あべのハルカスと天王寺周辺の街並み
大阪府が発祥!観光におすすめのスポットも
回転寿司

元禄寿司 道頓堀店
今や日本を代表する食文化のひとつとして、世界中に広がっている「回転寿司」。その原点は、1958年に東大阪市で開業した元禄産業の「廻る元禄寿司 1号店」にあります。創業者・白石義明氏は、ビール工場の製造ラインに使われていたベルトコンベアから着想を得て、「旋回式食事台」を発明。これが回転寿司の始まりです。
1970年には、大阪万博(日本万国博覧会)に出店し、食事優秀店として表彰され全国的に注目を集めました。1973年には自動給茶装置も開発。1970年代から80年代にかけては低価格戦略や寿司ロボットの導入が進み、大手チェーンの参入も相次いで、回転寿司ブームが本格化しました。2007年には、回転寿司業界の市場規模が5,000億円を超える一大産業へと成長を遂げました。
残念ながら、「廻る元禄寿司 1号店」は現存しません。しかし、東大阪市足代には本店があります。お寿司は大きく分けて165円、193円、253円の3つの価格からなり、お手頃価格でおいしいお寿司を味わうことが可能です。大阪でお寿司が食べたくなったら、ぜひ訪れてみてくださいね!
宝くじ

※画像はイメージです。
日本の宝くじの起源とされるのは、箕面市にある箕面山 瀧安寺(みのおさん りゅうあんじ)。その歴史は江戸時代初期、1624年頃にまでさかのぼります。
正月の元旦から7日までに参詣した人々が、自身の名前を書いた木札を「唐びつ」と呼ばれる箱に納め、7日の「富会(とみえ)」の日に寺僧がキリで箱を3回突き、3人の当選者を選出。当たった人には「福運のお守り」が授与されたのが、宝くじのはじまりと伝えられています。
この逸話は、江戸後期の地誌『摂津名所図会』にも記録されており、当初は金銭的な賞品ではなく、純粋な福運の授与だったとされています。やがてこの習わしが広まり、金銭が絡む「富くじ」へと発展。町でも販売されるようになっていきました。
現在も瀧安寺では宝くじ発祥の地としての伝統が息づいており、毎年10月10日には「辨財天秋まつり 箕面富」を開催。この祭りでは、招福と健康にご利益がある特別なお守りが当たる抽選が行われています。なお、参加には「ミニ大福守」の購入が必要です。
カプセルホテル

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カプセルホテルの起源は、1970年の大阪万博で世界的建築家・黒川紀章氏が「未来の住宅」として提案した「空中テーマ館住宅カプセル」にあります。その構想をもとに、1979年、大阪・梅田に世界初のカプセルホテル「カプセル・イン大阪」が誕生。設計はもちろん黒川紀章氏です。
このカプセルホテルは、当時、寝台列車のベッドや仮眠施設として人気を集めていたサウナの宿泊ニーズをヒントに考案され、開業時には「21世紀のホテル」として大きな話題を呼びました。
「カプセル・イン大阪」は、男性専用のスパ&サウナの「ニュージャパン梅田店」と併設する形でいまもなお営業中。広々としたサウナ・スパ施設で、ボディケアやあかすりといった施術を24時間受けられるのも魅力です。
しゃぶしゃぶ

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日本におけるしゃぶしゃぶの発祥は、永楽町スエヒロ本店です。1910年に、北新地にて洋食レストラン「弘得社(こうとくしゃ)」を創業。その後、炭火で焼き、醤油とメンドテ-ルバタ-をかけるステ-キを主とした牛肉専門店として営業し、1952年に同社の社長も務めた三宅忠一氏が、しゃぶしゃぶを考案しました。ちなみに、「しゃぶしゃぶ」という名前は、新しい料理名の決定に難航していた際に、台所から聞こえてきた“じゃぶじゃぶ”とおしぼりを洗う音に由来しているとのこと。
永楽町スエヒロ本店は、2025年7月現在、リニューアルのために一時休業中。営業再開は2025年秋の予定です。そのため、北新地でしゃぶしゃぶが食べたくなったら、同じ北新地エリアの「堂島スエヒロ」へ。こちらでも絶品しゃぶしゃぶを心ゆくまで味わえますよ。
インスタントラーメン

チキンラーメン
インスタントラーメンの発祥は、池田市。1958年に、日清食品の創業者である安藤百福氏が、自宅裏庭に建てた小屋で研究を重ね、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を生み出したのです。その後、「カップヌードル」など革新的な製品を次々と世に送り出し、インスタントラーメンは日本から世界へと広がっていきました。
インスタントラーメンの歴史に触れたいのなら「カップヌードルミュージアム 大阪池田」がおすすめ。安藤百福氏やインスタントラーメンの軌跡を辿れるほか、世界のインスタントラーメンのパッケージが展示されていたり、自分だけのオリジナル「カップヌードル」を作れたりなど、さまざまな体験でインスタントラーメンの世界に触れることができます。
TSUTAYA(蔦屋書店)

枚方T-SITE
1983年、大阪府枚方市にオープンした「蔦屋書店 枚方店」が、現在のTSUTAYAブランドの原点です。1985年には「カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)」を設立し、ビデオレンタル・書籍・CDのフランチャイズ展開を開始しました。
1999年にはインターネットサービス「TSUTAYA online」を開始し、同年末には東京・渋谷に「SHIBUYA TSUTAYA」を出店。2002年「TSUTAYA DISCAS」の宅配レンタルを立ち上げ、2003年には共通ポイントサービス「Tポイント」を導入しました。
発祥の地である枚方市には「枚方T-SITE」があります。全9フロアにおよぶ館内には、7mの巨大本棚がそびえ、イベントやフェアも豊富。知的好奇心を刺激する空間になっています。
プラネタリウム

大阪市立科学館
日本、そしてアジアで初めてのプラネタリウムは、1937年に開館した大阪市立電気科学館に設置されました。使用されたのは「カールツアイスⅡ型プラネタリウム投影機」。星空を忠実に再現するその技術は、52年にわたり人々を魅了してきました。2023年には、日本天文遺産にも認定されています。
このプラネタリウムは現在、大阪市立科学館にて、当時の資料とともに静態展示されています。世界に3基しか現存しない貴重な装置を、ぜひ実際に見てみてください。
大阪の始まりは紹介しきれないほど盛りだくさん!
今回ご紹介した回転寿司や宝くじ、カプセルホテルなどのほかにも、大阪は始まりの地として、多くの歴史を刻んできました。時代を切り拓いてきたこの街には、まだまだ知られざる始まりが隠されているかもしれません。大阪を訪れた際は、そんな原点を探して歩くのも楽しそうですね。
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