいね。
あぶらとり紙

※画像はイメージです。
金沢は、日本の金箔生産の約99%を担う地域。あぶらとり紙のルーツも、金箔製造の副産物「ふるや紙(金箔打ち紙)」にあります。この柔らかくしなやかな紙は、かつて京都や金沢の芸妓の間で化粧直し用として愛用されていました。
この伝統に着想を得て、金沢市に本社を構える「箔一」が1976年に「金箔打紙製法」を開発。日本で初めてのあぶらとり紙商品を生み出しました。特許取得の製法により、高い吸収力と安全性が特徴。蛍光物質を一切含まず、天然麻を厳選して製造しているのもポイントです。
金沢を訪れたら立ち寄りたいのが、箔一の化粧品ブランド金箔化粧品「KINKA」の専門店「金箔化粧品専門店 KINKA」。あぶらとり紙はもちろん、保湿性、弾力性が期待できる保湿成分「金」を配合した高保湿化粧品を購入できます。吹き抜けの空間で、ゆったりとショッピングを楽しめるのも魅力です。
8番らーめん(株式会社ハチバン)
8番らーめん(株式会社ハチバン)の発祥は、加賀市。創業者・後藤長司氏が1967年、国道8号線沿いに小さな店を構えたのが始まりです。インスタントラーメンブームの中、「本格的なラーメン専門店を」と一念発起し、味づくりに励んだ結果、たちまち人気店に。いち早く導入したフランチャイズシステムにより、続々とフランチャイズチェーン展開も始まりました。
1号店の「8番らーめん本店」は、2016年に国道8号の拡幅工事に伴い、旧店舗から約1.2km大聖寺寄りの国道8号西島交差点角地に移転し、現在も営業中です。シャキシャキ野菜たっぷりの家庭的な味わいのラーメンをぜひ味わってみてくださいね!
噴水
噴水の起源は、古代メソポタミア文明までさかのぼるといわれていますが、日本においては1861年に前田斉泰が金沢城内につくった兼六園の噴水が最古とされています。これは、金沢城二の丸に水を引くために試作されたもので、約5mある霞ヶ池との高低差を利用した逆サイフォン構造になっているのが特徴的。そのため、水の高さは、霞ヶ池の水位によって変化します。
この噴水は現存。通常水の高さは約3.5mあり、江戸時代の技術レベルの高さに驚かされますよ。そのほか、兼六園には、いわずと知れた兼六園のシンボル「徽軫灯籠」や蓬莱島という亀の形をした島が浮かぶ「霞ヶ池」、園内一の枝ぶりを誇る「唐崎松」など見どころ盛りだくさんです。
九谷焼
日本を代表する色絵磁器「九谷焼」の発祥地は、加賀国江沼郡九谷村(現・加賀市山中温泉九谷町)。江戸時代前期、大聖寺藩初代藩主・前田利治が九谷の陶石に着目し、有田で修業した後藤才次郎に命じて開窯したのが始まりです。九谷で作られた焼き物であることから、「九谷焼」と名付けられました。現在では、日本を代表する伝統工芸品のひとつとして、国内外で高い評価を受けています。
加賀市の「石川県九谷焼美術館」には、青手、色絵五彩手、赤絵金襴手と呼ばれる上絵付けの三様式に合わせて、それぞれ趣向を凝らした展示室に、作品が展示されています。九谷焼の名品を鑑賞できるデジタルライブラリーや、九谷焼の歴史を学べるデジタルギャラリーもあり、伝統工芸やアート好き必見です。
石川県にはどこか粋を感じる始まりが多い
加賀百万石の歴史と文化が息づく石川県には、日本初や日本最古とされる「発祥の地」が点在しています。どこか粋を感じる始まりが多い印象ですね。石川県を訪れたら、過去を知るだけでなく、今につながる始まりに触れる旅をぜひお楽しみください。
[Photos by PIXTA]