
まぼろし博覧会とは?

静岡県伊東市・伊豆高原にある「まぼろし博覧会」は、「キモ可愛い楽園」をコンセプトにした日本最大級の私設テーマパークです。NHK「ドキュメント72時間」でも特集され、大きく話題になったスポットでもあります。
セーラー服姿で筆者を迎え、館内を案内してくれた館長・セーラちゃん
もともと熱帯植物園だった広大な敷地を活用し、東京ドームのグラウンドほどの広さに昭和レトロな生活用品や看板、人形、アート作品、秘宝館の展示、動物のオブジェなど、ジャンルを超えたコレクションがぎっしりと並んでいます。
展示数は数え切れないほど。歩いても歩いても新しい空間が現れ、「次は何があるんだろう」と自然と足が進みます。

一言で表すなら、「この世のあらゆるものを集めた場所」。ですが、不思議なことに雑然としているだけではありません。一見バラバラに見える展示にも、この場所ならではの世界観があり、いつのまにかその空気に引き込まれていました。
入口から圧倒される、情報量の洪水


チケット売り場へと歩き始めた瞬間から、すでにまぼろし博覧会は始まっています。建物の外にも人形やオブジェが並び、「本当に中に入っても大丈夫かな?」と不安になるほど独特な雰囲気。

チケットを購入し、期待と少しの不安を抱えながら入口へ向かうと、こちらをのぞく巨大な大仏のように見える聖徳太子像の姿が見え、足を止めてしまいました。


筆者は正直、もう少しコンパクトな施設を想像していたため、この日最初の驚きと共に、「これは想像以上かもしれない。」そう思ったのです。館内へ一歩踏み入れた瞬間、目に飛び込んでくるのは天井近くまで積み重なった展示の数々。
壁にも、床にも、頭上にも、とにかく物がある。どこを見ても新しい発見があり、視線を休ませる暇がありません。展示を見るというより「探検」している感覚。テーマパークというよりも、誰かの頭の中を歩いているような気持ちです。
この世界を作った人、「セーラちゃん」

まぼろし博覧会を語るうえで欠かせない存在が、館長のセーラちゃん。セーラー服姿で来園者を迎える姿はSNSでも話題になっており、「セーラちゃんに会いたくて来ました」という人も少なくありません。筆者も運よく会うことができました。
普通の博物館ならきれいに整理され、ジャンルごとに分類されているはずですが、ここではそれがありません。
「世の中は整理されていません。きれいに並べるほうが不自然なんです。」さらに、「ホコリも展示。忘れ物も展示。」という言葉が印象的でした。

普通なら片付けられてしまうものまで、この場所では”作品の一部”になります。時間とともに変化し続ける展示のように感じ、だからこそ独特の生命力があるのだと筆者は感じました。

セーラちゃんは「嫌なものや興味のないものを見ることも大事」と話します。インターネットやSNSでは自分の好きなものばかりが目に入りがちですが、この場所ではそうはいきません。
苦手なものも、意味が分からないものも、目に飛び込んできます。だからこそ、新しい発見が生まれるのではないでしょうか。
セーラちゃんの名刺まで作品になる

運よくセーラちゃんにお会いすると、名刺をいただくことができます。しかし、その名刺もただ配るだけでは終わりません。
来園者がセーラちゃんからもらった名刺を館内のさまざまな場所に置いていき、展示の一部となっていました。名刺が展示に少しずつなじんでいく様子は、セーラちゃんの「ホコリも展示。忘れ物も展示。」という言葉と重なるものがありますね。
「忘れ物」さえ展示になる世界

館内を歩いていると、二度見してしまったのは人気YouTuber・はじめしゃちょーの忘れ物。実は、ロケで訪れた際に置いていったものなのだそうです。普通なら「落とし物」として保管されるだけかもしれません。しかし、まぼろし博覧会では違います。
忘れ物を一つの展示として来場者を楽しませています。「忘れ物」という何気ない出来事も、見せ方ひとつで作品になる。そんな柔軟な発想に感心してしまいました。
筆者の心をつかんだ展示空間5選

まぼろし博覧会には数え切れないほどの展示がありますが、その中でも特に印象に残った空間をご紹介します!
まるでおばあちゃんの家に迷い込んだような「おばあちゃんの部屋」

迷路のような通路を進んでいると、どこか懐かしい雰囲気が漂う部屋へたどり着きました。そこは「おばあちゃんの部屋」。
集めていたコレクションを「博物館や喫茶店みたいに色んな人が眺めてくれる場所に寄贈できたらいいのに」という想いを抱いていたおばあちゃん。お孫さんがその想いを叶えるために、引き取り手を探していたところセーラちゃんが声をかけてくれたのだとか。ぬいぐるみや人形、生活雑貨がぎっしりと並び、思い出をそのまま閉じ込めたような場所になっています。

祖父母の家に遊びに行ったとき、何となく棚に置かれていた人形や、名前も知らないぬいぐるみ。その景色まで思い出してしまい、展示を見ているというより、自分の記憶をたどっているような感覚になりました。
思わず立ち止まる「赤ちゃん人形館」

入口からちらりと見えた瞬間、「これは入ってみたい」と吸い寄せられるように足が向いたのが赤ちゃん人形館です。

四方八方に赤ちゃん人形。どこを向いても視線が合い、一瞬だけ身構えてしまいます。ですが、怖さは長く続きません。
一体一体違う表情を眺めているうちに、「これはどうやって集められたのだろう」「この子は何を見ているのだろう」と想像が膨らみ、夢中で写真を撮っていました。

ここには、「おきあがり赤ちゃん」として音楽活動も行っていたキチローさんのコレクションが展示されています。独特な世界観ですが、一歩踏み込むと引き込まれてしまいますよ。
昭和の空気を閉じ込めた「昭和の町」

個人的に一番心をつかまれたのが、この昭和の町です。入口では少しインパクトのある人形がお出迎え。

最初は驚きますが、その先には昭和の街並みを思わせる世界が広がっています。古い看板、生活用品、おもちゃ……。

「あの頃の空気」まで再現されているようで、されていないような、誰かの記憶をのぞいているような感情になります。

レトロでおしゃれな雰囲気もあり、歩いているだけで映画のセットに入り込んだような気分になりました。時間が止まったような雰囲気に、思わず長居してしまうエリアです。
圧倒される存在感「まぼろし島」

まぼろし博覧会は、屋外展示や森の中に点在する小屋展示などもあります。そして、迷路のような通路を抜けた先に、異様な空気を放つ舞台のような「まぼろし島」が出現。
最初に感じたのは、「なにこれ!怖い!」という感情。しかし、しばらく眺めていると、その感情は次第に「もっと見たい」という好奇心へ変わっていきました。
一体一体の人形やオブジェにそれぞれ物語があるようで、言葉では説明できない魅力があります。「怖い」を超えた先にある世界。そんな表現がぴったりの展示でした。
秘密基地のような「ほろよい横丁」

最後に紹介したいのが、「ほろよい横丁」。細い通路を進むと現れるこの場所は、子どもの頃、誰にも見つからないように秘密基地へ入っていったときのようなワクワク感があります。

足音を忍ばせながら歩いてしまうほど、異様な空気感。雑多なようでいて、どこか居心地のよさも感じます。ここには、以前来園者が書いた短冊も数多く飾られていました。
一枚一枚読んでいると、その時代ごとの思いが残されていて、展示だけではなく、人の記憶までこの場所に積み重なっていることを実感します。
ほろよい横丁にはコスプレを楽しめる更衣室も!

ほろよい横丁には更衣室も用意されており、コスプレをしながら撮影を楽しむこともできます。普段とは違う服装で写真を撮ると、より非日常感を味わえるでしょう。
館内には思わず写真を撮りたくなるスポットが至るところにあるので、カメラやスマートフォンの充電はしっかり準備しておくのがおすすめです。
迷路のような通路も、この博覧会の魅力


展示を見ながら歩いていると、「次はどこへつながっているんだろう」と思わず先へ進みたくなるような通路が続きます。

館内は迷路のような造りになっていて、曲がり角を一つ曲がるたびにまったく違う世界が現れるのも、まぼろし博覧会ならでは。

個人的に特に印象に残ったのは、こちらの通路。
薄暗いのになぜか温かみがあり、静まり返った空間は、放課後に誰もいなくなった校舎を探検しているような気分になりました。子どもの頃に味わった「この先には何があるんだろう」というワクワク感がよみがえり、自分だけの冒険をしているようでした。
アクセス・所要時間は?

車の場合、東京からは車で約2時間15分。電車の場合、新宿駅からは「小田急線・東海道本線・JR伊東線」を乗り継いで約2時間45分。新幹線や特急を利用する場合は、約1時間45分でアクセスできます。
JR伊東駅からは、東海バス「ぐらんぱる公園方面行き」に乗車し、「梅ノ木平」バス停で下車。所要時間は約30分です。バスは1時間に1本程度のため、事前に時刻表を確認しておくと安心ですよ。

展示数が非常に多いため、所要時間は2〜3時間ほど見ておくのがおすすめです。じっくり写真を撮りながら回ると、それ以上かかることもあるでしょう。
館内は屋根のあるエリアもありますが、空調設備は基本的になく、自然に近い環境です。夏は暑さ対策、冬は防寒対策をする必要があります。
また、一部足元が悪い場所もあるため、歩きやすい靴がおすすめ。トイレも設置されているので、長時間の滞在でも安心して楽しめます。
とりあえず一度足を運んでみてほしい「まぼろし博覧会」

歩くたびに「なんだこれは」と驚き、笑い、少し怖くなり、そして気づけば夢中になっています。帰ってからも何度も思い返してしまう場所でした。

気づけば2時間以上歩き回っていたのに、「あれ、まだ全部見切れていないかも」と思ってしまうほどの情報量。
伊東を訪れるなら、ぜひ予定に加えてほしいスポットです。きっと帰る頃には、「こんな感情になる場所は初めてだった」と誰かに話したくなっているはずです。
©takoyura,TABIZINE編集部
〒413-0231 静岡県伊東市富戸梅木平1310-1
営業時間:
冬期間 AM9:30~PM17:00
夏期間 AM9:30~PM17:30
※夏季・冬季のスケジュールについては、公式サイトで最新情報をご確認ください。
※ご入場は閉館の30分前まで
※年中無休
入場料金:
大人1,400円
小中学生600円
https://maboroshi.sakura.ne.jp/
※店舗営業については最新情報をご確認ください。
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