【実はソレ広島が発祥!】スポーツ競技としても世界的に人気の「けん玉」やバウムクーヘンなど!各スポットの観光情報も紹介

Posted by: あやみ

掲載日: Nov 3rd, 2025

日本各地にはさまざまなはじまりの場所、つまりは発祥の地が点在しています。それらは私たちが普段よく目にするものだけでなく、その地域ならではのユニークなものまでがあり、人によってはその始まりの地を、聖地として訪れる人もいるのだとか。そんな都道府県各地のはじまりを紹介する本連載、今回は広島の発祥をご紹介します。

平和記念公園

平和記念公園

広島県が発祥!観光におすすめのスポットも

けん玉

けん玉

けん玉

現代のけん玉の原型が海外から日本に伝わったのは、江戸時代の中期といわれています。当時のものは、剣と玉のみで構成されたシンプルな玩具でした。

それから時を経た1921年、家具の小物を製造していた広島県廿日市(はつかいち)市の木工メーカーが、けん玉に受け皿の仕組みを加えた「日月(にちげつ)ボール」を考案。これが、日本におけるけん玉の原点となりました。

かねてよりこの地域では、厳島神社をはじめとする社寺の造営のために鎌倉や京都から多くの大工や指物師が集まり、宮島杓子などの木工製品の産地として発展してきました。こうした優れた木工技術の蓄積が、けん玉の誕生を後押ししたともいわれています。

現在、廿日市市木材利用センターでは、けん玉の製造をはじめ、木工品の展示販売や毎月の木工教室を開催しています。気になる方は、ぜひ足を運んでみてくださいね。

廿日市市木材利用センター
広島県廿日市市木材港北5-95
公式HP:https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/25/12071.html

バウムクーヘン

バウムクーヘン

バウムクーヘン

広島市南区にある離島・似島(にのしま)は、日本におけるバウムクーヘン発祥の地として知られています。第一次世界大戦中、この地には検疫所とドイツ人捕虜収容所が置かれており、収容されていたドイツ人の中に、中国・青島で菓子店を営んでいたカール・ユーハイム氏がいたのです。

1919年、彼は広島県物産陳列館(現・原爆ドーム)で行われた、ドイツ人捕虜による作品展示即売会に参加。その場で日本で初めてバウムクーヘンを紹介し、大変好評を博したそうです。

「ユーハイム似島歓迎交流センター」では、当時の歴史を踏まえたバウムクーヘン作り体験を実施しています。自分たちで焼き上げるバウムクーヘンは、格別のおいしさ。旅の思い出に、一度は体験してみたいですね。

ユーハイム似島歓迎交流センター
広島県広島市南区似島町182
公式HP:https://ninoshima-kkc.jp/

MAZDA(マツダ株式会社)

マツダ

デミオ(3代目)

マツダ株式会社は、1920年に設立した「東洋コルク工業株式会社」にルーツを持っています。2代目社長に就任した松田重次郎は、自身が豊富な実績と経験を持つ機械工業への進出を決意し、1927年に「東洋工業株式会社」へ社名を変更。

そして1931年、広島県府中町に自動車生産用の工場を設け、三輪トラックの生産を皮切りに自動車事業へ本格参入しました。こうした変遷を経て、現在に至るまで「走る歓び」を追求する自動車メーカーとして世界に展開しています。

1994年に開館した「マツダミュージアム」では、クルマが造られる様子を間近で見られる工場見学や、マツダ 787Bの展示などを楽しめます。ただし、完全予約制なので、事前に公式HPから予約の上、訪れてください。

マツダミュージアム
広島県安芸郡府中町新地3-1
公式HP:https://www.mazda.com/ja/experience/museum/

カルビー株式会社

かっぱえびせん

かっぱえびせん

カルビー株式会社は、1949年に広島市で松尾孝氏によって創業されました。当初は「松尾糧食工業株式会社」としてスタート。戦後の食糧難の中で栄養価の高い食品の供給を目指しました。

1955年には、カルシウムの「カル」とビタミンB1の「ビー」を組み合わせた名称「カルビー製菓株式会社」に社名を変更し、健康志向のスナックメーカーとしての方向性を明確にしました。

社名変更以降、1964年に発売された「かっぱえびせん」は大ヒットを記録し、カルビーの代表的な商品となりました。現在では、ポテトチップスや「じゃがりこ」など、多彩なスナックを展開し、国内外で親しまれる企業へと成長しています。

かっぱえびせんの製造工程を見学したいのなら、廿日市にある「カルビー株式会社 広島みやじま工場」へ。かっぱえびせんができる様子を大きな窓越しに見ることができます。2名~30名(小学生以上対象)での見学申し込みが可能ですよ。

カルビー株式会社 広島みやじま工場
広島県廿日市市木材港北16-9
公式HP:https://www.calbee.co.jp/factory/hiroshima/

株式会社八天堂

八天堂

八天堂ビレッジ

現在「くりーむパン」で知られる株式会社八天堂は、1933年に三原市港町で創業された「森光八天堂」という和菓子のお店が始まりです。1953年に法人化され、1975年には二代目・森光義文氏が屋号を「ラ・セーヌ八天堂」に改名しました。

1991年には三代目・森光孝雅氏が三原市宮浦に焼き立てパン店「たかちゃんのぱん屋」を開店。以降10年間で広島県内に13店舗を展開し、商品は100種類以上にまで増えました。しかし、競合の増加により卸売のシェアは徐々に縮小。

そこで2007年、100種類あったパンの中から1種類に絞り込み、開発を進めた結果、2008年に冷やして食べる「くりーむパン」が完成しました。2009年には屋号を「八天堂」に統一し、東京都北区東十条商店街に初出店しました。

その後も事業を拡大。2013年には広島空港そばに「くりーむパン」の製造拠点として工場を新設し、2017年にはシンガポールに直営店「八天堂カフェ」をオープンするなど、国内外でブランドを広げています。

体験型の食のテーマパーク「八天堂ビレッジ」では、地元・広島の食材を取り入れたお食事メニューやスイーツを味わうことができます。ピザやパン作りなどの体験も可能です。

八天堂ビレッジ
広島県三原市本郷町善入寺用倉山10064-190
公式HP:https://hattendo-village.jp/about/

国産万年筆

万年筆

万年筆 ※画像はイメージです。

初の国産万年筆「セーラー万年筆」の発祥は、創業者・阪田久五郎氏が日露戦争後に友人からもらった英国製万年筆との出会いにあります。

「万年筆というものを生まれて初めて見たときの心のときめきは、言葉で言い表せないほどだった。」と語るこの体験が原点となり、1911年、呉市稲荷町に「阪田製作所」を創業。日本で初めて純国産の14金ペン先を製造し、国内万年筆市場の開拓に乗り出しました。

1932年には法人化し「株式会社セーラー万年筆阪田製作所(現・セーラー万年筆株式会社)」と改称、1939年に天応工場を新設。戦後もプラスチック射出成型による量産万年筆やカートリッジ万年筆の開発で常に市場をリードしました。今日も阪田氏の「ときめき」と開拓者精神を受け継ぎ、文具市場の革新を続けています。

「セーラー万年筆株式会社 広島工場」では、工場見学を実施。通常工場見学と工場見学+イベントの2つの見学スタイルがあり、希望に合わせて選ぶことができます。

セーラー万年筆株式会社 広島工場
広島県呉市天応西条2-1-63
公式HP:https://sailor.co.jp/company/factory-tour/

広島はものづくりと文化が融合した始まりの集積地

広島県には、けん玉やバウムクーヘン、マツダの自動車、八天堂のくりーむパン、セーラー万年筆、カルビーのスナックなど、日常や文化を彩る発祥が数多く息づいています。伝統の木工技術や製菓、精密工業といった職人技と、革新を続ける企業の挑戦が融合する広島を巡れば、歴史と現代が交錯する「ものづくり」の物語を体感できるでしょう。

[All photos by PIXTA]

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PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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