【ウィーンでザッハトルテを食べ比べ!】ホテル・ザッハーとデメル、味と歴史の違いは?|オーストリア

Posted by: もろたけいこ

掲載日: Nov 4th, 2026

オーストリアの首都ウィーンを訪れたら、一度は味わってみたい名物スイーツが「ザッハトルテ」。チョコレートケーキにアプリコットジャムを合わせ、艶やかなチョコレートでコーティングした、ウィーンを代表する伝統菓子です。なかでも有名なのが、ホテル・ザッハーの「オリジナル・ザッハトルテ」と、老舗菓子店デメルの「デメルのザッハトルテ」。実はこの2店、どちらが本家なのかをめぐって長年争った歴史があります。せっかくウィーンで食べるなら、歴史を知ってから味わうと、ひと切れのケーキもより特別なものに感じられるはず。今回は、ザッハトルテ誕生の物語から2店の違い、口コミで見られる味の評価、カフェでの楽しみ方まで紹介します。

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル

ザッハトルテの本家はどっち?ホテル・ザッハーとデメルの歴史

16歳の見習い料理人が生み出した、ウィーンの名物ケーキ

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ザッハトルテの物語が始まったのは1832年と言われています。ホテル・ザッハーが伝える誕生の物語によると、オーストリアの宰相メッテルニヒ侯爵が来客をもてなすために特別なデザートを求めた際、料理長が病気で不在となり、当時16歳だった見習い料理人フランツ・ザッハーが代役を務めることになりました。そこで生み出されたのが、チョコレートとアプリコットジャムを組み合わせたケーキです。これが後に、世界的に知られるザッハトルテへとつながっていきます。

フランツの息子エドゥアルト・ザッハーはデメルでの修業を通じてレシピを磨き、1876年にホテル・ザッハーを開業しました。ザッハトルテはホテルの看板商品として名声を高めていきます。

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一方、デメルもまた、長い歴史を持つウィーンの名門菓子店。1786年に創業した店をルーツとし、かつては宮廷御用達の菓子店として知られていました。両店ともウィーンの菓子文化を語るうえで欠かせない存在なのです。

「オリジナル」の名称をめぐり、2つの老舗が争った

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上がホテル・ザッハー、下がデメル

ザッハトルテを語るうえで欠かせないのが、ホテル・ザッハーとデメルの間で繰り広げられた論争です。争点となったのは、どちらが「オリジナル」を名乗れるのかという問題。ケーキの名称だけでなく、アプリコットジャムの使い方なども議論の対象となりました。

法廷闘争を含む長い争いは「甘い7年戦争」と呼ばれるほどでしたが、1963年に和解に至ります。ホテル・ザッハーは「Original Sacher-Torte」(オリジナル・ザッハトルテ)の名称を使用することになりました。一方、デメル側のケーキは「Eduard-Sacher-Torte」(エドゥアルト・ザッハトルテ)として販売できることになったと紹介されています。現在、デメルの公式サイトでは「Demel’s Sachertorte」(デメルのザッハトルテ)の名称が使われ、三角形のチョコレートの印が特徴です。

つまり、現在「オリジナル・ザッハトルテ」として知られるのはホテル・ザッハーのもの。ただし、これはデメルのケーキが偽物という意味ではありません。デメルにも独自の歴史と菓子づくりの伝統があり、どちらもウィーンを代表する名店です。この背景を知ると、2店の食べ比べは単なるスイーツ巡りではなく、ウィーンの食文化の歴史を味わう体験へと変わります。

ホテル・ザッハーの「オリジナル・ザッハトルテ」 ―本家で味わう特別なひととき

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 

1切 11.50ユーロ(約2,021円 ※2026年10月時点のレートで算出)

ホテル・ザッハーのザッハトルテは、長年受け継がれてきたレシピをもとに、現在も手作業で作られています。チョコレートのコーティングに包まれたケーキの上には、ホテル・ザッハーの名を示すチョコレートのエンブレム。ひと目でそれと分かる、象徴的な姿です。口に運ぶと、チョコレートの濃厚な風味とアプリコットジャムの甘酸っぱさが重なります。生クリームをたっぷり添えるのが伝統的な楽しみ方。ホテル公式も、砂糖を加えていないホイップクリームとの組み合わせをすすめています。

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ここで覚えておきたいのは、ザッハトルテが、ふんわりと軽いスポンジや、とろけるような生チョコの食感を目指したケーキではないこと。どっしりとした生地とチョコレートの存在感を楽しむ、クラシックな菓子です。実際、筆者もデメルに比べるとチョコの食感は重く感じました。

実際に食べた人の口コミを見ると、ホテル・ザッハーのザッハトルテは評価が分かれることもあります。期待していたほどの感動はなかった、思ったより生地がしっかりしていて乾いた印象だった、という感想がある一方、伝統的な味わいや、ウィーンで本家を食べる体験そのものを評価する声も見られます。この違いは、ザッハトルテに何を期待するかによっても変わりそうです。

日本で馴染み深いチョコレートケーキを想像していると、少し意外に感じるかもしれません。しかし、濃厚なチョコレートとアプリコットジャムの風味を、無糖の生クリームで調整しながら味わうのが、このケーキの醍醐味です。おすすめは、最初のひと口をケーキだけで味わい、次に生クリームを添えて食べてみること。

さらにコーヒーを合わせれば、甘さやチョコレートの余韻の感じ方も変わります。口コミの評価だけで「おいしい・おいしくない」を決めるよりも、伝統的なスタイルを楽しむつもりで訪れると、満足度の高い体験になりそうです。

ケーキだけではもったいない。歴史あるホテルでカフェタイムを楽しむ

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ホテル・ザッハーを訪れる魅力は、ケーキの味だけではありません。歴史あるホテルで、ウィーンらしいカフェタイムを過ごすことそのものが、旅の思い出になります。観光の合間に腰を落ち着け、コーヒーとケーキを前にひと息つく。街を歩き回る時間とは違う、ゆったりとしたひとときを楽しめるのも、老舗カフェを訪れる醍醐味です。

もちろん、人気店だけに混雑する場合もあります。混雑時は入店待ちの行列ができるときもあるため、時間に余裕を持って予定を組むのがおすすめ。「本家のザッハトルテを、ウィーンの歴史あるホテルで味わう」。その体験に価値を感じる人なら、ぜひ訪れたい一軒です。

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 内観

豪華な内観にうっとり

カフェ ザッハー
所在地 Philharmoniker Str. 4, 1010 Wien, オーストリア
営業時間 7:00~23:00
https://www.sacher.com/en/restaurants/cafe-sacher-wien/?utm_source=google&utm_medium=organic&utm_campaign=google_local_cafe_sacher_wien

デメルのザッハトルテ ――宮廷菓子店の優雅な空間も魅力

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 外観
もう一つの名店はデメルです。創業は1786年。長い歴史を持つ菓子店で、かつて宮廷御用達として知られた伝統を受け継いでいます。日本でも店舗があるので馴染みのある方も多いのではないでしょうか?

店は王宮エリアに近いコールマルクトにあり、街歩きの途中に立ち寄りやすい場所です。店頭のディスプレイやクラシカルな内装も、デメルの魅力。ショーケースに並ぶケーキや菓子を眺めていると、ザッハトルテ以外にも気になるものが見つかるはず。

デメルのザッハトルテは、どこに注目して食べる?

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル

1切 8.50ユーロ(約1,494円 ※2026年10月時点のレートで算出)

デメルのザッハトルテも、チョコレートケーキとアプリコットジャムを組み合わせたもの。特徴の一つが、三角形のチョコレートプレート。ホテル・ザッハーの丸いエンブレムと見比べると、2店の違いが視覚的にも分かります。

以前は、ジャムを挟む位置や層の違いが、2店を比較する際によく取り上げられてきました。ただし、レシピや商品仕様については変化もあるため、「ホテル・ザッハーは必ずこう、デメルは必ずこう」と単純化しすぎないことが大切です。現在のデメルの公式商品説明では、2層の生地の間とチョコレートのコーティングの下にアプリコットジャムを挟むスタイルが案内されています。

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 断面

食べ比べるなら、断面を見ながら、生地の密度や口当たり、ジャムの酸味、チョコレートの風味がどう感じられるかに注目してみましょう。甘さの感じ方や食感の好みは人によって異なるので、口コミでの評判を正解とするのではなく、自分の舌で確かめるのが一番です。筆者の感想は、アプリコットの風味が強く、クリームをつけて食べるとよりおいしい印象がありました。

ザッハトルテだけじゃない!ショーケースやお土産を選ぶ楽しみも

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 
デメルを訪れるなら、ザッハトルテだけで注文を終えるのは少しもったいないかもしれません。公式メニューには、アップルシュトゥルーデルをはじめ、複数のケーキや菓子が並びます。チョコレート系のケーキを食べ比べるのもよいですが、異なる種類を選ぶと、ウィーンの菓子文化の幅広さを感じられそう。同行者がいるなら、別々のケーキを頼んでシェアするのも楽しみ方の一つです。

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル お土産
また日本でもパッケージが可愛いと評判のお菓子もお土産におすすめ。ザッハトルテだけでない楽しみ方ができるのがデメルのよさでもあります。

Demel Vienna cafe
所在地 Kohlmarkt 14, 1010 Wien, オーストリア
営業時間 10:00~19:00
https://www.demel.com/

ホテル・ザッハーとデメルを食べ比べ!どちらがおすすめ?

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 外観
2店のどちらに行くべきか迷ったら、味の優劣だけで決めず、旅で何を体験したいかを考えてみましょう。ホテル・ザッハーは、「オリジナル・ザッハトルテ」の名を持つケーキを、ホテルの歴史とともに味わえるのが魅力。ザッハトルテ誕生の物語をたどりながら、本家の一皿を体験したい人におすすめです。

一方のデメルは、宮廷菓子店としての歴史に加え、ショーケースに並ぶ菓子やカフェのクラシカルな雰囲気も楽しめます。ザッハトルテを目的にしつつ、ほかのスイーツも試してみたい人に向いています。

カフェ・ザッハーは公式サイトで予約を案内しています。一方、デメルは予約を受け付けていないため、訪問時は時間に余裕を持たせましょう。

食べ比べるときは、同じ条件で味わうのがポイント

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せっかく2店を訪れるなら、できるだけ同じ条件で食べ比べると違いが分かりやすくなります。まずは、ケーキだけをひと口。チョコレートの風味や生地の食感を確かめたら、次はアプリコットジャムの酸味に注目します。最後に無糖のホイップクリームを添え、口当たりや甘さの印象がどう変わるかを楽しみましょう。

比較したいポイントは、生地の密度、チョコレートのコーティング、ジャムの酸味、クリームとの相性。見た目の違いを写真に残しておくと、あとで振り返るのも楽しくなります。

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ただし、食べる順番やケーキの温度、コーヒーの種類などでも印象は変わります。より公平に比べたいなら、同じ飲み物を合わせるとよいでしょう。

そして、口コミで「こちらのほうがおいしい」と書かれていても、それが自分にも当てはまるとは限りません。自分の好みを発見することも、食べ比べの面白さです。

1日で両方巡るなら、旧市街の街歩きと組み合わせて

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル  観光
ホテル・ザッハーとデメルは、どちらもウィーン中心部にあり、街歩きの途中で立ち寄りやすい立地です。ホテル・ザッハーはウィーン国立歌劇場の近く、デメルは王宮エリアに近いコールマルクト。周辺の歴史的建築やショッピングエリアを散策しながら、カフェを巡るプランにすると、移動そのものも楽しめます。

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル  お土産

写真はデメルで見かけた他のケーキ

またお土産にしたい人にも朗報! ホテル・ザッハーとデメルでは、持ち帰り用のホールケーキも販売されています。ホテル・ザッハーではカフェだけでなく空港でも販売があります。そしてまさかの日本からお取り寄せも可能。デメルでも同じくカフェで販売があります。最後のお土産に買って行きたい方、日本でも食べ比べをしてみたい方におすすめです。

ホテル・ザッハーのお土産情報
https://shop.sacher.com/ja/
デメルのお土産情報
https://www.demel.com/products/sachertorte

番外編 ザッハトルテ以外にも挑戦したい、ウィーンの伝統菓子

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 

ザッハトルテ以外なら、ピンク色のウィーン菓子にも注目を。その名も「プンシュクラプフェン(Punschkrapfen)」。ピンク色のアイシングで包まれた、四角い形の小さな菓子です。

スポンジ生地やケーキの切れ端などを使ったフィリングに、ラム酒やパンチ風味のシロップを合わせるタイプが知られています。見た目は可愛らしいものの、甘みが強く、ラム酒などの香りを感じるものもあります。

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 

チョコレートとアプリコットジャムを主役にしたザッハトルテとは、見た目も味わいも異なる一品。ウィーンの菓子店で見かけたら、ショーケースを眺めながら挑戦してみるのも楽しそうです。ただし、店によってレシピや風味は異なります。アルコールが気になる人は、注文時にラム酒などが使われているか確認しておくと安心です。おすすめは、街中心部にあるaidaのプンシュクラプフェン。店内もピンクの装飾でとてもキュートなので、必見です。

AIDA – Café-Konditorei
所在地 Singerstraße 1, 1010 Wien, オーストリア
営業時間 8:00~22:30
https://aida.at/

ウィーンでザッハトルテを味わうなら、歴史ごと楽しもう

オーストリア ウィーン ザッハトルテ 食べ比べ ホテルザッハー デメル 

ホテル・ザッハーとデメルのザッハトルテは、どちらもウィーンの菓子文化を代表する存在です。「本家」の称号をめぐる論争があったからこそ、2店のケーキを食べ比べる楽しみも生まれました。ホテル・ザッハーでは、オリジナル・ザッハトルテと歴史あるホテルで過ごす時間を。デメルでは、宮廷菓子店の伝統や、ショーケースに並ぶ多彩な菓子との出会いを。どちらを選んでも、ウィーンならではのカフェ文化を感じられるはずです。

©︎Keiko Morota
※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
※店舗営業については最新情報をご確認ください。

PROFILE

もろたけいこ

Keiko Morota ライター/テレビプロデューサー

某キー局勤務・ドラマプロデューサー。多忙な仕事のスキマ時間で旅をするスキマトラベラー。世界一周も2回経験し、81カ国渡航・行っていない大陸は南極だけ。女性誌の読者モデルを務め、旅とファッションも諦めず、時にはバックパックも背負う冒険家スタイル。最近はマイルハックも勉強中でお得に旅する方法を追求中。

某キー局勤務・ドラマプロデューサー。多忙な仕事のスキマ時間で旅をするスキマトラベラー。世界一周も2回経験し、81カ国渡航・行っていない大陸は南極だけ。女性誌の読者モデルを務め、旅とファッションも諦めず、時にはバックパックも背負う冒険家スタイル。最近はマイルハックも勉強中でお得に旅する方法を追求中。

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